表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/96

初めての戦闘

なんやかんやで旅に出ることになった俺たち。近くの町に着く間に幾つかの質問をした。ここはなんと言う世界なのか、どんな国があるのか、どんな種族がいるのか。その質問全てにレゼリアは答えてくれた。彼女曰く、ここはラースガルドと言う世界で、俺たちが今目指している所はレカバと言う小さな町。種族に関しては「あとあと分かりますよ!」と言われ、うやむやになってしまったが。


無論、俺も俺自身のことを話した。ここの世界の住人ではないこと、俺は人間でただの学生だということ。そんな俺の必死さが伝わったのだろうか、最初は笑って否定していた彼女も少しばかりではあるが信じてくれた。


「…それでしたら魔王様。」


「えっと、魔王様って言われると調子狂うからレンでいいよ。」


「じゃあ、レン様!」


「まぁいいや…で、何かな?」


「そう言うことでしたら女神様に聞けば何か分かるのではないですか?」


「女神?」


こんな異世界にもそんな神的な存在がいるのか、いや、現に魔王がいるのだから女神もいて当然か。


「一度でいいから見てみたいですけどね、まぁ何処にいるのかも見当つかないんですけど。」


…先行きは長そうだ。


「じゃあレゼリア、一つ相談があるんだけど…」


「なんですか?私に出来ることなら!」


「この角ってどうにかならないかな。」


さっきからどうにも心地が良くない。普通であればないものがそこにあるのだから。それに、人に見られたらなんて言われるか分からない。


「えっとですね、念じれば消えますよ。やってみせます?」


意外にも簡単な答えが返ってきた。どう念じるのだろうとレゼリアの方を見る。


ポンっ!


軽快な音と共に彼女の頭上の角が消え、普通の女の子の様な姿になった。


「ただ消えろって念じればいいんですよ。レン様もほら!」


言われた通り消えろと念じる。すると予想よりあっさりと角は消え、元の姿になった。


「そうそう、そんな感じです!出したい時は出せって念じればいいですからね!」


意外と便利なんだな、この角。そんなことを思っていると草むらから謎の生き物が飛び出してきた。


「ピキー!」


「うわっ!なんだこれ!」


「あー、スライムですね。」


驚きを隠せない俺をよそにレゼリアは比較的あっさりと返答した。


「え、こういうのって俺に仕えてるんじゃないの!?」


「おっと、言い忘れてました!攻め込まれた時に人間が魔物を捕獲して自分達の仲間にしたんです!」


「それじゃあ、まるで…」


「あっちが魔王みたいなもんですね!」


「んじゃこっちは冒険者ってことかよ!」


「そうですねー!アハハ!」


そんな俺たちの長い話にシビレを切らしたのかスライムが襲いかかってきた。それを見て慌てて距離をとる。


「うわっと!さぁレン様やっちゃって下さい!」


「どうやってさ!?俺、何も分からないんだけど!?」


「あぁそうでした!でしたらお手を拝借します!」


そう言うとレゼリアは俺の腕を掴みスライムの方へ向けた。そしてーーーー


「燃えろ!ファイア!」


瞬間、俺の手から放たれた火球がスライムを捉え、倒した。


「い、今のって…」


「魔法ですよ!レン様!」


ゲームとかで見たことはあるが、本物を見たのは初めてだ。本当に異世界に来たのだな、と思わされる。


「す、凄いよレゼリア!ありがとう!」


「い、いやー照れますねぇー…」


顔を赤らめて笑うレゼリアに、こっちの心も和らいだ。ここに来て明確な情報もないままだったのでこの笑顔が救いのように思えた。


「さあ!先は長いですよ!行きましょう!」


「ああ!」


少しばかりの希望と共に、俺たちは歩き続ける。

新参者ではありますが、見ていただければ幸いです。コメント等お待ちしております。気が向いたら投稿させていただきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ