No girl No cry
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
オリガ・エレノワ
日本で言う、小6、女。ロシア人。ナディアの実家のメイド。凜の五先の相手。バロチスタンで、彼女の命を救って以来、主人公の事が好き。
梁 梨花リャン・リーファ
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。主人公が好き。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。
ジン
小6、男。クラスのリーダー。インドネシア人。優しい。
佐竹
小6、女。クラスのボス。
僕もナディアも、言葉に詰まった。
緊張に満ちた沈黙が、保健室を包む。
僕は無意識に、足にかけてるタオルケットを握りしめた。
シャっとカーテンが開けられ、少しだけ笑ってる佐竹が現れる。
ポニーテール、リーファくらい、タッパのある健康少女。
ミニバスのエースで、顔もいいけど、性格がアレ過ぎて、浮いた話無し。
「オイオイ、寝不足丸出しな顔しやがって……と」
続いて、隣のカーテンを開ける。
ジャージ姿で、口を半開きにして立ってる、ナディアが現れた。
「こっちもだな? なんだよ、二人ともフラレたような顔してからに」
ナディアの声が、低く張り詰める。
「さたん……そろそろシャレに、なっちょらんぞ?」
「当たりなんかい……まあ、でも」
佐竹は、ビビる風もなく、ナディアのベッドに腰掛けた。
こういう度胸があるから、クラスのボスなんだよな。
「オマエラ、お互い避けてるし、その上、リーファが休んでたら、誰でも、何かあったって思うよ」
「余計なお世話じゃ。関係なかろ」
ナディアのつっけんどんな言い方に、ハラハラする。
ナディア、マジで怒ってる。
けど、佐竹は気にした風もなく言った。
「だから、詮索はしないけどさ。オマエラがそんなんだと、クラス盛り上がらないじゃん? 何より、リーファどうすんの?」
僕らは、何にも答えられない。
自分の無力さを痛感する。
そうだ、lineすら出来ないもん。
佐竹の声にふざけた響きはなかった。
「そうなんだよ、アタシは関係ない。だから、何にもできない。
けど、3人とも激ローだったら、誰か中に入らないと……じゃん? アテがあるなら、喜んでどうぞするけど」
「……うちらの事は、ほっと……」
「佐竹、オマエの言うとおりだ。このままってわけには行かないけど、もう少し時間がいる」
ナディアを、さえぎるように僕は言った。
声が震えないように努力して、続ける。
「昨日の今日なんだ……」
ショートボブが揺れ、そっと薄褐色の顔をそらした。
「わかった。でも、時間空けないほうがいいよ? どんどん、学校来にくくなるからね」
「……そだな。それと……」
「この話はヒミツでって言うんだろ? 心配せんでも、ガチな話なんざ、関わりたくないワ。それより、二人ともまず、やる事……あるよね?」
佐竹は、真剣な顔で続けた。
「せめて、オマエラはフツーにしてろよ。じゃなきゃ、リーファに、変な噂が立つだろ?」
その通りだ。
佐竹が、うつむくナディアに向かい、ベッドに手をつき、身を乗り出す。
「何のために、アンタを保健室送りにしたと思ってんの? 話し合え。逃げてんじゃないよ、ナディア」
驚いて、佐竹を振り返る、僕とナディア。
じゃあ、草内がナディアに付き添えっていったのも……
「そうだったら、カッコ良かったんだけどなー」
佐竹が手を広げ、ケタケタ笑いだした。
呆れる僕らを尻目に、手を振って退場する、ポニーテールのデニム姿。
「んじゃ、クソ内のオーダー通り走ってくる。親にチクられたら、オオゴトになるしねえ」
佐竹ん家、実は厳しかったりする。
ドアを締める前に、佐竹が言った。
「ちゃんと話し合いなよ。リーファの事を考えたら、先送りしちゃダメだろ?」
保健室に立ち込める、消毒液の匂いと、沈黙。
ただ、さっきより、重さはいくらかマシ。
佐竹の言うとおりだ。
ナディアと二人きりになれるチャンスなんて、自分から作り出さない限り、ない。
良い悪いとかじゃなくて、この状況になったのは、僕のせいなんだから……
責任を取らなくちゃいけないのは、僕だ。
覚悟を決めて言った。
「座ってくれないか、ナディア」
うつむいて、横顔を見せてたナディアが、迷った後、こっちに背を向けてベッドに座る。
その距離に、少しだけ心が痛むけど、ホッとした部分もある。
やっと、本心が見えたカンジだ。
「リーファが……休んでる理由って」
「そりゃ、休むワ」
冷え冷えとした声。心に釘を打ち込まれた気分だ。
「ウチかって、こんな顔で学校来とう、なかった」
……だよな。
「……メグは?」
「聞いてどうするんじゃ?」
「ゴメン」
僕は顔が熱くなった。手許のタオルケットのほころびを見つめる。
傷つけた僕が、口にしていいセリフじゃない。
分かってるけど……
秒で否定されると、メッチャ効くな。
「さたんの言う事はもっともじゃけんど…… リーに何かできる奴は、この世におらんじゃろ? 自分で解決するしかないけん」
数秒して、言葉の意味を理解した。
そのとおりだ。
鋭い痛みと共に理解する。
もう、僕は相棒じゃない。
ナディアが、天井を見上げたのが、声の方向で分かった。
そっちを見る勇気はない。
「全国大会の事、今はよう考えられん…… けんど、いろんな人達に迷惑かけちょる以上、『やーめた』とも言えんけん……」
「……うん」
訪れる沈黙。
ナディアが、次に言った事にびっくりした。
「……オリガ。可哀想じゃったな」
毎日23時頃、週7更新を目標にしてますが、火曜と木曜は、25時になる事が多いです。
祭日、日曜は、早めに投稿する事もあります。
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