ノスタルジック•ステイシア
一人の女性が、アパートのベランダでタバコを吸いながら、ため息をついた。
「明日も仕事かぁ」
と呟きながらも、仕事のことを考えたくなくても考えてしまう私の目の前で、雪がこんこんと降ってくる。
「あーさむい」
と言って、ベランダから自室に戻ると、暖かいご飯と鍋がコタツの上に置いてあった。
「わたし、こんなの作っていたっけ?」
と疑問に思いながらも、こたつに入った。
こんなに、美味しそうな匂いに囲まれると、私のお腹の虫がギューと鳴いた。
その時、女性は何かを思い出したかのようにトイレに向かっていった。
そして、トイレに向かうと大きな声で慌しいく叫んだ。
「あした、蟯虫検査提出日やんけ!どこにもないやんけ!」
そうなんです。
その女性は、お腹にサナダムシを飼っていたのです。