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金髪女神は振り向かない 〜プロローグ〜



《登場人物》




 林堂 凜


 主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。



オリガ・エレノワ


日本で言う、小6、女。ロシア人。ナディアの実家のメイド。凜の五先の相手。バロチスタンで、彼女の命を救って以来、主人公の事が好き。




 梁 梨花リャン・リーファ 


 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。主人公が好き。




 香咲 ナディア=マフディー


 小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。





 〜物語は、林堂凛が、マンションの階段でオリガを発見した夜まで遡る〜





 

ぼくは、目の前の光景が信じられず、銃を落としそうになった。


 八段下の踊り場。

 暗闇に浮かぶ金髪と白い肌。


「オリガッ!」


 僕は、うつ伏せに倒れてる、半裸のロシア人に向かって、階段を駆け下りた。


 女装から着替え直した、学校のジャージで手を拭き、拳銃のグリップを握り直す。

 

 敵だ。


 疲れきった頭が赤くなる。


 介抱は後。

 先ず、タンゴ()をぶっ殺してからだ。

 

 踊り場に横たわる、白く長い足を踏まない様にしながら、右手の壁に背をつけた。


 手すりの代わりに、壁が立っているため、踊り場の右半分は(ココ)から見えない。

 

 助け起こしたい衝動と闘う。

 死ぬな、オリガ!

 

 撃鉄を上げる。

 短い雄叫びを上げて、飛び出した。


 見下ろす、8段下の踊り場には、誰もいない。

 散らばったゴミが、微かな風にカサついてるだけだ。


 緊張を緩めない。右に折り返して、降りていく階段。

 壁の向こうで、様子を伺っているかも知れない。


 呼吸が早くなる。

 どうせ、俺がいるのはバレてる。

 3段飛ばしで踊り場に着地、膝を付いて振り向く。


 ……だれもいない。


 耳を澄ませる。

 駆け降りて行く、足音も聞こえない。


 そこここに、チューハイや、ビールの缶が転がっている。


 オリガ、酔っぱらいにでも、襲われたのか?


 田んぼで襲撃してきた連中からも、アルコールの臭いがしたのを思い出した。

 敵の影が無いなら。


「オリガッ」


 オリガの元へ駆け上がる。

 陸上で履くような、ショートパンツとブラで倒れている。


 目立った外傷は無い。

 下着は剥がされてない。


 うつ伏せの彼女を抱き起こし、仰向かせる。

 結構重い。


「オリ……」


 僕は顔を思わず顔を逸した。


 白い顔にかかるブロンドが、階段灯を弾く。

 ジャス子の髪はもっと白に近い。


 苦しげにしかめた顔。

 それでも、女優みたいな美少女。

 

 半開きになった唇から漏れる吐息が……


 「酒くさッ!?」


 え、台無しじゃん!


 彼女の体をあわてて見回す。

 

 参拝した中では、一番高い双子の山は出来るだけ見ないようにして、白くくびれたお腹、つっかけを履いた足を調べても……


 蚊に刺されてるくらいだ。


 呆然と、腕の中の苦しそうな顔を見つめる。


 え……待って。

 

 散らばってる空き缶と、ゴミを思い出す。

 ほとんどが、お菓子だった。


 一人手酌で呑んでいた


「いや、何ソレ!? ナニしてんだよ!」


 頭をよぎったワードと、オリガ、両方に突っ込む。


 ピストルを、持ったままなのに気づき、撃鉄をそうっと戻して、カバンに放り込んだ。


「オリガ、起きろって!」

 

 いや、こんなの見つかったらまずいでしょ?

 小学生ダヨ!?


 最近、見かけないな、と思ったら何してんの!?

 急性アルコール中毒とか……大丈夫!?


「おいっ!」

 

 起きない。

 ペシペシ、ほっぺを叩くと、苦しげに呻く。


「……ダレ?」


「僕だ、起きろ!」


 ボンヤリ開けてた眼を見開く、ロシア女子。

 さあっと、顔が青くなり……


「うぶっ」


 リスみたいに頬が膨らんだ。


「え……」


 反応する間もなく、美少女モデルの逆流したモノが、僕の顔面を直撃した。



 

 思ったとおり、オリガん家の鍵は開いていた。

 苦労して、意識のないオリガを狭い風呂場まで運び込む。


 腰から下は脱衣所に、だらしなく出たままだ。


 僕は上半身裸で、床に手をつき息を切らせる。

 空気がよどんでて、暑い。


「……安らぎってなんだったっけ」


 マジで待ってよ。

 昼は日本橋でフィギュアのパンツ鑑定。

 夜は1号んちで、弾劾裁判。


「そして、酔っぱらいロシア人の介抱……」


 酔っぱらい=ロシア人……

 定番なカンジダヨネ?

 

 ウォッカ瓶握った、赤鼻の船員とか想像したりしない?


……小粋なジョークで自分を慰めても、ヤッパリしんどいものはしんどかった。


 さっき、オリガのキラキラしたモノを浴びた後、息を止めたまま、その階のオリガんちに飛び込んだ。

 顔を洗って、ジャージを風呂場に脱ぎ捨てる。


 シャワーで、それをジャバジャバ流してから、オリガを担いで戻ってきたんだ。


 背中に押し付けられる、2つのでっかくて柔らかいモノを、意識しないようにしながら、汗だくで重労働を終えたものの……


 オリガ、意識がないままだ。

 流石に心配だけど、誰に相談したらいいか分からない。


 ナディア達に連絡する気になれないけど、そんな事も言ってられないなあ……

 でもなあ……


 さっき入れたエアコンが、少しは効き始めた。

 

 部屋が、引っ越して来た時と変わらず、ダンボールに荷物が詰まったままだったのに驚いた。


 荷解き、全然出来てないじゃん。


 ……それより、オリガだ。


 汗まみれ、ゲロまみれのまま布団に運べない。

 

 起きてもくれない。


 このまま放って帰れない。


 僕の鼓動が早くなる。

 

 酸っぱい胃液の臭いに混じっても、やっぱりオリガの香りは、クラクラする。


 服着たまま、シャワーするにしても、結局は着替えさせないと、風邪を引く。


 僕は1階上の自宅に、水着を取りに行くとしても。

 オリガも水着を着てくれないと。


 じゃないと。


 金髪で隠れた片目。

 軽く曲げた脚、上下する大きな白い胸。

 時間は23時前。


 心臓の鼓動がうるさい。


 僕、また金髪美少女と……

 

 今度は全裸で、お風呂に入るんデスカ?

 


 



毎日23時頃、週7更新を目標にしてますが、火曜と木曜は、25時になる事が多いです。

祭日、日曜は、早めに投稿する事もあります。


宜しくお願いします!


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