78/200
肺
彼女は白いフリルのワンピースを着て宙に浮く。オーガンジーは柔らかに綿菓子のよう。あなたはその星に行かなければならない。クリームの雲にストロベリーの海、マカロンの大地があるその星に。(キットカレハカンゲイシテクレルデショウ)接触は互いの重力に従って潰れる。接吻は互いに肺を毒される。
グラニュー糖の海には硝子の魚が泳いでる。背びれで首を浅く切る。血に溶けた糖はきらきらと輝く。白く、網膜が焼けるほど。微睡み、世界は何時から三時になっていたの?おやつのじかんです。今日はドーナツ。粉糖が舞う。きっとそれは私の肺の中で結晶化する。ああ、結晶が私の胸を貫いてくれたら良いのに!




