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飴と紅茶
大地が揺れたので机の上に並べていた飴玉が落ちて砕けた。仄かに百合を漂わせながらぱりんと。彼女はそれを見て、せっかく昨日作ったのにな―彼女はそう呟いて飴玉の破片を拾う。破片は10時の光を浴びてゆるかに溶けていく。私達は二人で急いで破片を集め冷凍庫の中に入れた。
昼から彼女は雨を作ろうとした。水曜の退屈と10時の光が無いからだめだよ―と私が言うと、破片を使えばできるはずよ―と言って彼女は無理に作り始めた。私はそれを眺めていた。
しばらく―ティンブラの湯気が消えるぐらいーしてから彼女は、出来上がった―と言い飴玉を持って来た。それはビー玉のようにまんまるで透明だった。私はそれを一つとって紅茶に入れて飲んだ。百合の香りが漂い、心地良く眠たくなった。彼女も丁度飲み終わったみたいなので私達はそのまま眠りについた。




