第六話 狐帝:紅茜(クレナイ・アカネ)
どうも、白夜です!
現在、コンの屋敷の庭でクロノスと狐耳ののじゃっ子が戦ってます。
「《火炎術:アギト》」
少女の手のひらから炎が現れ、しばらくすると龍の形に姿を変え、クロノスを喰らおうと顎を開ける。
その光景を目の当たりにしても、全く動揺せずに小さな口で呟いた。
「《時空間魔法:空間凍結》」
それと同時に、一切動かなくなる炎の龍に向かってクロノスは指先でちょん、と触れる…それだけで龍は自身の形を保てずに消失する。
「なっ!?なら…《氷術:霰》なのじゃ!!」
狐耳の少女はクロノスに向かって大量の氷弾を放つのだが、クロノスに触れた途端に消えてなくなる。
「クッ…《雷電術:雷球》《水術:水刃》最後に、《火炎術:爆炎・紅ッ(クレナイ)!!》」
その言葉と同時に、大量の《雷球》、《水刃》が狐耳の少女の後ろに出現し、クロノスへ向けて殺到する。
そこへ駄目押しとばかりに、巨大な緋色の炎の塊を放ち、大爆発させた。
…だがそこにはホコリを払っているかの様な仕草をした後、少女に向かって、何かした?とでも言いそうな顔をしているクロノスの姿があった。
その態度に驚いている狐耳の少女にクロノスが宣言する…
「また貴方の背後をとってあげる」
「やれるものならやってみるのじゃ!!」
クロノスは自身の前に手を伸ばし、時空間魔法を使う。
「《時空間魔法:空間転移》」
(転移と言う事は最初の時に使ったアレなのじゃな?また背後を…)
そう思った少女は、クロノスが魔法を使った瞬間、背後を向いた。
…だがそこには何もおらず、代わりに自身の背中から心臓を貫いて、胸に子供の様な手があった。
「…ん、後ろとった」
「ガハッ!?」
その瞬間、狐耳の少女は口から大量の血を吐いた。
「私は貴方を転移させた…私が手を伸ばした所に丁度心臓が来る様に調整しただけ。だけど自分が転移するとは言っていない……ドヤ」
クロノスがこっちを向いて自信満々にドヤ顔してくる。
「…いや、死なせたら駄目だよ?」
「!?」
僕がそう言うと、クロノスは焦ったように狐耳の少女から腕を引き抜き、回復魔法をかける。
…そして、僕の隣で呆けた顔をしている鈴奈さんにこの子は誰なのかを聞く。
「…こ、この人は私とコンの里の主、狐帝:紅茜で…里の中でも最強クラスの人なんだが…」
でも、クロノスに軽く負けてるんだけど…本当に最強クラスなの?
「…白夜殿達が規格外なのですぞ…」
あ、コン居たんだ…
狐帝:紅茜にクロノスが簡単に勝っていて、
『アレ?コイツ弱くね?』と思っている皆さん、普通は…というよりこの世界では妖術を扱える者が少ないのですが、紅茜は妖術に必要な呪文を無視&大量の術を一気に使えるので、このままのステータスでゲームに出たら多分勝つの無理…(どんなクソゲー…?)
…つまり、クロノスはチート…本気度1%でコレ。
(ちなみに、白夜は鈴奈さんと戦った時は本気度5%です…カッコイイからって理由で《摩天楼:宵闇》の再現に使ったから……かな?)