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第五章 PM少女 〜PMのワリオマン、体感forベヨの三倍性能だ〜

《登場人物》


 林堂 凜

 主人公。 小6、男。 任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。



 香咲 ナディア=マフディー

 小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。



 梁 梨花リャン・リーファ 

 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。小学校は別。


 ジン

 クラスメイト。男。クラスのリーダーで、優しい


 

 佐竹

  クラスメイト。女。クラスのボス。


 

 鈴香 

 ナディアの姉。高校生。




 翌朝、僕は家から自転車で30分近くかかるイオンに向かっていた。


 平日と変わらない時間に、起きなきゃならなかった事にうんざりしながら、快晴の国道を慎重に走る。


 やっと辿り着いた、車もまばらなイオンのエントランスにリーファが立っていた。

 うすいピンクのノースリーブに、カチューシャでおでこをみせている。

 首にはリボンみたいなのが巻かれ、デニムのタイトスカートから、細くて長い足が見えてた。僕は苦々しく思った。小6には絶対見えない。


 リーファがチャリに乗った僕を見つけて、目を丸くした。

 駐輪機に前輪を乗せながら、僕はぽかんとしてるリーファに口を尖らせた。


「なんだよ」


「いや……ちゃんとした格好はじめてみた。自転車かったの?」


「ん、まあもう、流石に小さかったし」



 そうなのだ。


 昨晩父さんに、明日リーファと出掛けるから、自転車を貸してくれと頼んだんだ。


 今の低学年用の自転車だと、遠出がキツイからというだけだったのに、


「早よ言え、ボケェ!」と怒られ、晩御飯も食べずに、自転車を買いに連行された。


 父さんはあんな美人と……いやあ、いい日だ!と終始上機嫌で、めっちゃウザかった。


 朝は朝で、汚い格好で相手に恥をかかすな、と、母さんがよそ行きにとってた服を着させられた。


 黒のショートパンツに、三本ストライプが左腕にだけ入ったグレーの長袖Tシャツ。黒のキャップに、スニーカー。それだけなんだけど、何か知らないブランドものらしく、それなりにキチンとして見える。


「ふーん、それなりに気合い入れてくれたんだ。よく似合ってる」


「定規買うくらいで、なんでこんな遠くまで」


 どちらにとっても校区外だ。


「お互い、学校の連中に見られたくない。でしょ? 行こ」


 リーファは軽く目を細め、僕の手を引き自動ドアをくぐった。




 お昼12時。ぼくらは、なんとか席を見つけて、フードコートで向かい合っていた。


 ジュースをストローで吸いながら、リーファは、テーブルに立てたスマホを回していた。


 白くて細い指が、つまんだポテトを口に運んでいる。


 切れ長の二重がじっとりと見つめる中、僕はさっき買ったデュエマのカードをテーブルに叩きつけた。


「くっそ、外れ。コモンばっか……あー300円が」


「凜……こんな美少女の前でヲタク全開ってどう?」


「うっさい。くっそー、パックの上からさすりまくってこれだ!ってヤツ選んだのに」


「ダッサい……」


 リーファはしかめ面で照り焼きバーガーをかじる。


 うすいピンクのリップグロスが光る唇。そこについたソースを舐めとる姿を見て、コイツ、モテそうなのになんで僕とここでマクド食ってんのかなって思った。


 ひっきりなしにに鳴るlineをろくに見もせず返信しながらリーファは言った。


「このあとどーする?うちに来てもいいけど」


「えー、遠いじゃん。このあと行くとこあるしな」


 リーファの視線が冷えた。


「私も行く」


「いや、なんでやねん……言っとくけど香咲ん家じゃないぞ」


「え?」


「アイツ、昨日風邪で学校休んでさ。見舞いにゼリー持ってったらキライなの無理して食べてくれたんだけど、ひっくり返っちゃって。家族誰も居なかったし責任あるから、ベッドまで運んで看病してた……ハンバーガー、垂れてる垂れてる。

 へ?……あー補強でよくやるアレで運んだ。おでこ触ったり間違えて、同じスプーンで食べたりしたから僕もヤバイかもなあ。ん、何それ……うっ!ガッ、ガイギンガ!!Sレア!え……マジで!?いや、そんな高い物貰う訳には……首の噛み傷のお詫び?そっ、そういう事なら、いや、マジで悪いね……え?代わりにスマホ貸せ?全然いーよ!はい」




 30分後。


 リーファの飼い犬と化した僕は、二人でプリクラを撮ってたら、突然後ろから、首を絞められた。


「ぐごげご!!」


「あの写真、わりゃ、なんのつもりじゃあ!」


 ナディア!?なんでここに?


 必死で、タップする僕をリーファはとても冷たい目で眺めている。


「この噛み傷は、なんじゃ!こ、この浮気もん!」


 周りの半笑いの視線も、首の傷も痛い!締め付ける力が、どんどんキツくなる。

 コイツ本気で殺る気か!?


 リーファが僕のスマホをナディアにかざして言った。


「計画どおり」


 そこには、もらったデュエマのカードをかざしてイイ顔の僕。


 その頬に顔を寄せ、首の傷を指差すリーファのツーショットの写真があった。


 チューチューしたから私のドレイ、の文字と、キスマークが添えられた。


 なにこれ!?





次回、月曜、夕方18時に投稿します。

以降、夕方18時に投稿します

よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 白熱バトル!! どっちも引かないけど、どうなるのこれ?
[良い点] 親父さんの顔が目に浮かぶよ。 面白いなぁ
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