ベンチャー企業の無人ロケット
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
日本名、橘 健一。リーファの父。
台湾人。民間軍事会社の社長で、梁財閥の長男。リーファを溺愛している
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
ジャスミン・マーカス
アメリカ人。小5。女。
スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。
紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
五代珠乃
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。
朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。
エディ・田中
五代珠乃の、血の繋がらない父。
犯罪組織、HAZEの創始者。
ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。
梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。
僕の脳内で、満員の観衆を背負い、長机に陣取ったカラスの兄弟。
あっという間に呼吸を整え、百年前からソコにいるカンロクでしゃべり出す、カラ太郎。
さすがプロ。
まて、プロなの？
『さあ、今回の相手は黒髪ロング…… おっと、カラ次郎さん、うっすら我々の記憶にある、氷室メグ選手と被りますねぇ』
話を振られたカラ次郎、手元のタブレットで過去の試合をチェックしてるのか、しかめっ面で答えた。
『ソッスネ、あの時の相手は、試合にこぎつけるまで、半日足らずの、チョロインだったッスけど、今回、オファーから実現まで、相手、ワリともったいぶってるし…… 大一番じゃ無いッスかね』
してねえよ、オファー！？
あと、メグの事、チョロイン呼ばわりヤメロ、言われてみれば、そんな気、してくるだろーが！
鼻歌を歌いつつ、金属製マグカップに、例のすっきりするグリーンティーを注いでる、白ネコミミ。
こっちに向けられた、高い位置にあるお尻から、立ち上がったしっぽが機嫌良く揺れてる。
どんなカラクリなんだろう。
値段の高そうなサンダルも白、ゴキゲンな五代、今度は僕の太もも、向かい合わせにまたがった。
スカートがめくれ、黒の高そうな下着と、白いふともものコントラストが、目と脳を焼く。
よせ、破壊力高スギィ！
「やめろってば！？ いまさらだけど、なんてカッコ……」
嬉しそうに、僕の両肩に腕を置き、背を丸めておでこをくっつけ、クスクス笑うかぐや姫カット。
「オマエの前だけに決まっとるやろ、ボケ。そもそも普段は肌隠せって言うから……」
ガシャン。
シャッターが立てる音に僕らは飛び上がる。
「冷てっ！？」
首に回された五代の手からマグカップのお茶が飛び散り、首筋に掛かった。
五代の店の防弾シャッター。開閉速度が速い。
シャッターのこっち側は、外壁。
テイクアウト・カウンターだけが唯一の窓だけど、シャッターが開くにつれ、下から這い込んでくる光がどんどん増していく。
「なななんで！？ オトン帰って来たんか！？」
「おま、五代サン、しばらく帰って来ないって、ウソだったの！？」
『タマ以外で、ココ開けられんの、オトンとユリさんだけ。ユリさんは仕事やし、オトンは帰らん』って、さっき言ってたのに！
もう、浮気相手と間男そのものな会話になってるけど、それどこちゃうわ！
コイツのこんなカッコ見られたら……。
ゴクリ。
必死で自分のスマホを操作、開いていくシャッターをなんとかしようとする五代。
首だけ、あっちむいてるから、ワリと大きな二つの胸が、僕の顔に当たってパニック。
訂正。
こんなカッコじゃなくて、こんなトコ見られたら……。
ベンチャー企業の無人ロケットにくくりつけられるワ、打ち上げ3秒後に華々しく散ること前提で！
シャッターは、完全に開いた。
ガチャガチャと乱暴に回される、アルミ扉のノブの音。
ヒィィィ！
五代と僕は、逃げるのも忘れ、恐怖に抱き合って悲鳴を上げる。
五代の超・大事なトコに、血の気が引くのも忘れてる僕のパーツが、下着越し食い込んじゃってるけど、五代さんの、パンチかキックか鉛弾が食い込む未来が気になって、それどころじゃない！
「いや、逃げろって、五代！？」
「アホ、オレがおらんかったら、オトン、オマエのコカン見た途端、ちょんぎって、石膏で型取りしてから量産したヤツ、ガッコに送り付けよるわ！ バッキバキやんけ、コレ！？」
「逃げないで、珠乃サン！ あと、コカン押しつけるのヤメテ、取り返しの付かない事になっちゃうから！？」
無情にドアが開く。
恐怖に凍り付く僕らの視界、逆光に浮かんだ人影達が叫ぶ。
「邪魔するぜ！」
「きったネエ店だな、ハーン！？」
「おうおう、雨戸おろして、陽の高いウチから…… ホンマに乳繰りあっちょるんか、しごうすんゾ！？」
冗談抜きで、僕らの目玉が飛び出した。
「リーファ、ジャス子にナディア！？」
「な、なんでやねん、なんでオマエラ……」
それには答えず、眉根を寄せてズカズカ踏み込んでくる三人娘。
三者三様、形の違うサングラス越しの目、血走ってるのが僕にはわかる。
あわてて、僕のヒザから飛び降り、両手をかざして喚く五代。
「待て、まず待て！ オマエラどうやって入って来てん！？ オトンもユリさんも、おらんはずやぞ？」
それ、マズそれ訊きたい！
……だが、カンジンの向こうに、その気が無かった。
「あ、大丈夫デース」
「わー、太ももむっちり、ジャス子、ジェラシー…… 殺るワ」
「おうおう、肌もエロ・コスも白いこっちゃのう…… すぐ真っ赤にしちゃるけん、二人分の血で」
迫り来る三人分の殺意に、チビリそうになりつつも、僕の頭に閃いた。
「あっ、まさか……」
「あり得んワ、カナトがオレの困る事するわけないやろ！」
僕の思考を先読みした、五代の絶叫に目が覚める。
「す、スマン！ そうだな、アイツを疑うなんて……」
その時僕らは気づいた。
扉の陰。
そっとのぞいてる、卑屈な目。
僕らは全力で突っ込んだ。
「「まさかのカナトかい！？」」
(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。
毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。
宜しくお願いします！
