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意外と多彩なミシロさん

「無理に…って、どういうことだよ?」


「…まぁ、ここでする話でもないから、とりあえず部屋に入るニャ。」


いつになく真剣な面持ちのミシロに促されるまま、俺はレゼリアとミシロの泊まる部屋に入った。


「で、どういうことなんですか?」


改めてレゼリアが聞き直す。そしてミシロはベッドにもたれかかり、口を開く。


「んー…どっから話したもんかニャ。えーとニャーーー」


『あ、俺ちょっと寄るところがあるから先に休んでてくれニャ。』


『何か用事でもあるのか?』


『まあニャ。すぐに帰るから気にしないでほしいニャ。』


どうせだから、ハイドの妹でも見てくるかニャ。そんな思いでミシロは来た道を戻った。


『えーと、確かこの辺りのはずだったんだけどニャ…』


少し迷いながらも先程のカジノ場の入り口付近に着いた。だが、すでに閉まっているようだった。


『…本当にやり過ぎたかニャ?』


ちょっと申し訳ない気持ちを覚えつつ、特に人も居なかったので戻ろうとする。すると。


『…ん、出て来たニャね。』


さっきガチ泣きさせてしまったオーナーが出て来た。暗いのでよく見えないが後ろに従業員も見える。


『おーい、ちょっと…!』


聞きに行こうとしたミシロは急に何かに気付き、すぐさま物陰に隠れる。よく見えないが、あれは…


『手枷…?』


従業員が20人ほどいる中、数名が手枷のようなもので繋がれていた。その中には、先程見たハイドの妹の姿もある。そして話し声がかすかにだが聞こえてきたので、少し聞き耳をたてた。


『あのケットシーにまさかあんなに持ってかれるとは思わなかったですねボス。』


『…黙っとけ。ギリギリ黒字にはなるんだ。それに…』


『俺たちの本業は、各地から女攫って売り払うことですからね。ついでに良い年になるまで俺たちの仕事をタダでやらす。一石二鳥っすよね。』


…人攫い、だったのかニャ。だとしたら中々にヤバいかもしれんニャね。


『…ペラペラ喋るな。一応周り見とけ。』


『『うーっす。』』


『…!』


ここでバレると、何をされるか分からない。息を潜めて、過ぎるのを待つ。


『…誰も居ませんぜ、ボス。』


『…ならいい。行くぞ。』


『へい。…おらっ、さっさと歩け。』


彼らは手枷を引っ張りながら、夜の街の方へと姿を消した。


『…ちょっと不味いニャね。』


そしてミシロはそれを伝えようと宿に戻った。


「…という感じニャ。」


「…それ、中々にヤバくないですか?」


あっさりとした感じでミシロは話し終え、その口調と内容にレゼリアが突っ込む。要は、人身売買をしているってことか。にしても、ケットシーって情報の収集力すごいな。


「ぶっちゃけ俺も危ない橋は渡りたくなかったから手出しはしなかったけど、どうするニャ?明日にでもハイドに伝えるかニャ?」


…常識的に考えると彼に伝えた方がいいのかもしれない。売買をしているなら、下手したら売られてしまうかもしれないからだ。だがそうなるとこちらも手を貸さなくてはらない。より命の危険が迫ってしまう。かといって、ハイド1人に行かせるわけにもいかない。…どうするべきか。


「…とりあえず、伝えるだけ伝えとこうよ。」


これが多分1番の解答だ。何か言われたらその時考える、今考えても仕方ない。そう結論を出した。


「それがいいニャね。」


「確かにそうですね!」


2人も納得してくれた。とりあえず今日は部屋に戻るかな。


「それじゃおやすみーー」


「ん、レンは別の部屋かニャ?」


あ、そうか。ミシロはさっき居なかったから知らないのか。


「ああ、部屋が空いてたらしくてなーー」


なんてことを言いながら、扉を開けて部屋に戻ろうとすると、先程受付にいた人がいた。


「どうかしました?」


「あの、お客様…実はですね…お客様が借りた部屋なんですが、記入漏れがありまして既に別のお客様が借りているんです…」


…ここに来てのダブルブッキングかよ。


「あ、でしたら私たちの部屋に居ていいですよ!ミシロさんもいいですよね?」


「別に構わないニャよ。」


…何故だ。俺は、毎回毎回宿でこうなるのか。


「…じゃあ、そうするよ。」


結局、野宿は流石に嫌なので相部屋ということになった。もうこれは見えない壁か何かで阻まれている気がする。もう諦めるしかないのだろう。なんだろう、少し免疫が出来た気がする。


「まあまあ、いいじゃないですか!」


半ば諦めを感じながら、2人のいる部屋で泊まることになった。


「んじゃ俺は疲れたから寝るニャ。おやすみニャー…」


ミシロはそういってベッドに横になると1分足らずで寝息を立てた。


「はやっ…まあいいや。じゃあ俺も寝ようかーーー」


「あ、レン様。」


近くにあったソファにでも寝転がろうとしたら、レゼリアに呼び止められた。


「ん、なんだ?」


「…いえ、大したことでもないので明日でいいです!」


「そうなの?じゃあ、おやすみ…」




横になると、思ったよりも早く睡魔が俺を包んでいった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

文中にも少し書きましたが、ケットシーの有能さったらないんじゃないかと考えてるんですよね。

これからも読んで頂けたら幸いです。

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