表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1032/1078

誰がために鐘は鳴る


全体の登場人物は、下のアドレスへ飛んでいただけると、助かります。


https://ncode.syosetu.com/n7465gz/1/


分からない人物がいたら、恐れ入りますが、飛んだ先で、サイト内検索をして拾って頂ければ、出てきます。


まだ載ってない人物もいるので、順次増やしていきます。


よろしくお願いします。(* .ˬ.))





《登場人物》


 林堂 凜


 主人公。 小6、男。


 幼なじみを護るため、父から、戦闘訓練を受けて育った。

任天堂Switch 大乱闘スマッシュブラザーズが学校一うまい。



すもも


主人公と同居することになった。眠そうな半眼と赤髪ロングが特徴の美少女。

北朝鮮・支配者一族と、ロシア人ダンサーの間に生まれ、富田林学園に軟禁されていた。



ほのか


すももと同じく、北朝鮮・支配者一族の血を引いている。学園に軟禁されていたが、逃走に成功、現在は、身を隠している。



ニセ・ほのか(温水 ぬくみず:抜くビッチ)


ものべに雇われた、役者。元々は、メグの事務所にいたが、素行が悪くて、退所。


ものべ


主人公たちの通う、私立・あおせ小学校の校長。

色々と間違っている、教育者。



梁 梨花リャン・リーファ 


 小6、女。台湾人と日本人のハーフ。主人公の幼馴染で、相棒。主人公が好き。

民間軍事会社・イージス・システムの社長である、父を持つ。


香咲こうさき ナディア=マフディー


小6、女。パキスタンと日本人のハーフ。主人公と同じ学校。主人公が好き。


ジャスミン・マーカス


アメリカ人。小5。女。

スマブラ団体戦・大阪大会、決勝の相手チームだった。

紆余曲折を経て、主人公が大好きになる。 



氷室 メグ


小5、女。女優志望。主人公と、市街戦をくぐり抜けた。主人公が好き。


五代珠乃(タマ:店長)


小6、女。リーファの宿敵である、犯罪組織、HAZEの創設者を、経歴上の父に持つ。

朝鮮語に堪能。下品で、勇敢な、拗らせ美少女。主人公が好き


 エディ・田中(五代)(ジョーカー)


 五代珠乃の、血の繋がらない父。犯罪組織、HAZEの創始者。北朝鮮の工作員。

 ヤクザ、中国マフィア、警察に追われていた。梁家を付け狙い、その関連で、主人公たちと関連する人物を無差別に襲っていたが、現在は休戦中。




 マフディ=ヨシヒコ(パンサー)


 ナディアの父。パキスタン、バロチスタン地方の豪族。元、パキスタン特殊作戦群隊員。神の声が聞こえるギャンブラーでもある。


ジェーン

 

梁の相棒。伝説の工作員。主人公の父でもある。


山田


ジャスミンが宿泊しているホテルのコンシェルジュ。

自衛隊秘密組織、『別班』を指揮する。



キム

北の上級工作員。学園に於ける、影の責任者。


______


地名など


富田林学園(学園)

表向きは、韓国系財閥の経営する、小中高一貫校。実際は、北朝鮮が経営する、スパイ養成学校。


伽藍町

沖縄・那覇にある、家出した未成年達を受け入れる、違法な集落。




 翌朝、十時。


 我々は泉南にある、演習場―― 【学園強襲作戦】の為に、ジャスミン達が、シゴかれ倒した廃小学校―― に舞い戻っていた。



 私は、対面のソファでリラックスしている、黒髪の中年女性に向け、口を開いた。

 

「Ms.…… ほとんど徹夜なのに、申し訳ないが…… 」


「林エヴァです。エヴァで結構よ、Mr.梁…… 昨夜はお話しする時間も、無かったですし」


 形のいいアップノーズ、黒い瞳。

 アジア寄りだが、娘であるすもも君より、ずっと白人っぽい顔立ち。


 軟禁されていた、ストレスはかなりのものだったのだろう。

 目の下のクマも手伝い、スレンダーな体型が、余計痩せて見える。


 娘から借りたらしい、デニムとタンクトップの上に、以前すももくんが着ていた、開襟シャツを羽織っている。


 まじまじとシャツを見てる私に気付き、目で問いかけてくる、すもも君の母。

 営業慣れしているのか、微笑も自然だし、まあ…… 美人だ。


「本当に仲が良いんだな、すもも君と…… 洗面所のタオルでさえ、厳格に区別するウチのリーファと、えらい違いだ」


 (おとがい)を逸らして、笑うエヴァ。

 誰かの明るい声を聞くのは、百年ぶりな気がする。


「冗談も言うのね、Mr.梁…… 助かるわ」


 笑顔を引っ込めると、膝を揃えて、頭を下げた。


「まずは…… 」


 その姿勢のまま、言葉を発さない。


「おかしいわね…… 」


 苦しげな呻き声。


「口先だけで…… 生きて来たのに……」


 そのうちに、肩が震え始めた。


 黒髪の頭頂部を眺めながら、私は掛けるべき言葉が見つからない。


 数時間、仮眠をとっただけの、重い頭で考えた。


 なぜこうなってしまったのか。


 ……今回の事件の発端。

 

 そもそも、十五年前、ロシア人ダンサーだった、エヴァが北朝鮮で公演をした時まで、遡らなければならなくなる。


 ロイヤルファミリーの一員に見初められ、すもも君が生まれた。


 それが、エヴァの自由意志だったのか、強制されたものだったのかは分からない。

 籍を入れる事なく、女手一つですもも君を育て上げたものの、今頃になって、彼女達は北朝鮮偵察総局に連行された。


 母は軟禁、娘は彼女と同じく、ロイヤルファミリーの血を引く、【ほのか】【さくら】と共に洗脳教育を施される。


 その場所が、昨日、林堂君を含む、我々【イージスシステム】が強襲した『私立・富田林国際学園』だ。


 リーファ、ジャスミン、メグ君と一緒に、教室を改造した宿舎で、泥のように眠り込んでいる、すももくんを思う。


 彼女は全力を尽くした。


 ……ちがう。


 あの作戦に挑んだ、全員が、だ。


 只、珠乃に背負わせてしまった、十字架を思えば、皆、俯くしかない。


 何度も、自問してしまう。


 なぜこうなってしまったのか。


「……『いつでも、飲みに来て、安くするわよ…… 一回目……は』」


 途切れる口調。

 

 きっと鉄板のジョークなんだろう。


 なら、泣きながら言うべきじゃないな。


 とても笑う気になれず、私は無言で続きを待つ。


「……何を言っても、責任逃れにしかなら……ない」


 吐きそうな声。

 体を深く折り曲げたまま、身を捩るエヴァ。


 私は確信した。


 私からの、慰めを待っているんじゃない。

 彼女は、ただ、自責の念で壊れそうなのだ。

 自分のせいで、子供達が傷つき、背負った十字架に。


 『私が、とっとと死んでおけば良かった』

 『娘が余計なことを』


 叫びたい言葉はいくらでもあるはずだ。

 だが、それは『違う』ことも知っている。

 

 すもも君が、以前叫んでいたセリフ。


 『強盗が入って来たら、迷わず客を楯にするよなママだけど、ガキを身代わりにするほどクズじゃねえ!』


 なるほど。


 あんな娘が育つはずだ。


 あの歳にして、独立独歩な、中一に。


 私は何も言わず、彼女を眺め続ける。


 やがて。


 彼女は顔を上げると、涙を拭って微笑んだ。


「ごめんなさい…… Mr.梁。娘と私が多大な迷惑を……」


「エヴァ。この件に関して、あなたは運が悪かった…… そうとしか言いようがない」


 少し目を見開いて、凍りつく、アップに結い上げた黒髪。


 私はその瞳をまっすぐに見つめながら、続ける。


「すもも君から、聞いているかもしれないが、この件はいささか事情が込み入っている…… 一つだけ言えるのは、全て我々、大人の責任だ」


 私はMacBookを開きながら、視線を落とした。


「背負ってもらうぞ…… 一緒にな」


 次の瞬間。


 目の前のローテーブルを、派手なサンダルが踏んづけた。


 身構える暇もなく、全身で飛び込んできたエヴァ。


 反射的にMacBookを放り出して抱き止めたが、あっけなくソファごとひっくり返った。


 アメリカ人かよ!?


 見た目より、柔らかい感触に驚く。


 頭を打たないようにするので精一杯だった。


「おい!」


 怒鳴っても、頬擦りとキスをやめない、エヴァ。

 体温と、仄かな香水に怒りが萎える。

 後、打って変わって、弾んだ声にも。



「なんて優しい男! 鐘が鳴っちゃった!」







【毎週火・木は更新お休みします】


(* .ˬ.)) 今日も、お付き合い頂き、ありがとうございます。


深夜0時過ぎ、週五更新を目標にしてます。


宜しくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ