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踊り

 その少女は白い衣を着て野に横たわっていた。何故こうしているのか――と尋ねると、今に解ります。危ないので離れておいたほうがいいですよ――と答えた。すると一人の男がやって来て――少し離れたところで男達が集まっているのが見えた――杯から彼女の衣に火を放った。火は彼女と私を包んだ。

 巻き込まれてしまったのですね――悲しそうな声音で燃えている彼女は言ったから、好きで巻き込まれたのだ。気にするな――と答えた。炎の外では男達が取り囲んで太鼓を叩いている。その音に合わせて炎は青に、緑に、橙に色を変える。そしてその度に彼女は苦しそうな顔をした。そして彼女が苦しむ度に炎の温度はどんどんと上がっていった。

 太鼓が鳴り響く。男達は何か歌いながら炎の周りを回るので私も炎の中で回った。彼女はもう立てないほど喘ぎ苦しんでいた。ドドン!一際大きく太鼓が響くと同時に炎はその色を蒼くして高く、高く火柱を上げた。私達はその火柱の中心で踊っていた。ぐったりと倒れる彼女の手を無理に取って踊っていた。

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