表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/200

家族


兄が爆死した。

今回は小さい、ちょうど風船が割れるような爆発だった。

「今年は不作かねぇ。きっとそうに違いない」

母は一人で頷いた。

「お兄様の事心配 じゃないの」

私が問うても

「毎年の事だからねぇ。二三日もしたら生えてくるさ」

と言った。

事実二、三日すると兄は生えてきていつも通りの生活に戻った。


その年の夏は冷夏だった。

玉鬘は朝の静けさと昼の暑さ、そして夜の天の川を取って育つ。

だから今年は 玉鬘が不作であった。

「食べるものが無いからごめんなさいね」

母はそう言い姉を天婦羅油で揚げた。

「お姉様の事心配じゃないの」

と私が問うても

「不作の年はこうするしねぇ。お湯に浸ければ元に戻るさ」

と言った。

事実秋になって食べ物が多くなると姉は湯に浸かり元に戻った。


その年の冬に私達は来年の苗を作る。

玉鬘の苗は若い女の血と髪と、そして苦痛によって生える。

だから私は土に埋めて貰い鍬で頭を叩かれた。

誰かの心配する声が聞こえたけど関係無い。

事実、春になって花粉を練って人形を作るとそれが私になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ