phrase.4
「今日はお前をぶっ殺してやる!!!」
大柄なクラスメイトになぜか殺害予告をされてしまった。
体育館のど真ん中でクラスの全員が見守る中でだ。冷や汗が背中を伝う。
「いやちょっと待って、落ち着いて話をしましょう!」
「問答無用ぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」
相手は拳を振り上げて突っ込んでくる。
何でこんな目に・・・
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事の発端は1週間前にさかのぼる。
「各個人の力が見たいので1週間後に模擬戦を行います」
帰りのホームルームにおそらくクジが入っているであろう箱を教卓に置きながら出海先生が言い放った。
その言葉にクラス全体が沸き立つ。模擬戦となればスキルなんかも使い放題へたすりゃ死人が出てもおかしくない。ここら辺は教師が数人ついて対策をするらしいのだが身体能力も強化できない俺にとっては死刑にも等しい言葉だ。
あぁこれはお休み案件だなぁ、どう休もうか、と頭を回転させていると
「休むことは許さん。もし仮に休むことがあっても後日、再戦をするぞ。では廊下側からクジを引きに来い。このクラスはちょうど30人だから15人でペアが組めるはずだ」
あまり物作戦も通用しないみたいだなぁ。うーん逃げ道をふさがれてしまった。
「隆司も参加しなきゃだね」
周りのがやに混ざって諒が聞いてくる
「お前はまだ得意分野だからいいけど、俺なんて戦力外もいいとこだぜ?」
「そこは努力と根性で何とかするしかないね。僕としては剛田とはやりたくないかな。」
このやろう他人事だと思いやがって。
「お前がそういうなんて珍しいな」
「剛田は結構肉体はらしいからね。僕と戦っても泥仕合になるだけだし」
その剛田ってやつの事は知らないが、諒が言うなら間違いない。
「あっ僕の番だね」
そういって席を立つ。そうやこいつ一週間で3人告白されたって噂も耳にする(学食盗み聞き俺調べ)。おのれリア充め恐るべし。
「次、宝生」
俺の番か。気が進まない。
頼む!!!非戦闘要員のやつとにしてくれ!!!!!
「これだっ!!」
勢いよく取り上げたそいつには15の文字が記されていた。
「おっトリみたいだな。15番は」
ばっと対戦相手の書かれている黒板を見る。
なぜだろう冷や汗しか出ない。なぜなら黒板に書いてあるのは幸か不幸か先ほどまで話をしていたその人
「宝生の相手は、剛田か」
黒板に書かれていた相手。それは
”Aランク 剛田 敦士”
そんなバカな!!!!
黒板を見つめていると、背後に誰か立つ気配がした。
「俺の相手はお前みたいだな、Eランク」
すげー見下した目で俺を見てきやがる。
「おてやわらかにたのむぜ、Aランク」
なんてつい返してしまった。
剛田は何事も無かったように踵を返す。
俺も席に戻ろうと周りを見たらクラス中がなにやらかわいそうなものを見る目で俺を見ている。
諒のほうを向いてみるとご愁傷様とジェスチャーをしてくる始末。
「では模擬戦は1週間後に。ホームルーム終了だ帰っていいいぞ」
その号令でぞろぞろとクラスの皆が帰り支度を始める。
「かえろうか」
「あぁ、もうどうにでもなれ」