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散文集
鏡面世界の血は止まっていた―私はそれを飲む―。幻想植物の図鑑。貴方は暖かな春の花を隠す。独り占めするために。
猫ならわかる事。昨日の本。純大衆文学。記憶の実験だよ―そう言っていた。小さく微笑んでいた。
催眠術にかかった少女の頭の中。ガラスの湖に写る姿は青色だった。
催眠術にかかった少女の頭の中。ガラスの湖に写る姿は青色だった?藍色だった?
搖れる光の色は何色?これは昨日の質問。じゃあ今日の質問は?これが今日の質問。解答( )
梔子の香りが心地いい。柔らかな風は仄かに甘かった。ちょうど綿菓子のようだった。
催眠術にかかった少女は仄かに甘かった?
苹果を隠す彼女。その10分後には白い灰になっていた。その山の頂上に一口齧られた苹果一つ。崩しておいてくださいませ。




