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プロローグ

むかし、人間と魔物は対立をしていた。


魔物は人間を食すため殺す、人間は魔物から逃れるため殺した。


互いに互いが殺し合い…とうとう互いの種族は1人と1匹だけになった。


魔物は言った

「私は…私達は人間を食し殺しすぎた…」


人間は言った

「我々もあなた方から逃れたい一心で人間を食さない魔物たちでさえも殺してしまった…」


「「どこで私達は間違えてしまったのだろう。」」



この世界の先祖は人間と魔物だった。

今のこの世界の住人が生まれたのはメスの魔物と男の人間が我々を生み出したからだ。


互いは我々をある程度の数産んだ。

そして、跡形もなく消えた。




これが我々、魔人(まじん)の誕生だった。












俺の名前は、金戸(かなと) 拓馬(たくま)

俺のことをよく知らない人、初めて会った人はカナトの方を名前だと思う人が多い。


俺はこの日誕生日だった。

18歳の誕生日。

両親に入れられたら高校の寮で誕生日を過ごした。

その日は寮に両親と妹から誕生日プレゼントが朝に届き、昼間はクラスの皆から祝われ、夜は寮生全員に祝われた。

今までで一番かもしれないほどの嬉しい思いでいっぱいだった。

その気持ちのままベッドに入り良い夢を見てまた学校に行く…




はずだった。




ベッドが石の床に、寮の部屋が石でできた部屋に変わっていた。

石の床には大きく円上になった文字がある。そして、その中心に“俺”がいる。



「ど、こだ…ここ…っ、あ?」



おずおずと声を出してみると声変わりしたはずの声が高くなっている。

まさかと思い恐る恐る目線を自分の体に下げてみればこりゃまたびっくり手足が短くなって寝るときに着ていたパジャマがブカブカになっている。

自分の体が縮んでいると分かるとグラグラと揺れる頭。

ズテンと頭の重さが後ろに向き後ろに転がる。


頭のなかは混乱でしかなかった。


ここはどこなのか、なんで体が縮んでいるのか、倒れて頭が痛いとか、頭が混乱して思考回路もショートし始めてとうとう俺は



「う、ぁ、うぅうううぁあああぁぁあぁん!!!」



泣き出してしまった。

18歳になったのなんか関係ない。体だけではなく感情も小さようだ。



「うぁあああぁぁあぁん!ぁああぁああぁぁあ!!」


「…や、やっと………きたのか」



泣き続けていれば石の部屋に急にドアができ、黒い髪の長身でイケメンが来た。

それはもう驚くほどのイケメン。

ハリウッ◯スターなんか比べものにならないほど…なんでこんなイケメンの解説してんだ?



「おぉ、よしよし可哀想に頭をぶつけてしまったか…ほら、痛くない痛くない」



男は俺を持ち上げ頭を数回ぎこちなくだが撫でる…すると、頭の痛みがスッと消える。それに驚きキョトンとすると男は俺を見てにっこりと笑う。



「初めまして、異世界の私の子供」

「ち、ちぁうよ、おれ、あんたの子供じゃないよ」

「おやおや、こんな小さいのに話せるのかい?すごいねぇ」

「ちあうよ、ちあうの!」

「うんうん、上手上手」



こ、このくそイケメン全然話を聞かねぇ。それより、俺が話すとニコニコデレデレ笑って褒めるだけ。気持ち悪い。かなり。 

イケメンは俺を抱え直し石の部屋から外に出てバルコニーのような場所に出る。



「ほら、見てご覧…ここがお前の世界だ」

「………………………………は、」

「今はまだ私の物だが、のちのちお前の物になるぞ」



見たことの無い昔の中世ヨーロッパな街並み、今の日本では見たことのない広がる森、ずっと遠くにある海も光が反射しキラキラと輝いて見える。


どうやらこのイケメンはこの世界の魔王らしい。


そして、この男が言うにはこの世界には魔人と呼ばれる者しかいなく魔物や人間は随分と昔に絶滅したようだ。


魔人が子供を産むときはどちらかの人間の部分、魔物の部分を受け継ぐらしい。だが、今まで有り得ない例外が生まれた…それが俺らしい。

自信を父と言い張るイケメンが言うにはイケメンが昔、異空間移動魔法…つまり、トリップをしてみたら運命の女性に出会い結婚。しかし、俺…子供を産むとイケメン魔王のリュウジン族のリュウの部分を受け継がず人の部分を受け継ぎ生粋の人間の母の当然の人間の部分を受け継いだ。


そして、父(仮)が魔人の人間が産まれた…と言う結果だ。


父さんに姉がいたことは聞いたことがあるが一度もあったことがない、しかも結婚はしておらず俺が産まれ暫くして亡くなったこと聞いていた。


俺に広い世界を見せていた自称父親は俺を抱え直し顔を合わせる。



「可愛い私の子供…今まですまなかった…今日からは私と一緒だ。」

「ざけんな」



ふざけんな。まじ、ざけんなよ。

俺がずっと両親だって思ってた親は親じゃないのかよ。俺の妹にしては可愛くて天使だった妹も妹じゃなかったのか?父親かと思っていた人物に聞いたことを含めればあの2人は叔父と叔母で…妹は従兄妹?


オ レ ハ 、 ア ノ イ エ ノ コ ド モ ジ ャ ナ カ ッ タ ノ カ ?



「…すまない。」

「おれは、あそこにいちゃダメなの?」

「…私の一族リュウジン族は18になるとどんな魔人よりも強い力が目覚める。…それを制御するには子供の時に修行をしなければないないのだ。」

「おれは人間だぞ」

「だとしても私の血を引いているのには変わりない。…だが、私は………お前を異世界にいる彼女の弟夫婦に預けた。」

「………」

「お前を産むと彼女は死んだ。人間の体では魔人との子供を産むのが耐えきらなかったのだ。…私は無理だった。彼女を失って彼女に似ているお前を育てるのが………っ、私には無理だったのだ。」

「…」

「勝手だということは承知だ。だから、私は18になったお前を縮め子供にした。…っ、今の体は5歳ぐらいか?…今の話は縮まったお前には分からぬか……」

「いや、からだが縮まっただけでせいしんてきには縮まってない。話はあらかた理解した、本当の父親。よくも今まで黙ってたな。」



涙を流し暗く薄く笑った本当の父親は顔色が青くなった。



「え、精神的には…え、」

「ま、今の話を繋げると大体話がつながる。」



物心つく頃から父親と母親だった人達が微妙に俺を妹から避けさせてたとか、高校になったら寮に押し付けられたとか、おおかた理解した。

精神的には子供になってない。

つまりは見た目は子供、頭脳…はともかく、まぁ、中身は高校生というわけだ。



その後、この世界の魔王こと俺の本当の父親との生活が始まる。

精神的には大人な俺はどんどんこの世界のことを学ばされていった。




そして、体的には10歳、精神的には23歳、つまり五年後、俺はいつの間にか僕になりランドセルならぬバックを背負ってドデカい建物の前に僕はいた。


「今年から10歳、つまりは学び屋に通うんだよ」

「…(某黄色い悪魔、某落第忍者のたまご達ですな)」

「『パパ』と離れるのは不安かもしれないけど」

「寮生活ですか?『父さん』」

「……『パパ』と呼びなさい。いいえ、実家通いです。」

「寮はないのですか?『父さん』」

「『パパ』です。寮は遠い地など通えずらい子達の為の寮です。」

「魔王権力で寮に住めませんか?『父さん』」

「住めません。いや、住ませません。『パパ』のいるお家から登校しなさい。そして、『パパ』ね」

「実家通いなのは納得しました『父さん』」

「それはよかった。……………いい加減『パパ』と呼べぇぇええええええ!!!!!!」

「本当だったら年齢的に『親父』なのを妥協して『父さん』って呼んでんじゃごらぁぁああああ!!」


と、言うことで次からファンタジー学園物語…始まります。





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