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 雨の日は好きだ。雨音が退屈を紛らわせてくれる。そして寂しさを。

私はカーテンを開けて外の景色を眺める。雲は灰色に重く垂れこみ窓についた水滴には高いビルが逆さに映っている。

空ってこんなに低かったっけ。少なくとも貴方と一緒に見た空はもっと高かった。


 貴方と出会ったのは三ヶ月前の事、田舎から出てきて誰も知り合いの居なかった私に話しかけてくれた。後から知ったんだけど貴方も田舎から出てきたばっかりで一人だったんだね。そして私達は少しずつ話して、仲良くなった。

 そういえば貴方はずっと私と居てくれたね。見知らぬ土地で二人っきりで生きてる気がして嬉しかったよ。貴方いつも私を待ってくれた。一人で帰ろうとしていると決まって後ろから駆けて来て、終わった?送るよ―って言うんだ。それで私は強がって、一人で帰れるもん―って言うけど、いいから―って貴方は強引に手を握ったよね。それが嬉しかった。

あの日の空もそうして二人で歩いてる時に見たよね。飛行機雲長いね―って貴方は笑った。


 でもその日に死んじゃうなんて狡いよ。あの日私を家に送った後に貴方はトラックに轢かれた。

まだ何も言えてなかったのに。何も伝えてなかったのにね。


 雨はまだ降り続いている。仕方ない。飛行機雲が長く見えた次の日は雨が降るんだから。



グロ以外も作れるのよ…?


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