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Shall we dance?


《登場人物》


 林堂 凜


 主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。



オリガ・エレノワ


日本で言う、小6、女。ロシア人。ナディアの実家のメイド。凜の五先の相手。バロチスタンで、彼女の命を救って以来、主人公の事が好き。



 梁 梨花リャン・リーファ 


 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。



 香咲 ナディア=マフディー


 小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。



氷室 メグ


小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。


ハスマイラ

二十歳半ば。女。リーファの護衛。

リーファのパパが好き。



佐竹


小6、女。クラスのボス。




「特定した! 高架下のどこかだ!」


 右手のスマホに叫び、3車線向こうのガードレールに向かってダッシュ。


 急速に迫り、急速に去っていく、クラクション、甲高いブレーキ音。


 弾き飛ばされる、ギリギリで駆け抜けながら、スマホを咥えて、カバンに手を突っ込み、底を引っぺがす。


 M36の、硬い手触りを確認、全身が燃え上がる。


 これで、勝ち確。


 メグになんかしてたら……


 歯を食いしばった。


 全身の関節、360度可動できるようにしてやる。


 ガードレールを飛び越え、高速道路が屋根になってて、雑草で縁取られた、空き地に駆け込んだ。

 驚いたバッタが飛び去る。


 おなじみの、緑色の高いフェンスが、邪魔。

 

 そいつに沿って、走りながら、メグ達の気配を探る。


 空き地内は暗く、反対側車線の明るさで、影絵のように、建築資材が浮かんで見えるだけだ。

 

 どこだ?


 罵声と悲鳴。

 

 それが、走行車の音に混じって、高速道路の屋根でこだまし、心臓が跳ねた。


 前に見える、橋脚の向こう側からだ!


 やっぱりあった、フェンスの破れた部分に飛び込み、一気にその橋脚へ、駆け寄る。


 カバンを、空き缶と吸い殻の散らばる、草むらに放り出し、咥えてたスマホのビデオカメラを起動する。


 焦るな。

 撮影が先だ。

 証拠は最強の武器。

 

 引きずり出した、ウエスト・バンド形のホルスターを、素早く腹に巻き、Tシャツで隠した。

 ゴルフ用の革手袋を、ポケットに突っ込む。


 スマホを構え、息を切らしながら、そっと覗き込んだ。


 心臓が爆発した。


 ひらけた空き地。

 

 駐車場を作る予定なのか、土の地面はトラロープで仕切られ、こっち側みたいなフェンスは無い。


 20m以上離れた、向かい側の、橋脚のたもとに、自転車と人の群れ。


 想像してたより多いじゃん、6人はいるぞ!?

 

 中に、原チャリが混じってるのを見て、胃が焼けた。

 免許持ってる、歳のヤツが混じってんのかよ!?


 繋ぎっぱなしのスマホに、荒い呼吸で囁く。


タリホー(発見)。恵比寿ラーメンより、北側100mの高架下。(タンゴ)は6人、自転車四台、原チャリ一台。女2、男4」


『了解。SG、聞こえる? ウォッチマンがパッケージを視認……』


『ママ、6人じゃと。場所は……』

 

 座り込んだメグが、同級生らしい女に、腹を蹴られてるのを見て、どこかでブチリと音がした。


 殺す。

 確実に。


 通話しながら向けている。スマホに掠れた声で言った。 


「対象が危ない。動画を撮り次第、突撃する」


 言うと同時に立ち上がり、画面を覗き込みながら、歩き出した。アイツラの顔が、くっきり映るまで近寄りたい。


『凛、落ち着け。SGが10分以内に現着する』


『こっちは、5分以内じゃ。凛、ウチの分も残しとけ』


 「おう」


 出来るだけ、画面がブレないように、歩こうとはしてるんだ。


「テメ、土下座しろって言ってんだよ! それで済ませてやるって、言ってんだろが!」


「誰がするか、バァカ! マキ、今日がオマエの命日だよ、クソ女! ぐふっ…」


 無理だろ、こんなのが聞こえたら。


「うわ、キッモっ! 命日だって、この奥さん!? 白黒映画の見過ぎで、頭カビてんだろ?」


 何人かが笑い、又、蹴りが入れられる。

 顔じゃなく、腹蹴ってるのは、証拠残して、オオゴトにしない為か。

 慣れてんな?


 対象まで、10m。

 

 もういいよな?


 我慢しなくていいんだよな?


 ぶっ殺して、いいんだよな?


 口笛を鋭く吹いた。


 バカ共、全員振り返る。

 ハイ、バッチリ、顔映りました、っと。


 慌てて、顔を背ける連中。

 メグは、うつむいてて、まだ、僕に気づいてない。


「何撮ってんねん、チビィ!」


 派手なパーカーを着た、ひょろ長いのが、ズカズカ歩いて来た。


 距離8メートル。


 僕はスマホの操作をやめない。

 

 グループに送信開始したのを確認してから、ウエストベルトに、さし込んだ。


 俺は、首を回しながら、革手袋をはめる。


 やっと。


 やっと、暴れられる!

 しかも、遠慮の要らないヤツだ!


 待ちきれねえ。

 自分から歩み寄る。


 コイツ、背ェ高いな?

 顔つきからしたら、同級生クサイけど、163cmあったオーリャに近い。


 僕が153cmだから、10cmくらいの差だけど、プレッシャーはゼロ。


「何、ワロとんじゃ、コラァ!?」


 え、そなの?

 あ、ホントだ。笑ってるよ、俺。


 だってさ……


 後2歩で接触。


 「動画消せや! 殺す……」


 1歩踏み出すと同時に、体を沈め、両足をさらいに行った。


 「ぞおお!?」


 悲鳴をあげるノッポ、1秒後には下半身を抱かれ、高くリフトされていた。

 

 楽しくて、たまんないじゃん?


 素人にタックルは切れない。

 事実上、ほぼ、最強の技だ。


 アドレナリンで、ハイになりながらも、後頭部から叩きつけるのは、堪えた。


 かなり低いところで、パッと手を離す。


 背中から、硬い土の上に落とされたソイツは、頭を打ち、意識がもうろうとしたのが、分かった。


「とっとけ」


 俺の震脚を、顔のど真ん中にくらい、ソイツはゆっくり丸まる。


 「凛!」


 メグの絶叫。


 通り過ぎる、トラックの照明が、雪女の顔を照らす。


 アップにまとめてたらしい、黒髪が、乱れてるけど……


 大丈夫、顔に多少、青タンがある程度だ!


 「待たせたな、相棒!」


 俺は、拳を掲げて叫ぶ。

 革手袋が、ギリギリと音をたてた。


 泣き笑いしてる、女優志望に、恥じない顔の美少女。


 白い顔に貼られた絆創膏は、こんなカス共じゃない、本物の殺し屋(HAZE)達との死闘の証だ。


 俺は吠えた。

 これまで溜め込んだ、ストレスを爆散させる。


「テメェら皆殺しだッ、祈れッ!」


 メグに蹴りを入れてた、女2人と、一番体格の良さそうな男 ――コイツがボスだな?―― 以外の二人が罵声を上げて、駆けてきた。


 俺は、ゲラゲラ笑う。

 アホや、全員で掛かればいいのに。


 マァ、その時は……


 俺は背中側にさした、M36を意識した。

 模擬弾の的にするんですけどね?

 至近距離なら、死にますよ?


 俺は左前で、時計回りに軽くステップする。


 最高にハイな気分だ。


 さあ、来いよ。


 踊ろうぜ?


 



 



毎日23時頃、週7更新を目標にしてますが、火曜と木曜は、25時になる事が多いです。

祭日、日曜は、早めに投稿する事もあります。


宜しくお願いします!


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