表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/1077

エピローグ 〜クラスメイトに、クロムがいたら〜

《登場人物》


 林堂 凜

 主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。



 香咲 ナディア=マフディー

 小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。



 梁 梨花リャン・リーファ 

 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。


 ジン

 クラスメイト。男。クラスのリーダーで、優しい


 

 佐竹

  クラスメイト。女。クラスのボス。


 

 鈴香 

 ナディアの姉。高校生。


 ユンファ

 リーファの会社の社員。リーファのボディガード。


ヨシヒコ

ナディアのパパ。



オスマン 

ナディアの親戚


通訳

親戚の仲間

 無慈悲な月曜日。

 土日、自分へのご褒美に男友達以外のラインは無視し、ひたすらジン達と遊び続けたおかげで、メンタルが大分回復した。


 あの後、親戚と通訳を駅前で放り出し、解散する事になった。

 スクーターは、後日父さんが取りに来ると言う事で、僕と母さんは、ユンファさんに送ってもらった。


 母さんは車に逃げ込んだので、僕が、ナディアママに思い切り抱きしめられた。

 あまりに長く抱きしめられたので、ナディアが怒って引き剥がしたくらいだ。


「林堂くん、一生かかっても返せない恩が出来ました。ナディアをよろしくお願いします」


 泣き笑いの顔を見て、ぼくはホントに嬉しかった。

 写真、実はお婆さんのとこ以外は、圧縮してパスワードを掛けたものしか送ってないとのことで、ほっとした。

 色々と心がイタイ思いをしたけど、それだけの価値はあったよ。

 だからわざとナディアのママに図々しく言った。


「母さん、せんべい好きなんで、一番美味しいのお願いします。あと、僕にはお料理も。美味しいんでしょ?」


 ナディアママは、一層笑みを深くした。


「ナディアがメロメロになる訳だわ……キュンキュンしちゃう」


 ほっぺに強くキスされ、びっくりする僕に、頬ずりした。


「ありがとう」


 ナディアとリーファまで喚き声を上げて、ママを引き剥がしにかかる。

 ダーメ、今はママの凛クン、とか言って煽るから、二人が僕の髪とシャツを引っ張る。

 二人とも借りたシャツを羽織ってるけど、足は上げるな、見えてややこしいから。




 六年かけて、育てた慣れってスゴい。

 朝、席につく頃には、周囲の騒々しさで憂うつも消えてる。社畜ってこうやって作られるんだよ、きっと。


 チャイムと共に、担任じゃなく、何故か校長が入ってきた。


「皆さん、おはようございます。今日はこのクラスに新しいお友達を紹介します……入って」




 堂々と入ってきたのは、よく知ってる顔だった。




 ここ最近で、とてもよく知る事になった顔。

 ただ、よく知ってるそのコは、あまり、見慣れない姿で、黒板の前に立った。


 それと……

 髪型にも少し変化があった。


 黒髪がよりつややかに、より女の子っぽく。

 天使の輪が光る黒髪の上に、白いリボンが蝶のように止まっている。えんじ色のワンピースに白くて丸いシャツの襟、黒のリボンタイで気飾った彼女は、僕を見て、恥ずかしそうに笑うと、いつもの口調で言った。


「このクラスに転入する、香咲ナディアです。ユルくやって行きますんで、皆さんよろしゅう」


 そうだ、ナディアはもう、無理して外国人クラスに通う必要が無くなった。


 女子軍団が、拍手喝采した。

 男子も、見慣れない姿にどよめいてる。

 少し赤くなって笑うナディアは、僕が焦るほど可憐で……不意討ちだった。


 佐竹が叫んだ。


「林堂ォォ!嫁がきたぜ!」


 佐竹コロス。


「凛、ようこそ!振り返れば見られてる恐怖をオマエに!」


 ジン、お前もか。


 ナディアは、ぼくと目が合うと、恥ずかしそうに舌を出したりするから……

 クラスが湧いた。

 よーめ

 よーめ

 の大合唱。


「あー、皆さん静かに……やっと来た、遅刻ですよ。入って」




 まず、僕の目に映ったのは白くて長い脚だった。




 黒いレザーのタイトスカートから伸びる脚の先に大人びたサンダル。黒のTシャツは、白い英文字でくり抜かれている。

 黒のゴムバンドを左手に巻き、緩くウェーブの掛かった前髪にはカラフルなヘアピンが、並んでいた。

 シンプルなのに。


 モデルみたい。


 女子の一人が呟き、興奮が伝染した。

 ナディアが、驚きのあまり、舌を出したまま固まっている。 


「このクラスに転入する、梁 梨花です。そこの林堂君は幼馴染の相棒です。よろしくお願いします」


 クラス中が爆発した。

 馬鹿騒ぎの中、立ち上がってフォトナのエモートを踊る奴らもいる。

 僕は思わず叫んだ。


「なんで!?」


「前から、手続きしてて、やっと今日」


 佐竹がアメリカ人っぽいポーズで叫ぶ。


「林堂……全くお前って奴は、最高だぜ!」 


 ジンが敬礼を飛ばす。


「凛……ドンマイ!」


 大騒ぎの中、握手をすすめられた二人が、額同士を擦り合わせていた。

 ナディアが何故か、涙目でドスをきかせた。


「どこまでも、邪魔しくさって、細目ェ……よー似合うちょるぞ、80年代のロック歌手みたいなナリ。赤い革手袋と、トゲトゲの首輪はどした?」


「チビこそ、幼稚園時代のスモック着てくるって……狙いすぎじゃね?タグんとこ、ちゃんと名前書いてる?」


 次の瞬間、互いの拳がボディをえぐり……

 取っ組み合いが始まった。


 ……この学園では、一対一の闘いは決闘として、黙認される。


 いや、黙認どころか、校長が指を折って賭け試合の胴元を始めた。

 脱出に失敗し、佐竹達に捕まって床に押さえつけられた僕は喚いた。


「僕の……僕の平和を返せー!」


 誰かが、スマブラで聞き慣れたセリフを言った。

 そう。

 例のアレだ。


「残念だったな!」
















いかがでしたでしょうか?


続きを今書いてます。


一月くらいかかると思いますが、書けたら投稿しますので、どうぞ、よろしくお願いします!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 毎回、わくわく読んだ。面白かった [気になる点] かぁちゃんが出てきた辺りから、ちょっと混乱した。一気に盛り込みすぎたのかなと思う。 [一言] これからも楽しみ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ