GCコンタップ(純正)の少女 1
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。主人公が好き。
ジン
クラスメイト。男。クラスのリーダーで、優しい。
佐竹
クラスメイト。女。クラスのボス。
鈴香
ナディアの姉。高校生。
香咲 ヨシヒコ=マフディー
ナディアの父。パキスタン人。
お館様
ナディアの祖母。ヨシヒコの母。
オスマン
ナディアの叔父。
「や、林堂くん、どうだったイ?」
香咲家の門から出てきたのが僕一人なのを確認して、ナディアパパがせかせか駆け寄って来た。
夕飯の買い物帰りの人たちが、自転車で通り過ぎる。
「ナディア、電話出てくれそうかな……なんでケツおさえてるの?」
「いや、ママが『デュエマのカードにナディアもつける』っていうから、カードだけで大丈夫ですって言ったらプラバットでぶっ叩かれました」
「……乱暴な娘で申し訳無い」
「いえ!全然平気です。ナディア、lineくらいは出てくれそうですよ。それじゃ!」
助かったヨ、お金は返すからネ!
の言葉を背中で聞きつつ、僕は速足で戦場を離脱した。
前回、なんだかんだでガイギンガを手に入れ損なったんだ。誰にも邪魔させない!
大金を運んでる時、他人はすべて強盗に見えるって言うけど、ホントによくわかった。
僕はTシャツの下に貰ったデュエマを隠し、小走りで帰ったけど、万引き犯にしか見えなかっただろうな。
マンションのエレベーターを待ちきれないので、例によって一段とばしで階段を駆け上がる。
5階手前で何か予感がして、スピードを緩める。
いた。
「ハイ、sonny。よく会うね」
階段に腰掛けた例のお姉さんが、ヒラヒラと手を振る。
「あ、こんちは」
金髪を後ろにまとめ、ジーンズにデニムの長袖をはおってる。人懐っこい笑顔で言った。
「オナカに何隠してる?……デュエルマスターズ!カッコイイ!アニメみてるよ」
「ええっ!マジですか!?」
「イエス。ワタシ、ジャパニメーションダイスキだよ。コスプレもスルヨ」
「おお!」
なんて、話しやすい人だ!デュエマをカッコイイって言ってくれる女子を初めて見た。コスプレは知らんけど。
「お姉さん、友達がこのマンションにいるんですか?」
「ノー。3階にムーブして来たよ。モニカです、ヨロ!」
「あ、林堂です」
差し出された手を握る。柔らかくてドキッとした。
「ヨイショ」
「えっ」
僕の手を引張って立ちあがった、モニカさん。
不意打ちによろけた僕は、モニカさんの胸に飛び込む形になってしまった。
弾力があって、柑橘系の香りがする胸に顔が埋まる。
「うわわ、ゴメンナサイ!」
慌てて飛び退くと、お姉さんは真剣な顔で僕を見ていた。やべ、怒ってる!
お姉さんはニッコリ微笑んだ。
良かった。
立ち上がったお姉さんは、リーファより背が高かった。足の長いこと。
「sonny……リンドウ、ちょっとオネガイ。ネットのつなぎ方ワカラナイ。教えて?」
「お邪魔します……うわ、ホントに引っ越してきたばかりなんですね」
ウチと同じ間取り、部屋の数は3つとダイニング。
一番奥、ベランダ前の部屋に一番荷物が集中していた。なんか、原色の服とか、剣みたいな小物もある。
カーテンや、冷蔵庫なんかの最低限アイテムは活動してるみたいだ。
「そ。ジェットラグ、やっと治ったとこ。これ、つなぎ方分からないよ」
Joshinのテープが貼られた新品のルーターとswitchを差し出された。
明日と年始は休みます。
良いお年を!