父はいません 1
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
梁 梨花
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。主人公が好き。
ジン
クラスメイト。男。クラスのリーダーで、優しい。
佐竹
クラスメイト。女。クラスのボス。
鈴香
ナディアの姉。高校生。
香咲 ヨシヒコ=マフディー
ナディアの父。パキスタン人。
お館様
ナディアの祖母。ヨシヒコの母。
オスマン
ナディアの叔父。
「台北で!?リーファの故郷じゃん……よく呑んだな、相手」
お呼ばれした日から、3日。
リーファ、ナディア三人のグループ通話で5先の開催地を相棒から告げられた。ナディアはまだ来て
ない。
「話した相手は、例の通訳のオリガっていう女性。全て彼女に任されてるみたい」
「……そりゃそうか。フツーの大人、スマブラも配信も何それってカンジだもんなあ」
「そう、分かるわけない。こちらの出した配信で土下座に坊主の条件も変更」
「え、そなの!?」
「そんな事させてくれる配信者はいない」
「……あ!」
そうか。
個人の無名な配信ならそれが出来ても、集まるのは10人もいないし、大規模な配信なら、下手すれば
強要罪で警察がくる可能性だってある。そんなリスク背負う配信者、まずいない。
「ある意味、凛はうまくやった」
複雑な気持ちだ。流石にそこまで頭は回らなかったし。
「あの時は勢いだけだったからなあ。代わりの条件……そういえば、相手が負けた時の条件って決めて無かったよな?」
「そう。それとの釣り合いもある。ナディアの家族の件は終わってるから、これはあくまで、凛との決闘。後日回答するって事だけど……」
「どした?」
「良くも悪くも、向こうの熱意が感じられない」
「えー……そんな事言われるとめんどくさくなるなあ」
ナディアが通話に参加した。
「すまん、遅くなった」
ナディアに、リーファが5先の件を説明をすると、
すごく喜んでくれた。
「何よりじゃ!ぶち、安心したけ。やる気……無いかもしれんのう。実際、恥かかされた言うても、うちらしか知らんわけじゃし、逆になんでそんな事やるんじゃって、地元の奴らに知られたらヤブ蛇じゃろ」
「えー……気が抜けるなあ」
「凛、油断はダメ。相手の出方を待とう」
この時、相手の意図がわかっていれば、僕がナディアの故郷に行くことが避けれたかな。
次の日、学校から帰ってくると、エレベーターが待てないから、外の階段を使って六階に向かった。
一刻も早くswitchの電源を入れないと、フォトナのアプデにゲーム時間を喰われてしまう!
ランドセルをガシャガシャ言わせながら、一段とばしで登ってたら、
「Oh!」
5階と6階の折り返しで急ストップした。
「あ、スミマセン」
僕は、階段の真ん中に腰掛けてた、女の子に謝ってから、ビックリした。
金髪碧眼の女の人だ。中学生くらい?なんで、こんなとこに?
「元気イーネ、sonny<少年>。こっちこそソーリー」
ニッコリして、ペットボトルのコーラと一緒に脇へずれてくれた。
僕は頭を下げて、急いで駆け抜けた。恥ずかしかったから。
誰かのお客さんかな?キレイな人だったなあ。
「ヤラレタ! でも、ジン! そいつ激ロー、倒さないと男じゃない!」
いつもの充実した時間を、過ごしてると、誰かから、着信があった。知らない番号だ。留守電になるまで待つ。
「あー、ナディアのパパです。突然スミマセン。ちょっと話が……」
「ジン、ゴメン、電話だから落ちる……もしもし!」
「あ、助かったー……いやあ、突然すまないネェ」
ほっとした。チャラい感じに戻ってる。
「何かあったんですか?」
「いやぁ、言いにくいんだケド……ちょっとだけお金貸してくんないカナ?」
毎日23時頃、週7更新を目標にしてますが、火曜と木曜は、25時になる事が多いです。
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