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レゼリアvs.アイゼン 前編

俺たちが訓練所に戻ると、既に2人は戦闘態勢に入っていた。


「さあ、行きますよアイゼンさん!」


「かっかっか、どっからでも来い!」


「それでは、第2試合…始めっ!」


開始直後、レゼリアは懐から小刀を取り出す。そしてアイゼンは銃を構える…かと思いきや何故か距離を取る。


「あれ?なんでさっきの使わないんですか?…もしかして、まだ魔力が回復してないとかですか?…でしたら悪いですが先手必勝!先に仕掛けますよ!」


そう言うとレゼリアは精神を集中させる。すると、何も持っていない彼女の左手に小刀が出現した。


「んニャ、レゼリアも具現化魔法使えるのかニャ?」


「いや、俺も知らないんだけど…。俺にも隠してたのか…?」


俺たちの会話が聞こえたのかどうか、アイゼンも同じ問いをかける。


「へぇ、嬢ちゃんも具現化魔法っての使えるのかい。」


「ふっふっふ…それはちょっと違うんですよ。」


レゼリアは勿体振るかの様に話す。そして少し間を開けた後、そのカラクリを話す。


「厳密的に言うと私のは具現化魔法じゃなくて複製魔法なんですよ。…まあ、自分の手に持ってる物を複製出来るってだけなんですけどね。」


「それでも充分凄いじゃねーの。にしても二刀流か。こりゃ面倒いね。」


「さあ、行きますよ!」


その掛け声と同時にレゼリアは小刀を十字に構えて突進する。アイゼンも何かしらの武器を構える…と思いきや、直接拳で殴りかかってきた。


「え、ちょっ、なんで素手なんですか!?もう止まれませんよ!?」


「かっかっか、やっぱり漢は拳でいかんとなぁ!」


そして、互いの剣と拳がぶつかる…その瞬間、


「召喚魔法、機巧魔兵の手(ギアテックゴーレム)!」


アイゼンは魔法を唱え、右腕の後ろから巨大な腕、と言うよりも緑色に輝く金属の籠手が出現し、アイゼンの代わりにレゼリアに拳を喰らわす。


「ぐぅっ…!」


レゼリアはかろうじて剣でのガードをするも、思い切り吹っ飛ばされる。


「そのまま場外に出な!」


アイゼンの声が響き渡る。だが、レゼリアはそう簡単にやられるつもりはないらしくーー


「…それっ!」


声を上げたかと思うとレゼリアは空中に浮いていた。


「…人って、空飛べたかニャ?」


「俺に聞くなよ…多分魔法だろ?」


レゼリアを見るため俺たちは天井を仰ぐ。…俺も飛んでみたいな。



「ほう、嬢ちゃんも重力魔法使えるクチかい。」


「はい!…まぁ、基礎程度ですがね。そんな長く浮いてられないですし。」


その言葉通り、レゼリアはふわっと地面に降り立った。


「と言うか、アイゼンさんだって凄いですよ!召喚魔法使えるんですね!てかなんですかあの手!?」


思い出したかのようにレゼリアは捲し立てる。アイゼンはそれに少したじろぎつつも問いに答える。


「あ、ああ…前に魔導兵を造ったんだが、なにせデカくて置き場所が無くてな…それで召喚魔法で呼び出せるようにしたのよ。」


なるほど、召喚魔法と言っても単に魔物を呼び出す訳ではないのか。


「まぁ、右腕だけで2メートルありそうですもんねそれ…」


確かに、目視ではあるが少なくとも俺の身長よりは大きいと見える。そんなのをモロに喰らったらひとたまりも無いだろう。


「でも、当たらなければ、どうってことないですからね!」


降り立った位置からレゼリアは足に力を入れ、その上重力魔法で自分にかかる抵抗を0にして距離を詰める。


「ぜあっ!」


レゼリアの渾身の一振りが入る。だがアイゼンはそれを見越していたのか、魔兵の手でそれを防ぎレゼリアの腕を掴む。


「ぐうっ…」


「やっと捕まえた。さて、その華奢な腕をへし折られたくなかったら負けを認めてくんねーかい?」


ミシミシと腕がひしぐ。だが、苦悶の表情を見せつつもレゼリアは認めようとしない。


「…5秒です。5秒あればこの状況から抜け出せますよ?」


ハッタリか否か、レゼリアはそう言ってアイゼンを見やる。


「かっかっか、そいつぁ面白い!是非とも見てみたいねぇ!」


「では、ご期待にお応えして…」


そしてレゼリアは精神を集中し始める。それと同時にアイゼンがカウントを始める。


「5、4…」


「…」


「3、2…」


「1…」


5秒のカウントもついには終わりを迎えようとしている。だが、レゼリアは依然精神を集中したままだ。そしてーー


「0!」


「…!」


0のカウントと同時にレゼリアは姿を消した。標的を失った腕は消え、アイゼンは消えたレゼリアを探す。


「また…死角に居るんだろ?」


そう察したアイゼンは後ろを向く。しかしレゼリアの姿はない。


「こっちですよ?」


声に反応したアイゼンが向いた先にはレゼリアが不敵な笑みを浮かべながらそこにいた。


「…テレポートか。」


「はい!これでさっきの攻撃は通じませんよ!」


「…なるほど、やっぱりお前ら面白いな。」


「ふっふっふ、今までのはほんの序の口。私の本気で貴方に勝ちます!」



不敵な笑いと共にレゼリア堂々と勝利宣言をアイゼンに向ける。

なんとか書きました。見て頂ければ幸いです。

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