ドンマイデース
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。
幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。
任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
五代珠乃
小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。
朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。
エディ・田中
五代珠乃の、血の繋がらない父。
犯罪組織、HAZEの一員。
ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。
梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。
オリガ・エレノワ(オーリャ)
日本で言う、小6、女。ロシア人。ナディアの実家のメイド。凜の五先の相手。バロチスタンで、彼女の命を救って以来、主人公の事が好き。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
氷室 恵
小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。
鈴木
メグのママ。事務所では、メグのメイクを担当。
田中
メグのパパ。小さな、芸能事務所を経営。
「……と言うような訳……デス」
最後の方は、リーファ・愛用のマグカップが、ガラスのローテーブルに、叩きつけられる音で、かき消された。
中に入ってるピーチティーが、テレビのリモコンを置いてる、ガラスの表面に飛び散る。
……こないだ、椅子かなんか叩きつけて、テーブル、割ってたじゃん。
また、割れちゃうぞ?
って、アレは、リーファの部屋に、あるヤツだった。
こめかみに、四つ辻浮かべてる、相棒。
ソファから、身を乗り出し、怒りをこらえる様に、目をつむってるけど……
全然、ガマン出来てないよね?
っつか。
我慢して、これなんだよな、コイツ……
午後3時を、回ったところ。
相棒の自宅、だだっ広い、リビングの大窓から見えるのは、市内の景色。
ローテーブルを挟んで、僕はリーファと向かい合っていた。
壁代わりの強化窓、遮光モードになってるから、9月の強い陽射しも、へっちゃらだ。
午前中、五代の店で、鉄板の熱気に焼かれてたのが、懐かしく感じる。
工場用のクーラーでも、追っつかない暑さだったんだぜ?
働くって、大変な事なんだよなあ……
「あのチビッコ女優まで、うちの学校、来んのかよ……アタマ痛い」
「いや、僕だけのせいちゃうやん? オマエとナディアがいるからだぞ?」
クッションを抱いて、フカフカのソファーに寝転ぶ、僕。
あー、ひと仕事終わった。
必要な事は、全部言ったもんね。
先生に、宿題忘れましたって、言い終えた気分だ。
マァ、担任の草内なら、優しく笑って、『頭、使う気無いなら、汗流して来んかい』って、グラウンド、走らされるけど。
美人だけど、クソなんだよな、アイツ。
昨日、帰りの地下鉄で、激おこだったリーファをなだめる為に、家までくる約束をしたんだ。
メグん家の後、リーファのトコ、寄るつもりだったから、着替えは持って来た。
ん? シャワー借りるために、決まってんじゃん。
ローテーブル越し、ノースリーブに、ショートパンツ、白い脚を組んだリーファが、ギロリとニラむ。
キレ長の二重だから、迫力ある……
ケド、僕は平気なんだな、コレが。
こめかみを、押さえたまま、低ーい声を出す、相棒。
「何? タイヤにじゃれついてる、パンダの真似? 『僕、関係ナイデース』みたいに見えるよ、蹴るよ?」
「アタイ、リンリン! 趣味は、お昼寝と、少数民族の弾圧!」
「死ね!」
飛んできた、個包装の、ぼんち揚げをキャッチ。
袋をあけながら、実は機嫌のいいだろう、相棒に言った。
「だって、オマエラの妹分じゃん? 目の届くトコに置いて、鍛えてやれって。
アイツ、放っといたら、また、やらかすぞ? アホだから」
「なんで、アタシが……」
ソッポ向いて、ブツブツ言いながらも、ホッとしているのが、僕には分かった。
リーファ、ホントに友達だって思ってるの、ナディア、メグ、ジャス子だけだ。
後、オーリャも…… だったけど……。
なんだかんだ言いながらも、メグに東京なんかへ、行ってほしく無いって思ってるのは、僕と同じ。
あっちで、同じ目に合いそうな、未来しか見えないもんな、アホだし。
そこも、僕と同じだ。
ん?
ナンダヨ?
僕も、リーファと同じ!
心配なだけだって!
……まあ、いいじゃんよ。
リーファ、自分が、ちっちゃい頃、イジメられてたから、その辛さは、よく知っている。
今回、メグが高架下で、マキ達にリンチされた時も、リーファのパパの様子がおかしくなければ、真っ先に乗り込んで、モノも言わずに、マキ達を、ボコボコにしてたろう。
優しくて、ナディアより、短気で手が早い。
それが、リーファだ。
disってないぜ? 事実なだけ。
「まあ、いいよ。学年違うし、ナーに押し付けるし…… んで、後回しにしてた、話。五代って誰?」
僕は、顔に縦線が、入りそうになった。
さっき、メグん家で、雪女に、全く同じ質問を、されたからだ。
『メグの部屋で、じっくり聞きましょうか?』
って、二又に割れた舌を、チロチロさせながら言うから、鈴木さんの背中に隠れて、逃げてきたんだ。
『アラ、背中じゃなくて……こうでしょ?』
鈴木さんに、思いっきり顔を、胸に押し付けられた。
メグが、発狂した隙を見て、全力で脱出したけど……
あの後、どうなったのかな……
いや、考えまい。
ぼんち揚げを、頭にぶつけられて、我に帰った。
「あ、ワリぃ……ってか、こっちの方が、聞きたいっての? 橘さんの、知り合いって言ってたケド?」
ありがたく、2個目を食べる、僕。
リーファが、ユーウツそうに、天井を見た。
「『敵じゃない…… 今はな』って、ビミョーな言い方しか、しない」
「……米沢みたいな、もんなのかな?」
リーファとメグに、痴漢してシメられ、今は味方になってる、クレアプロ・社長の名を、出してみた。
リーファは、口をへの字にして、肩をすくめただけ。
ヨカッタ。
もう、あんまり、気にしてないみたいだ。
「オマエに分かんなかったら、僕にわかる訳ないじゃん? てっきり、何か、橘さんに聞いてるって思ってたよ」
リーファが、不満そうに僕を見る。
ソファの肘掛けを、指でトントンしながら、上目遣いで言った。
「ワリと…… いや、かなり、カワイイんだって? パパが、『オマエの次くらいだ』って言ってたもん」
僕は、店長の、邪悪な笑顔を思い出し、イラッとなりつつ、HAHAHAと笑う。
「……ナニ、その乾いた、笑い?」
「カワイイ? んな事、どうでもイイワ。こっちの情報か? アイツは、俺の事を『女の敵』で、『ナイ』って言ってるし、俺の評価は……」
ポカンと、口を開けてる、リーファに言った。
「昔のジャス子並みに邪悪で、佐竹より下品。
根はイイ奴だけど、葉っぱが毒々し過ぎて、虫も寄り付かねー。
1日でも、早くケガ、治ってほしい。
二度と、ツラ見ないで済むから…… 以上」
相棒は、僕がウソつかないのは知ってる。
ソファにもたれて、天井を向いた僕の耳に、リーファのとまどった、呟きが届いた。
「……どんまい」
毎日23時頃、週7更新を目標にしてますが、火曜と木曜は、25時になる事が多いです。
祭日、日曜は、早めに投稿する事もあります。
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