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スマッシュ・ガールズ 〜ドッジボール、最後まで残りたくはないよね〜

《登場人物》




 林堂 凜


 主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。






 香咲 ナディア=マフディー


 小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。






 梁 梨花リャン・リーファ 


 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。主人公が好き。



オリガ


日本で言う、小6、女。ロシア人。ナディアの実家のメイド。凜の五先の相手。

オリガはイライラを隠さず言った。


「イイヨ、やろう。お互いメリットあるなら。でも、ビジネス。オマエラみんな敵。それだけは忘れるな」


僕は頷いて言った。


「明日、また今日くらいの時間な」




エレベーターを待つ間、ナディアが遠慮がちに聞いてきた。


「林堂。なんでじゃ?オリガんとこいっても、お前メリットないじゃろ?」


僕はナディアを見た。

怪訝そうな顔。

不貞腐れているリーファ。

やましい疑いを持たれてないことに僕は嬉しくなった。


「答えてあげて……相棒」


リーファが舌打ちした。


「その言い方、マジ、ズルい。そのうちぼっちになるからな、凛」


リーファは暗闇に近くなった、オレンジ色の景色を睨みながら言った。


「ひとりは絶対にダメとか言うんでしょ……ったく」




「いやア、オリガ!会えてホントにウレシイヨ!」


次の日の放課後。


僕、ナディア、そのパパ、ママでオリガを訪ねた。


あんぐりと口を開けている、オリガをナディアパパは抱きしめた。


こういう事しても、イヤラシさを感じないのは、この人のいいとこだよな。


ナディアのママも続いて抱きしめる。


「オリガ、あの時は本当にありがと

う。来るなら来るっていってくれたらいいのに」


「イヤ……仕事で来テルヨ」


オリガはそっと体を離すと、困ったように言った。


「ナディアから、話はキイタ? ワタシ、ナディア達の敵ダヨ」


ナディアパパが、片方の眉を吊り上げておどけた。


「その言い方は正しくないな。eスポーツの対戦相手、それだけだよ。憎しみ合うのはおかしい」


「そうじゃ。日本におる間、たっぷり遊べるけん」


オリガは、目を泳がせて呟いた。


「困るヨ……」


ナディアパパは笑って言った。


「こう言おうか?全力で闘うのはいい。けど、憎しみ合おうとするのは、ナンセンスだ。オリガ、君は立派なビジネスウーマンだ。アメリカのビジネスマンはビジネスで勝った後、相手にこう言う……イッツ ア ビジネス(悪く思うな)ってね」


オリガが、戸惑ったようにナディアパパを見上げた。


「聞けば、これから林堂君達と練習するんだろ?なら、それはそれ、これはこれ。君なら出来る……そうだろ?」


「……ワカッタヨ」


オリガの眼から、少し険しさが取れた気がした。


「よし!イダカ……公園でバラ当てやるけん、行こう!」


「イヤ、それは……」


僕はやっと口を挟めた。


「女子ばっかりだとキツイけど、男子も半分以上混じってるから、大丈夫。あと、リーファもいるぜ。思っきり当てていぞ」


「そうじゃ、オリガ、パキスタンでボール遊びしたとき強かったけん、戦力なる。ウチより足速いしな」


オリガは、目を閉じ、覚悟を決めた様に頷いた。


「OK、ヤルヨ」




「スゲー、アイツ、メッチャ球速え!」


オリガの放った弾丸ライナーが、バックして逃げるジンの肩を捕えた。


年季の入ったバレーボールが、六月の太陽に向かって高く跳ねる。


「ヨッシャ、ジン、倒したヨ!」


オリガが吠えた。

同じチームから、喝采が上がる。


「マジか、当てられるのいつぶりだよ、ジン」


驚くぼくに、ジンが焦って言った。


「なんとかして戻って来っから、それまで頼むぞ、二人とも」


残ったのは、なんと、僕とリーファだけ。

相手チームには、5人、中にはナディアもいる。


仁王立ち、プラス、人差し指でカムカムされ、リーファは眼を吊り上げた。


「やってくれんじゃん、テメー」


「安心シロ、顔しか狙わないから、当たってもセーフダヨ」


「いいねそれ。何発でも叩き込める。釣りはいらないよ」


二人の険悪さに、周りが輪をかけて盛り上がる。


おかしいだろ?


あっという間に溶け込んで、10年前からここにいるようなオリガに、僕は笑いをこらえきれなかった。


ノリノリじゃん、アイツ。


オリガー、あと二人!


「任せろ、仕事はキッチリコナスヨ!」


女子からの声援に威勢よく応える。


オリガ、誰に話しかけられてもちゃんと答えるから、みんな気安く話しかけてる。 


なんていうか、スター性あるな、ジンとはまた別の種類で。


外にいる、自チームから送られてきたパスを、リーファがキャッチ。


砂煙をあげて、サイドステップでオリガに迫り、腕を振りかぶる。


「ぶっ飛べ!」


そう叫びながらも、ボールは正確にナディアの顔へ。


「知っとる」


ナディアが首を傾け、余裕で避けると、ボールは後ろにいた、佐竹の顔を直撃した。


「お前みたいなひねくれもんが、正面から行くわけないしのう……はっ、さたん、なにしよる? ……うちがよけたせいって、理不尽じゃろ!?……リコ、はなすんじゃ!うおお」


リーファの全力投球が、羽交い締めプラス、足を抱え込まれたナディアの土手っ腹を直撃した。


エビになってのたうち回るナディアを見て、オリガは拳を握る。


「くっ、ヨクモ!」


いや、お前、指差して笑ってたじゃん。


3度目の外からのパス。ジン、いい仕事し過ぎ。


太陽を背に返ってくるバレーボール。

リーファがキャッチの為距離を合わす。


「オーライ、オーライ……死んどけ!」


なんと、キャッチせずに、グーパンをフルスイング。

かっ飛ばされたボールはオリガの顔を直撃した。


鼻血を噴きながら、のけぞるオリガ。


「うおおい!?」


ぼくのツッコミをよそに、オリガは、天から落下するボールを見ないままキック。

至近距離で中指を立てていたリーファの顔面にめり込んだ。


「ソーリー。足に当たった、ワザトジャナイヨ」


数秒おいて響き渡る怒声。


「コロス!」


冷静に見えて短気なリーファが襲い掛かり、取っ組み合いが始まった。


リーファ、仰向けのオリガを蹴るんじゃなくて、パンチで狙いに行くって、無駄に慣れてるし。


……オリガはオリガで、下から三角絞めかなんか狙ってない?


佐竹の仕切りで盛り上がり、ジンが外から止めようと駈けてくる。



なんで、僕の周りはケンカ慣れした女子が集まってくるんだよ……









毎日23時頃、週7更新を目標にしてますが、火曜と木曜は、25時になる事が多いです。

祭日、日曜は、早めに投稿する事もあります。


宜しくお願いします!


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