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おいでよ、図書館へ ~チーフスペシャルで、盗撮野郎のコカンをハジこう~


《登場人物》


 林堂 凜


 主人公。 小6、男。

 幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。

 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。



五代珠乃


小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。

朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。


香咲 ナディア=マフディー


小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。




梁 梨花リャン・リーファ 


小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。


 

吉田カナト(カナト)


五代の近所に住んでる、小4、男子。

大人しく、クラスでイジられている。


吉田由里


カナトの母。看護師。童顔。





 午後二時。店の外の生活道路。


 ガチャリと、店の鍵を掛けた五代が、ポニーテールを揺らして振り返る。


「よっしゃ、行こか」


 服装は、今朝、見せつけられた、濃い茶色のシフォンブラウスと、少しだけ薄い色のミニスカート。


 肩に掛けてるトートバッグを渡された。重い。

 

 驚いて、中をのぞくと、背表紙に分類番号の貼られた図書館の本がていねいに積まれてあった。

 丈夫な帆布で出来てるから、破れはしないけど、マジで10㎏くらいあるぞ、コレ。


「おま、図書館の本、何冊入ってんだよ? 筋トレじゃないんだぞ?」


 フリルで飾られた、そこそこの胸を張る五代・金縁眼鏡バージョン。


「30冊。今は亡きオトンのカードも使って、上限一杯まで借りとるからのう」


「はぁ?そんなに借りたって読めねーだろ? ところで、さくっとパパ殺すのやめよ?」


「そん中の気に入ったヤツだけ、また借りる。タダやしな」


 路地からママチャリを引っ張り出し、前カゴにピンクのショルダーバッグを放り込む。


 五代が、自転車にまたがり、イイ笑顔で言った。


「いよっし、荷物持ちで図書館まで供をするとは、若いのに感心なヤツ……どこみとんじゃ、エロガッパ!」


 赤い顔で、前を隠してわめく、店長をスルー。


 僕は不機嫌な顔で、サドルにまたがる、コカンを見下ろし続ける。


「いや、今でも、ギリギリ見えるトコだったぞ? ミニスカートやめろって」


「じゃかあしいワ! 涼しいし、動きやすいし、エエ事ずくめなんじゃ! おま、生理ン時のコカンのムレやすさ……」


「わーっわーっ! 聞きたくないッ! あー、もーいい、行くぞ!」


 んだよ、ヒトの気も知らないで!


 僕はカゴに重い本を放り込むと、乱暴にスタンドを払う。


「なーにを、キレる事があんねん、おかしなやっちゃ(ヤツ)で……」


 首をかしげながら、僕を自転車で追い越す五代。この区の図書館の場所は知らないから、その後を付いていく僕。


「それより、いいのかよ? 僕といたらメッチャ目立つぞ?」


 結構マシになったけど、ユリさんにぶん殴られた、右頬は紫色に変色してるし、左目の周りはパンダのままだ。


 今日来たお客サンに、どれだけイジられた事か。

 店長がテキトーにさばいてくれたけど、興味津々で聞いてくる八割が「痴話ゲンカ?」だったもんな。


 親子ゲンカに巻き込まれたんだっつーの。

 五代のパンチは…… お仕置き? カナトんちで相棒とヒトに言えん事してた報い?


 相棒と言えば、昨晩『オマエラ怪しいし、カナトの練習もあるから、明日も店に行く』ってLINEがあったけど、ユリさんの用事で、カナト、留守なんだよな。


 五代にリーファが来るって言ってるんだけど、ってLINEしたら、


『おう、ええのう! 広島(ナディア)パツキン(ジャス子)と、裁ちばさみ女(メグ)も呼んで、どスケベサイコロでパーティじゃ! 全員ベビーカー持参な?』


 って、言ってるけど? ってリーファにLINEしたら、既読無視された。


 まあ、来ないだろうな。




 



 図書館のある、六階から階段を駆け下り、激おこでホールを横切る五代を追っかける僕。


「待てって、本、重いんだから!」


 チクショウ、また、30冊も借りるとは!

 

 しかも、ハードカバーが多くなってるから、重量、グーンとアップ!

 おしゃれしてんのに、こんな古ぼけた帆布製のバッグ持ってきた理由がしみじみ分かった。メッチャ頑丈。


『一澤帆布』って、札が縫い付けられてるけど、覚えとこう。


 自転車置き場でやっと追いつく。

 我ながら、呼吸も荒いし、九月なのに汗だくだ。


 チクショウ、五代のヤツ、行きも階段使うし、帰りも階段、どんだけ健康第一なんだよ?


 こっちに背を向けたまま、鍵を突っ込んでる五代に息を切らして訊いた。


「おま、何怒ってんだよ? 司書のおばさん、笑ってたからイイけど、カンジ悪……」


 振り返った五代、マジ切れしてた。


「うっさいわ! 階段では後ろに貼り付く、自転車では、コカンばっか見てくる、エエ加減にしとけよ!? 橘みたいなお高いパンツやのうて、残念やったのう!? 失せろ!」


 コイツ、なに言ってんだ?


 ……あ。


 まさか。


「……おま、マサカ、俺がオマエのパンツ覗こうとしてたって思ってんの?」


「他に、何があるんじゃボケ!」


 涙目で喚く、五代の顔。

 俺の視界が、怒りで赤くなってく。


 こんのボケ……ヒトの気も知らずに……


「昨日も言うたやろ、ココはオレの第二の家なんじゃ! 司書のおばさんも馴染みでチビの頃から世話になってんねんぞ? 他の客に銃チラつかせて、どういうつもり……」


 ブチリ、と脳のどっかで音がした。


「アホウはそっちだ、クソボケェ!」


 コイツと会って、過去イチの絶叫に五代が息をのむ。


「こっちは、パンツが見えない様に、ずっと貼り付いてたんだよ! 第二の家ェ? だったらそんなカッコでくんじゃねえ! なんで、そんなに危機意識がねえんだよ?」


 五代の後ろで、子連れのお母さんが心配そうにこっちを見てる。


 知るか、こっちだって、心配なんだよ!


「おま、毎週来てんだろ? 案の定じゃねえか! あのデブ何? オマエが座った途端、オマエの対面に座ってたろうが? 盗撮されてたらどうすんだよ!」


 青い顔で、軽く俺を見上げている五代。

 身長差は2,3センチしかない。


「あれ、毎週オマエが来るの把握してんだよ。司書さんに話してる内容も盗み聞きしてたぞ?」


 唇を震わす五代。昔から通う、コイツの第二の家。

 

 でも……


 あそこは家じゃない。

 誰が来るか分からない、公共の場なんだ。


 

 ……あ、ダメだ。

 ショック受けてる五代見てたら、怒りがおさえきれない。


 銃、見せて、テーブルの下からコカンに銃口向けながら「キンタマ吹き飛ばすぞ、ロリコン?」つったら、階段で転んでたけど、ヒザくらい撃ちぬいときゃよかったワ。


 





(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。


毎日深夜0時過ぎ、週7更新を目標にしてます。


宜しくお願いします!


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