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生花
彼女は美しい人だった。真珠のような肌を持ち、均整の取れた顔に黒髪。そして美しいな腕があった。だから私は彼女がもっと美しくなる手伝いをするだけなのだ。
既に彼女は眠っている。私はその腕をとり指先のマニキュアを丁寧に落とした。そして生けることを始めた。
まず白い皿に彼女の腕を一本、剣山に刺した。根元から血が溢れでて水を紅く染める。それを見て私はもう一本の腕を対称になるように刺した。最後に彼女の頭を少し傾けてその美しい手に持たせた。首から流れる血が彼女の腕を伝う。私はそれを舐めてから彼女に口付けをした。彼女は少し笑った気がした。




