第三話 会敵
さぁ、やっと戦闘(序盤だけ)だ!!
「さぁ、コンについて来るのですぞ!!」
そんな事を言って、俺とクロノスの前を歩く狐耳の少女…名前をコンと言うらしい、その娘の案内で狐人の里へと向かっている最中なのだが…
「ねぇ、コン」
「うん?どうしたのですぞ?」
振り向いたコンに、俺が気付いた…否、気付いてしまった事を言う。
「…コン、もしかして迷ってる?」
そう言った瞬間、ビクっとコンの体が震え、冷や汗をダラダラ流しはじめる。
「そ、そそんな事はないですぞ!?…多分」
コンは、顔を青ざめて引きつった笑顔を浮かべて言った。
あー、コレは迷ってるな。
「さて、どうするか…ん?」
コラコラ、クロノス。コンを目隠しして縛りあげないの。
「な、何するのですぞ!?…まさか、コンをこの後辱めてもう白夜殿にしか嫁に行けない体にされてしまうに違いないのですぞ!!よ、妖術を使って逃げ…否、逆に白夜殿にこの際抱かれてもいいのでは?…いやいや、コンは強い殿方と…でも白夜殿はイケメンだし、優しそうでしかも先程、白夜殿がお花を摘んでいる所を見たけど、かなり大きかったのですぞ。アレをされたらコンは…コンは……きゅう〜ん♡白夜殿、今すぐコンとイイコトをするのですぞ!!」
急にブツブツ何か言ったかと思えば、今度はHがしたいと言い出す…何なんだ?
「えーと・・・ッ!?」
コンの謎の告白に戸惑っていると、時空間魔法から派生したスキル、《空間把握》に、こちらへ高速で接近するナニカを捉えた。
しかも殺気立ってるし、あまり穏やかじゃないな…
俺は時空間魔法の《転移》を使用して背後に出る。
そして、そのナニカの背中に向けて時空間魔法を使用。
「《空間断裂》」
白い光が手を覆い、それを振り払う様に飛ばすと発動して、空間を斬る魔法。
しかも、相手からは目を凝らしてようやく見える程度なので、手の動きが見えてないと殆ど避けられないはずなのだが…
相手はそれを一切見る事なく、空中で跳躍して“避けた”。
「・・・《蒼牙流撃:飛剣》」
その相手である少女が空中で体を捻り、その勢いのまま腰の刀を鞘から抜き放つと、刀身から青い斬撃が飛ぶ。
俺は右足を一歩後ろへ下げ、体を斬撃の射線から外す。
そして、月明かりに照らされて少女の姿がはっきりと分かる。
黒髪を腰まで伸ばし、深い緑色の瞳をしていて巫女服?の様なものを身に着け、左手には先程青い斬撃を飛ばした鈍い銀色の光を放つ刀が握られていた。
そして、少女はコンの方をチラっと見て絶句していた。
俺も見てみると、「白夜殿、さぁ早く襲うのですぞ!!」と言って犬みたいにハァハァしていた…狐だよね?
「…お前か、コンを誑かしたのはッ!!」
あれ?なんかキレてる!?…いや俺は悪くないぞ!!
「えっと何か勘違いを…」
「言い訳、無用!!」
そうして、この世界で初めての“イベント”は刀を持った少女との戦闘になったのだった。
主人公にとってはただの“イベント”でしかない…と言う事。