前編 やっぱり親切な人に助けられつつ
ひだまりのねこ様主催『集まれエッセイ企画』に参加させていただきました。
すでになろう5年目の私ですが、あまり現状は変わっていないかと。
どうぞよろしくお願いします。
「小説家になろう」に登録して二年が経った。
その間に投稿した小説は13作、エッセイが4作で、一つを除けば短い物ばかりだ。
もちろんブックマークが100件になったこともないし、一日のPVが1000になったこともないし、ポイントもせいぜい数百にしかなったことがない。
なろう歴一年八か月にして、やっと投稿した総文字数が十万字になった。長編やたくさんの作品を書いて、ほんの数か月で何十万字になる人とはかなり差がある。
書くのも読むのも非常に遅く、いつまでたっても脆弱なユーザーであり続けそうだ。
しかしながら、私なりに楽しく過ごさせてもらっている。
昨年一年目のまとめを『なろうで一年経っても、おろおろしている人がここにいます』という題でエッセイとして書いたので、今回も活動報告に記したことを含めて、何か書いてみたい。
実は、なろうで二年経ってもおろおろしていたりするのだが、それは置いておく。一年目との大きな違いは、企画に参加したこと、長編小説を一本投稿したことだ。
これまで公式・個人問わずたくさんの企画があるのは知っていた。けれど、自分の筆力を考えると、どれも期間が短くてお題も難しい。参加している人たちは楽しそうだな、面白そうだなと思いつつも、私には無理だと羨ましく眺めているだけだった。
そんな状況の昨年3月、知り合いのユーザー様から個人のかたの企画に誘われた。期間が長く、初心者も大丈夫とのことで知らせてくれたのだ。
聞いた当初は「数千字でも一か月はかかるし、このテーマでいきなり書けるとは思えない」と気後れするしかなかった。ところが、ふと「これなら何とかなるのでは」というものがたまたま見つかった。この企画がなければ形にならなかったものだ。
「初めての企画参加です」と企画主様の活動報告に挨拶をさせていただき、何とか投稿まで持っていくことができた。
『行先案内品』という作品は、いつも以上に推敲したものの、4月に入って投稿するときは普段より緊張した。が、その日のうちに初めてのユーザー様から感想をいただくことになって、とても嬉しかった。
感想を書くのは苦手だが、ためらっている場合ではない。張り切って参加作品を読みに行き、感想も送った。こちらに来てくださるかたもいて、中にはお気に入りユーザーに入れてくださるかたまで現れた。
今まで半年かけてやっと到達するくらいのポイントを、たったの十日で越えた。過去最高の感想件数をたったの三日で達成して、びっくりした。嬉しかった。
本当に企画を勧めてくださったかた、無名ユーザーでも来てくださったかた、企画主様に感謝申し上げたい。
ついでに、企画に参加する前に投稿しようと思っていた作品があった。『銀河くじらに会ったはず』という1500字ほどのショートショートだった。
シリーズ物の三作目として考えていたとはいえ、一作目が低評価で、それと似たレベルだったので気が進まず、企画参加を優先して適当に投稿するつもりでいた。
ところが5月になって、突然「レビューが書かれました」という赤文字を目にした。しばらく投稿していないときのこの表示には、疑問符でいっぱいになる。
なんと読まれていなかった一作目がスコッパーさんに拾ってもらえるという、幸運が起きた。ポイントがいきなり三倍くらいになり、過疎ジャンルのため運よく日間ランキングの上位に入り、感想も増えた。
驚いたものの、これでは三作目はもう少し何とかしなくてはと思う。よく考えて、もうひと捻り入れてみる。すると、文字数は倍近くになったが、明らかによくなった。
結果として三作目は、シリーズのうちで一番評価をいただけることになった。
これも自分だけの力とは言えず、感謝申し上げる次第だ。
初夏のころは、童話の書き方について本やネットで学んでいた。
私のいくつかの作品について、相互ユーザー様数人から「童話のような雰囲気がある」と言われたのがきっかけだ。自分では気づかなかったが、調べてみると確かにそう思った。そこでアイデアの一つを童話ジャンルとして書いてみることにした。
7月に『魔法の本屋は夢のなか』という作品になったものの、出来が今一つで、もう少し推敲してから投稿しようと考えていた。そこへ4月に参加した企画主様より来月再度企画をするとのことで、テーマを聞いてはっとした。この童話が合っているように思う。
偶然とはいえ、これで参加しようと決め、もう少し企画に寄せて書き直したら、急に作品の焦点が定まった気がした。
おかげで企画に参加させてもらえた上に、私の作品の中ではかなり好評を得られた。
さらに短編企画で過去作にも感想や評価がいただけて、本当にいい思いをさせてもらった。こちらが一方的に名前を知っている有名なユーザー様にまで感想欄に来ていただくことができるのは、嬉しいものだった。
いろいろと親切なかたがたに助けられたのは、一年目以上のことではないかと思う。
なろうにはいろんな人がいる以上、当然ながらトラブルもあるだろう。
中には心ないユーザーから批判、攻撃などされて精神的に参ってしまう人もいると聞いて、心を痛めている。
実は、5月頃からあるユーザーさんに絡まれるようなことが続き、結果的にブロック機能を使わせていただいた。
人によっては、大人げない対応などと言うかもしれない。しかし、このなろうという場は、みんなでよい作品を作っていくところだと思っている。だから、作品を書く人が嫌な思いをして精神を少しでも削られるなら、私は迷わずブロック、あるいはミュート機能を使っていいと思う。
こう書くと、なろうには困った人もいるので気をつけましょう、とかいう話になりそうだが、そうではない。
異変に気づいて「何かあるみたいだけど、大丈夫ですか」「みんなが心配していますよ」とメッセージを送ってくださったかたがいたのだ。
一人だったら嫌な気分をそのまま引きずってしまっていたかもしれない。しかし、すぐに動いてくれたり気にかけてくれた人が何人もいて、やっぱりいい人が多いなあ、ありがたいなあと実感したのだ。
「なろうには親切な人がたくさんいる」と昨年書いているが、今もそこは変わらないと思っている。
二年目に入ってからは、二か月に一度、数千字の短編を投稿する程度の微量活動ユーザーになっていた。
ここでようやく、長編を投稿することに決めた。
2月にエッセイを投稿した際に、勢いで「二年目の目標の一つとして、一作品は長編の投稿を目指しています」と活動報告にうっかり書いてしまったからだ。
やはり自分だけではなく他の人のおかげで、目標も定まったりしている。
お城とゆるキャラが載ったパンフレットを見て、「このゆるキャラが本物の宇宙人だったりしたら」と変なことを考えたことがあった。なろう登録から二か月後の2019年3月のことだ。
ギャグっぽい短編でも書けるかと思い、メモ用紙に書いたところ、すらすらとストーリーができた。
さらに「だったらこんなことが」「こんなトラブルもあるかも」「一体この宇宙人はどうやって来たのか」などと話が広がってしまう。年齢を考えると随分恥ずかしいが、もうこうなってしまうと年など関係ないのである(断言)。
8月ごろ試しにあらすじを書いたら6000字以上あった。箱書きまで作ってしまい、「こんな話、本気で書くのか……」と自分を信じられなくなった。その一方で、案外5万字程の物を書けるかもなあと複雑な気持ちになった。
その後別の作品がほぼ頓挫したので、気分転換にと書き始めたら、いつまで経っても「あれも書きたい」「これも書かなきゃ」「この展開も加えたい」となって、全く行き詰まる気配がない。もとは宇宙人がやってきて帰るだけだった物語が、書いているうちにだんだんと膨らんでいった。
予想外だったのは、主役の幼馴染の二人がどうしても仲良くなってしまうこと。この他のルートがどうやら存在しないと分かるまでは悩んだ。何しろ恋愛物を書いたことがなかったので。
書けるわけがないと思っていたのに、書かないといけなく感じ、書く以外に方法がなくなっていた……。
私はまとまった時間は取りづらいので、十分から二十分の細切れ時間を使って書くことも多い。一日千文字でも書ければ上出来だ。年末にようやく4万字くらいになった。
しかし、2020年が明けると加速がかかりだし、朝早く起きてまとめて書いたり、家事を一時放棄してまで(これはいけない)書くようになり、3月初めに10万字を越え、月末には14万字ちょうどくらいで、とうとう最後まで辿り着いた。
短編でも5万字どころでもなかった。
4月に企画に参加したあと、推敲を始めるが、こんなに長いものは書いたことがないので、どうやってやればいいかが分からない。ショートショートでさえ、何度も見直さなければ投稿できないのに。
まずは、作品の日にちが9月17日から始まっているので、カレンダーを作り、どの日にどの出来事が起こったのか一覧にしてみた。
すると、なんと幼稚園の運動会の日が11月になることが発覚。重大なミスだ。さすがに10月中でないとまずい。前後を確認して、あちこち出来事を入れ替える。
また、この時点で56話あったので、それぞれの話のだいたいの内容をまとめた備忘録を作った。けれども、その後内容の変更があまりに多くて何度も作り直し、結局思ったほど役に立たなかった。
5月下旬、ようやく加筆が終わって、辻褄合わせもできた。この時点で15万5000字。もう一度推敲したらだいたいできるのではと目安をつけたつもりが、思ってもみないことが起こった。
急に作中の人物がはっきりと見えてきたのだ。
「〇〇の性格なら、このときこんなことを考えていたのでは。それだとこうは言わない。そうすると、この場面はもっと違ってくるはず」「☓☓はこのとき、△△にいてこんなことをしていたのでは。そうすると、あとからこうするよね」「〇〇は、もっと心配していたのでは。それだともう少し気持ちを細かく書いておいた方が」「☓☓はここで〇〇のことをこう思っているのに、それを言えなかったのでは。先の方で本当のことを話す場面があったらいいかも」など、あとからあとから湧くように出てくる。
しまいには、一度ちらりと出るだけだった人物が何度か登場したり、数人の脇役のためのエピソードが必要になったり、とキャラクターの勝手な動きのせいで(私にはそう感じる)、膨れ上がることになった。
初心者のくせに欲張って、いろいろ入れすぎてしまったんだと気づいたが、もう遅い。
6月末には17万字になっていた。各話の季節感、出てくる食べ物、主人公の言動や気持ち、異星人の情報など、それぞれの一覧表を作成して、矛盾がないかどうか確かめなければならなくなった(食べ物一覧は関係ないのではと思われそうだが、一応使えた。異星人の情報一覧はあくまでお話のことで、リアルな話ではない。念のため)。
何十万字にもわたる長編を書いている人は一体どうやって推敲しているのか、誰が教えてほしいものだ。
8月末になって、やっと連載を決めた。
自分ではほぼ推敲ができたつもりだった。あとは投稿するときに、誤字や言い回しなどをチェックする程度でよいと思っていた。
これは本当に甘かったとしかいいようがない……。
どのように投稿するかは悩んだ。
「毎日投稿は読んでもらえる基本」だと聞く。でも、忙しい日もあるのでまず無理だ。
私は小説を書くときは、最初はワードで縦書きの原稿用紙の書式で書いて見直し、改めて横書きで空行を入れてみる。だいたい推敲できた時点で、やっとなろうの「執筆中小説」に入れる。
なぜこういう遠回りをしているかというと、表向きの理由は見落とし防止だ。裏の理由は、実はこの「執筆中小説」に何かが入っているのが怖いからだ。
投稿を前にして「執筆中小説」の画面を目にすると、こんなものを出して大丈夫かなと過敏になってしまう。
変なことだと思われそうだが、誰でも多少は投稿して人に見られたい半面、どこか見られたくない気持ちもあるのではないだろうか。ちょっと恥ずかしいような、何かが変わってしまうような、何とも言えない怖さ。案外全く味わったことのない人の方が少ないかもしれない。
私の場合、「執筆中小説」に今度投稿するものが載っているとき、ひどく意識してしまう。
(そんなことを書いている割に、こんな変な物を書いているじゃないかと言われそうだ。全くその通りで反論できない。黙っていていただけるとありがたい)。
毎日連続で、そういう緊張した思いをするのは気が進まなかった。一方、あまり間隔を開けずに投稿することで、このおかしな意識過剰も薄れるのではという気持ちもあった。伏線を張って回収することも多い話なので、間隔を開けすぎてもよくない。
だいたい隔日更新かなと結論を出した。具体的には、水・金・日曜日の定期更新に決めた。ただし最初の10話だけ五日連続で投稿することにした。