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ラズベリー

「舐めてみてよ。甘いから」

 彼女はそう言って赤々とした手首を差し出す。今日も彼女は私の前で手首を切った。深く、且つ綺麗に。


「別に死にたいわけじゃないの。ただ私は手首を切りたいの」

「じゃあ、私は君が死んだら傷口を舐めるよ」

「わかった」


 昨日の言葉が脳裏に浮かぶ。白い顔をした彼女は血でお気に入りの服を汚すのにも構わず、笑顔で私に手首を差し出す。

「頂きます」

 それに応えて彼女の首を絞める。彼女は笑顔で私の手の中で死んだ。その血の味はラズベリーのように甘美だった。

新生活の準備などで一ヶ月ぶりの創作となってしまいました……

温かい目で見てください……

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