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1.


作者は入学式を寝て過ごすタイプです。




 


「うお…でっけぇなぁ……」



『俺』は校門に立っていた。

 門の横には『(セント)クリライヌ学園入学式』と書いてある看板が目に入る。


 新品の制服を僕同様にキッチリと着て初々しく学園に入っていく子達。

 うん、今の子はトラ族かな?あっちはライオン族だな。


 一応、この五年間必死に父親や城の召し使い達と魔法・体術と勉強した。

 だがやはり、前の世界で危険視していた動物の一族を見ると条件反射というか端に寄ってしまう。

 これから行くクラスを考え思わず唾を飲み込む。


 よしっ、俺も男だ!精神年齢なら同級生にだって負けねぇ!人は見かけによらないしな!


 ぱんっと両頬を叩き気合いを入れやっと校門をくぐり抜けた。





 …魔人ってひと………いや、(魔)人も見かけによらない!






 俺のクラスは 1 - C だった。

 この学園はA~Eで獣力が多い順に振り分けられる。

 俺は獣力は皆無だが一応リュウジン族の血があるって事でC組らしい。(卒業までの六年間クラス替えは無し)


 そして、俺がこの学園で卒業まで通うクラスに着いた。俺は黒板側から入らず後ろ側のドアを開け中に入る。




 うわ、


 中に入ってみるとかなりの獣はいないがけも耳が多い。けも耳の他にも尖っているエルフ耳や俺と同じ丸い形だったりさまざまだ。

(魔)人の耳をそんなじろじろみるのはさすがに失礼だと思い机に立ててある名札を見て自分の席を探す。


 ………わぁ~お☆最悪!席が縦に五列、横に三列ある中の俺は縦に右から三番目横に一番目…つ・ま・り教卓の目の前だ。

 最悪…その言葉で表してもいいのかと言うぐらい最悪だ。大抵、こういうときは窓側の一番後ろって決まっているのに!!!


 …!‥そうか、俺がイケメンじゃないからか?


 ま、そんな戯言はさておき、俺が席に着く頃には全員が自席に戻っておりしばらくすればチャイムも鳴った。


 ガラリ、チャイムと同時にドアを開けて入ってきたのは金髪碧眼グラマーで真っ赤なスカートが短いスーツに黒いインナーが胸の谷間と一緒にチラリと見え白い肌に良くはえる網タイツそして、黒いピンヒール。極めつけに眼鏡…………な、えっろい先生ではなく、


 金髪ふわふわロングヘアにくりくりな碧眼はそのままでちんまりとした耳がちょこっと尖っている。ブカブカの魔導師のローブを羽織り片手に出席簿、もう片方に台を持っている。


 ガタンと教壇に台を置きその上に乗るちまっこい先生…エルフ族だ。



「うむ、うむうむうむ!!おはよう!私の生徒達!!私はエルフ族のファモだ!気軽にファモ先生と呼びたまえ!卒業までの六年間よろしくな!」



 元気良すぎだろエルフ族。

 まぁ、インパクトがありすぎるぐらいの自己紹介をしてくれた『魔王が認めた者のみに与えられるローブ』を羽織っている見た目幼女のエルフ族血が入っている先生。



「うむうむ!初々しいなぁ!可愛いなぁ!だが、それより先に体育館に移動して入学式を受けなければならないぞ!ほれ、とりあえず名前順にならべ!」


(な、名前順………俺…父さんの名前…知らない…俺の前の苗字は金戸だったけど今の…苗字………って、え?)



 と、頭の中で色々と考えていると



「うぬ?カナト…カナトはいないのかー?」



 普通に前の苗字で呼ばれた。



「はい、います。」

「これ!言われたら早く出てこい!」

「すいませんでした。」

「まぁいい、ほら、並べ並べ」



 シッシッと手を振るわれ列に並ぶ。俺の前には肩より少し長めのクリーム色の髪で先が外側にはねている女生徒がいた。

 彼女は俺に気がつくとこちらを向いた。



「私はリリア=レイーノ、よろしく!」

「『僕』はカナト タクマこちらこそよろしく」

「…タクマ………ええ!」



 こちらを向いた彼女は綺麗な橙色のつり目で前髪を左分けにした活発そうな少女だった。

 いきなり名前で呼んでくるあたり人懐こそうだ。



 **





 《はい、ですのでこれから卒業まで…》



 そうか、これが魔法学校か…大きい体育館での入学式そうそう校長先生は俺を含めた新入生や先輩方に眠りの魔法をかけている。俺もかなりやばい。先程知り合ったリリアは俺の隣で新入生の名前を呼ばれた着席後、寝た。速い。今もまだ眠っている。


 だが、入学式もそろそろ終わりに近づいてきたので肘でつついて起こす。



「ぬぁ、………あ、タクマ…おっす」

「寝ぼけてるね…おはよう、もうすぐ式終わるよ」

「タクマ優しー、私の幼なじみなんか起こす時蹴り飛ばして起こすよー」

「さ、さすがに式の途中で蹴り飛ばしはしないかな、?」



 コソコソと話していると司会の先生から入学式の終了と新入生を教室に戻るよう号令がかかる。

 席を立ち2人で並びながら教室への廊下を歩く。周りを見てみるともう仲良しグループが設立されているのか同性同士で固まって歩いているのが多い。俺とリリアみたいに異性で固まって歩いているのはいない。



「…もう仲良しグループ作られてるみたいだね」

「ん?…あぁ、あ、いいよ、タクマ!私に構わなくて良いから他の子とか交流してきなよ」

「え、いや、僕は別に大丈夫。そう言うリリアは行かないの?」

「え゛ぇ、いや、それはちょっと…」

「そう?」

「あ、あはははぁ~」



 一応、リリアに提案をしてみれば顔を真っ青にし苦笑いする。見た目からして活発そうだからあんなキャッキャッウフフな女子グループは合わないのだろう、と自己解釈する。


 リリアの後ろから俺よりも小さい…犬系のけも耳男子がぶつかりそうだ。とっさにリリアの腰に手を回し自身に近付けてぶつかるのを阻止する。



「…あ、ごめん……前見てなくて、」

「こちらこそ、のんびり歩いてたから。」



 犬系のけも耳男子は一言謝ると首もとに巻いていたマフラーを鼻まで覆いそそくさと行ってしまった。

 いつまでも女性(10歳だとしても)に触れているのは失礼なのでサッと手を離す。



「…咄嗟だったとはいえごめんね?」

「いや、助かったし………王子かよタクマ」



 リリアはあまり気にせず笑いバシバシと背中を叩く。本人は軽く叩いているつもりでもかなり痛い。










「リリア=レイーノです。勉強はちょっと苦手だけど体育なら大得意です!卒業までよろしく!」


「金戸 拓馬です。勘違いする人が多いと思いますので言います。カナトは苗字でタクマが名前です。気軽にタクマと呼んでください…六年間よろしくお願いします。」



 クラスに戻るとすぐHRになり新品の教科書を配られ自己紹介をする。俺の名前を聞いて「え」と声を漏らしたのは多分リリア。なる程、フレンドリーとかじゃなくて勘違いで呼んでたか…


 今日は入学式だけなので全員の自己紹介が終わるとファモ先生が終わりの号令をかけて今日の学校が終了した。



「タ、タクマ…」

「ん?あ、リリア」

「ごめん、思いっきり下の名前で呼んでたね…私」

「あ~、別に大丈夫だよ、出来ればそのまま呼んでほしいな」

「もちろん!改めてよろしくタクマ!」

「よろしく、リリア」



 リリアとガッチリと握手して別れる。あいつとの握手、男としたみたいだったのはこの際おいておこう。多分、リリアは先ほど言っていた幼なじみと帰るのだろうすぐ教室から出て行ってしまった。


 さ、俺も帰るかと靴を履き替え家(城)に帰った。




 ─────────────────


 帰宅後…


 拓馬「ただいまー!」


 庭師息子(以下、息子)「お、帰ってきたのか」


 拓馬「よっ、」


 息子「先生誰になった?」


 拓馬「えー、とファモ先生」


 息子「あぁ!あのくそじじいな!」


 拓馬「ちみっこい女の子だったぜ?」


 息子「は?」


 拓馬「え?」







庭師息子は拓馬と城の中で一番仲がいいですが、やはり年は離れています。

庭師息子もあの魔法学校に昔通っていて元担任がファモだった。ただ、その時の姿がお年寄りの男性だっただけ。


庭師息子も名前はまだ考えていない。



ここまでご覧いただき感謝!



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