130/200
xxx
「横断歩道なんか歩きたくないわ、歩道橋。あなた、夜に駅前の歩道橋を通ったことある? ビルの光、クルマの光が綺麗で……きっとあそこから飛び降りたら幸せ」
「私ね、まだ王子様を信じてしまってる。正確には王子様じゃなくて、私の詩を偶然読んで、素敵な言葉だねって言ってくれる人なんだけどね。でもそんな人居ないみたいだよ」
「何が綺麗なんだろうね。」
「かわいいでしょ? このブラウス。二重のフリル。ボタンはハートのクリスタル。姫袖。あまいものが好き。あまいものだけを食べちゃなんでいけないの?」
「眠たいよ。眠たくないけれど眠りたい、眠たい。おやすみから朝を始めないで。深夜3時の渋谷交差点のライブ映像」
「あいしてる」
「生きたくない。微積だけしておきたい、ベクトルは嫌いなの。目をつむるの。何も見れない、聞こえないようにするために。必要なのはあまいものだけ」
「ねぇ。ねぇってば。もう要らない」
「嘘なら良かったよ、全て。何も見たくないから歌うだけ。眠りたくない、溺れたい。溺れたくない。ちゃんと両足で歩けるようになりたいよ」
「私ね、昔時間に浮いていたの。わかんないでしょ? 私もだよ」
「あいしてるから、今日はおやすみ」




