第五章 PM少女 〜PMのワリオマン、体感forベヨの三倍性能だ〜(2)
《登場人物》
林堂 凜
主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。
香咲 ナディア=マフディー
小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。
梁 梨花
小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。
ジン
クラスメイト。男。クラスのリーダーで、優しい
佐竹
クラスメイト。女。クラスのボス。
鈴香
ナディアの姉。高校生。
肩で息をしているナディアは、僕を適当に放り出し、リーファに向き直る。
驚いたことに、昨日の薄い緑の服だ。
床に這いつくばって、咳き込んでいる僕を無視して、ナディアが、唸るように言った。
「こん、細目……ウチが机で三人目の子供の名前、考えちょる時に」
「妄想お疲れ」
リーファは、フフンして続ける。
「私なんか五人目まで考えてる。末っ子は男の予定」
しばらく立ち尽くしていた、ナディアが、首をゆっくりと回しながら言った。
「侵してはならん聖域を……ここなら、審判おらん。ケリつけるかのう」
リーファが、顎の左右を片手の拳で押して、首をストレッチする。
「何でもアリなら、私、超強いよ?」
「ゴタクはええ……見せてみんさい」
二人はこないだより、高い姿勢で拳を構えた。
僕は慌てて、二人の間に割って入る。
「おい、オマエラいい加減にしろ!ぐふっ」
二人から、明らかに僕を狙ったミドルキックをくらい、ぼくは、ひとたまりもなく崩れ落ちた。
抗議しようと顔を上げた僕を、二人がかりで蹴り回し始める。
「うちをお姫様抱っこしといて、なんじゃ、しゃあしゃあと!五年後産まれてくる、エルマの為にお仕置きじゃ!」
「誰だよ、エルマって!?いだっ」
「……同じスプーンで食べるのは、今日やる計画だったのに……許せない」
「何言ってんのか、全然分からん!ぐふっ。二人ともみえてる、見えてる!」
ナディアは真っ赤になって飛び退った。
スカートを押さえ、
「こっ、このヘンタイ!」
「知るか!うわっ」
リーファは僕を仰向けに蹴り倒すと、僕の頭を跨ぐ感じで肩を踏んづけてきた。
当然スカートの中を、見上げる形になる。
なんか、高価そうな水色の下着だった。
「凜なら、別にいい」
腰に手を当て、堂々と宣言する。
「っていうか、どうせみせるつもりだった。覚悟が違う。私の勝ち」
そう言いながらも、見たことないくらい、真っ赤になっているリーファを呆然と見上げると、嫌でも、下着のフロントに飾られている小さなリボンが目に付く。
もう片方の肩に重みが加わった。
目を向けると、ナディアの震える足が乗っていた。
「……は?」
恐る恐る見上げると……
ナディアの、スカートの中が丸見えだった。
明るいレモン色の下着が、フレアスカートの中の暗闇でも眼に焼き付く。
スカートを押さえようとするのを、必死に我慢している手が震えていた。
え?
真っ白な思考の中で、僕はぼんやり非現実な光景を眺めていた。
何か、ヤマシイ気持ちとかじゃなくて、今自分の身に起こってる事が信じられず、どう反応していいかわからなかったんだ。
ポン、と、誰かがリーファの肩に手を置いた。
女の店員さんだった。ズボンだったので、助かった。
「あなた達、ちょっと、こっちに来なさい」