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6.魔王様が修行をなさるようです

(この刃、信じて受け止めてくれるかしら?)



~魔王城・中庭廊下~




「あ、お姉さま?」



前を歩いていた妹が振り返り、話しかけてくる



「なんだ?」


「術式のことなんだけど……」


「ああ」



妹の言いたいことがわかった。……烙印のことだな



「お姉様は、そのままじゃ烙印の効力で術式を打ち消しちゃうんだっけ?」


「ああ」


「それだと困るから、事前にお母様に一時的な解除の仕方を教えてもらったの」


「ああ……え?」



なんということだ……これではやりたい放題にされてしまうではないか


妹が前に向き直った



「説得できたのは奇跡だったよ。一回きりのものしか教えてくれなかったけど」


「…………」



私のためにそこまで……


これは考え直す必要があるな


再び妹がこちらを向いた



「一回きりだから、ちゃんと準備はしておいたんだよ?」


「どんな?」


「魔術修練場を貸し切って事前に魔力ブースターをセットしたり、大まかな魔法陣を描いたり……そんなとこ」



……ん? 貸切?



「貸切なんてできたのか?」


「魔術修練場は……といっても部屋ごとに分れているから一つ借りただけなんだけどね」


「武術修練場にはそんなものないぞ?」



羨ましいな。部屋ごとに貸切ることができるなんて。


これからは魔術に磨きをかけていこうかな



「ご愁傷様だね。ちなみに、貸切るには三日くらい前からじゃないと無理だよ。するのは二人くらいしかいないけど」


「誰と誰?」


「え~っと、誰だったかなぁ……」


「……ん?」



考え込む妹の肩越しに、二つの人影が遠くからこちらに向かってくるのが見えた


片方に見覚えがあった。いつかの若いワーキャットだ。


そしてもう片方は……こちらも若いワーウルフだった。これも見覚えがあった。


二人とも獣よりではなく人より、というか人間に耳と尻尾が生えただけの容姿をしていた。


そのためかどちらも服を着ており、ワーキャットのほうは動きやすさを重視しているのか軽装で、ワーウルフのほうは雅を感じさせる服を着ていた


この二人は種族的には仲が悪いはずなのに、いつも二人でいるところを見る


よく出くわすのは私が食堂から出た時間帯だ


ワーウルフの種族は性格が性格なため、仲間とは行動せずに一人で居る。そして、異種には絶対に近づくことを禁じ、最大限警戒する。一匹狼とはまさにこのことをいうのではないだろうか。そんな一匹狼がたくさんいるわけで、仲間なのに警戒されるとこちら側は寂しい


そしてワーキャットの種族は、よく複数で行動する。といっても2,3人だが……その中に異種が混じっていたりするので壁は存在していないらしい。性格は明るいというか、軽いのが多いから暗いのは見たことがない


そんな二種族のことを私の中でおさらいしてみたわけだが……



「ねぇねぇ~」


「ん?」


「今日のメニューは何かな?」


「犬肉のステーキ」


「なななっ!?」


「冗談だって」


「ふぅ。よかったぁ~」



最初に話しかけたほうがワーウルフ、冗談を言ったのがワーキャットだ


個人的には逆であってほしかった



「お肉♪お肉♪」



嬉しそうに尻尾を揺らしている



「太るよ?」


「体動かしてるから大丈夫だもん♪」


「っと、もう……あっ」



ワーウルフに抱きつかれたワーキャットがこちらに気づいた



「魔王様と妹様、おはようございます」


「おはようございま~す」



続けてワーウルフもあいさつをする


無垢な笑顔が眩しい



「あ、ああ、おはよう」



動揺しつつ返す


なぜかワーキャットなのに律儀なのが不思議なんだ


妹も気づき、頭を上げた



「お? ここ数年話題になっている、いつもいちゃいちゃしてるワンニャーカップルじゃないですか!」


「……え?」



言われてワーキャットが戸惑っている


ワンニャーカップルってなんだ? 初めて聞いたぞ?


っていうかそんなに有名なのに、私の耳に入ってこなかったのが不思議でたまらない



「……お姉様、もしかして知らない?」


「初めて聞いたよ、そんなの」



誰一人として私にそんな話を持ちかけてこなかったしな



「ワーウルフがべったりくっついてるところからきたんだけど……ほんとにべったりしていたとは」


「一方的な愛情表現、というところか?」


「まぁそうなります」


「♪~」



苦笑いしつつもワーキャットが答える


心なしか抱きつかれて嬉しそうに見えるから、これが原因なのかもしれないな



「仲いいな」


「……そうですね」



一瞬、ワーキャットの顔が陰ったように見えた


……気のせいか



「実は、とある事情でこの子は記憶喪失に陥っているんです」


「なぜ話そうと思ったんだ?」



そう聞くと少し驚いた顔をした



「なんででしょう……話してもいいと思ったからです」


「諸事情のほうも話すのか?」


「それは、期をみて話せたらですね」



そうか、それは楽しみだ



「聞くが、記憶喪失になる前はどういう性格をしていたんだ?」


「……のために命を投げ打つような大馬鹿者です」


「…………」



最初のほうが聞こえなかったが、もう一度聞くわけにもいかない


ワーウルフのほうを見やる


抱きついているだけだから今の話を聞いているのか、聞いていないのかよくわからない


聞いただけで思い出すとは限らないが、私としては早く取り戻してほしい



「あ! 思い出した!」


「「「!!」」」



急に妹が大声を上げた


貸切にしている二人のことでも思い出したんだろうか



「お姉様、この二人だよ。貸切っているのは」



やっぱりそうだった



「お二人さ~ん、貸切って何をやっているんでしょうね~?」



意地の悪い笑みを浮かべながら妹がワーキャットに聞く



「まさか……百合百合しいことでもしているんですかね~?」



妹のおかげで、しんみりした空気が一気にどこかに行った



「していないって言えば……嘘になります……///」



ワーキャットが恥ずかしそうに言った



「ほ、ほんとにしていたとは……」



妹が驚きを隠せないでいた



「お聞きしますが……発情期にはどちらが受けですか?」



妹よ、それは普通聞かないだろう……



「……私です///」



ワーキャットが答えた


答えてしまうんだ……



「ビンゴ……ビンゴです!!」



妹が肩を震わせながら言った


何がビンゴなんだか……



「大人しめの受けに純粋無垢な攻め……これほど相性のいいものなんてめったにないよ、お姉さま」


「そんなことを言われてもわからん」



わからないけど、どちらかといえばワーキャットのほうが攻めだと思う


……なんとなくそんな感じがした



「お姉さまは嫌がるけど抵抗しないっていうおかしな受けだけどね」


「そうなんですか、魔王様?」



ワーキャットが聞いてくる



「……ああ」


「そうなの。お姉さまはこう見えて、されるがままがお好きなの」



ずいぶんな言いぐさだな



「私は……個人的には魔王様が攻めだと思っていました」



ワーキャットよ……それは果たして慰めに入るのだろうか……


でも、似たようなことを思っているだけでもいいな



「私も、個人的にはワーキャットのほうが攻めだと思ってた」


「……!!」


「…………」


「……///」


「……///」


「な、なんなんですかこの空気は……はっ! もしかして新しいカップリングの誕生の予感!?」


「「!!」」



もうこれ以上レパートリーを増やされてもこっちが困る


解放された時間がなくなってしまうからな



「ワーキャットは私のものだから、誰にもあげないもん……」



ワーウルフがぼそっと呟いた



「それじゃあ、私たちはもう行きますね」


「ばいば~い♪」



手を振ってくるワーウルフ


見た目不相応な振る舞いをしているため……とっても愛らしいです



「……伝説に会えるとはこれはすごくラッキー」


「伝説?」


「魔術を使うならだれでも知っているはずなんだけど……ワーキャットのほうが、魔力ブースターを発明したの」


「へぇ~」



見かけには寄らないんだなぁ


お母様が作ったと思っていたよ



「しかもすごく高性能で環境にもやさしい」


「エコだな」


「エコだね」


「それじゃあ、魔術修練場にいこっか」



妹に促されて歩き出す


ふと、後ろを振り返りあの二人を見る


なんだか、不思議な感じがした


なんといえばいいのかわからないけれど、これだけは言える



「……繋がっている」


「どうしたの?」


「いや、なんでもない」





~魔王城・魔術修練場~




「到着っと」



魔術修練場にきて思ったこと



「まさか武術修練場の正反対に位置していたとは……」



初めてここにきたときは、何かの研究室だと思って近づかなかったんだ


入り口からもう不穏な空気が駄々漏れだったし、何よりも実験台にされそうで怖かった



『魔王様~この薬の実験台になってください。もちろん受けてくれますよね?』


『嫌だ! 離せ!』


『拒否権なんてありません♪』


『やめろ、やめろぉぉ!!』



「……お姉様、どうかした?」



言ってしまっても構わないか



「ここに初めて来たとき、何かの研究室だと思っていたんだ」


「んなわけないっしょ……」



がっくりと妹が肩を落とした



「妹に連れてこられるまでずっとそうだと思ってた」


「……もしかして薬の実験台にされるとか思ってた?」


「……うん」



妹が入り口に出ていった


そして、再度入ってきた



「……まぁ、この見た目なら仕方ないか」


「だから武術修練場にいたんだ」



妹がどこからともなく記録装置を取り出した


音声で記録するタイプのものだ



「録音……お姉様は怪しげな薬でどうこうされるよりも、ごつい人たちにいいように弄ばれるのが好み……終了」


「いつまで廊下のことを引きずる気だよ……」


「否定しないの? ……録音」


「そりゃ……まぁ、そういうシチュはあったらいいなと思ってるけど///」



何を口走っているんだろう……



「あの人は?」


「今思うとなんで好きになったかよくわからない」


「ふ~ん……終了」



……まさか



「今の……録音した?」


「肉声、いただきました」


「そんなことしてどうするつもりだ?」


「う~ん……どうしよう……それは後で決める」



出来ればそのまま決めないでもらいたい


寝起きのいたずらの種類が増えると体が持たない


一体どんなものに決めるのか想像をしていると、奥に向かって妹が歩き出した



「お姉様、こっちこっち」



手招きをしてきた


そこが貸切っている部屋か



「寝間着のままで来ちゃったね」



言われて気づいた


食堂からそのままこっちまできてしまったから、寄れなかったんだっけ


どうせ一瞬で着れるようにしてあるからいいか



「それが?」


「体に直接刻み込むから服は関係ないんだけど、できればあの衣装で来てほしかったなぁ」


「そうか……」


「ちゃんと白い生地も残るようになってるからね?」


「それは知らなかった」



そういえば妹も一緒になって作っていたんだっけ



「イメージして指を鳴らさないとできないの」


「妨害される可能性は?」


「母様の気分による」


「…………」



これは困った……


白だけ残すってイメージをしたら変態になるじゃないか



「もとの原料がスライムだから、形はいくらでも変えることができるよ」


「なんでそれを教えるの?」


「デザイン変えられるって素敵じゃない? いつでも過激な衣装になれるんだよ?」


「それはいいな」


「でも、その時にうごめく感触に耐えないといけないという」


「それは困るな……」



私の身体は全体的に感度が高いから、デザインはよく考えないといけないな



「っと、ここかな」



妹がある部屋の前に立ち止まった



「超弩級魔術修練場……間違えるはずはないか」


「超弩級って一番上だぞ?」


「一番上だね。お母様と私以外で超弩級を使えるのがあの二人なわけなんだけど」


「どう見てもワーウルフは違うぞ?」


「いや、そうでもないの」


「え?」



妹が扉を開ける


壁一面に描かれた幾何学模様、それと宙に浮いている球状の物体……これが魔力ブースターか


妹が壁に近づいていき、新たに書き加えていった


「あのワーウルフはね、光の扱いがずば抜けて高いの。光で勝てるのが誰もいない、相対する闇をすべて消し去ってしまうって言うくらいね」


「魔力ブースターなしでか?」


「素の力だよ。いろいろと見させてもらったけど、ワーキャットが防護術式をかけなかったら城が崩壊するくらいだったよ」


「あの時の轟音はそれだったか。止めるワーキャットもすごいな」


「ただやみくもに撃ってるわけじゃないみたいだからね。制御してるっていうんだからとんでもないよ」



制御できているのか



「それでワーキャットのほうは、そんなものを相殺せずに止めるほどの使い手だよ。師は一体誰なんだって思ったね」



妹が書き終え、こちらに歩いてくる



「お姉様、はい」



両手を挙げる仕草をしてくる



「?」



服を脱いでほしいのか



「お姉さまにかける術式は、肉体という器に作用する強化術式。服はそれを妨害するからそれで、裸になってほしいの。椅子がそこにあるからそこにかけてね」



いつの間にかあった椅子に指差しそう言う



「ああ……」



寝間着を椅子にかける


この後は……



「そこに立って、背を向けてもいいから」


「わかった」



部屋の中央に妹に背を向けて立つ



「そんなに見られるの嫌?」


「じろじろと見られるのはな」


「朝に十分味わったし、裸体は見慣れてるんだけど?」


「でも、だ」


「なんだか神秘的な感じがするんだけどね」


「それでもだ」


「はいはい……じゃあ、始めるよ」



無言なのに、魔法陣が光り始める


魔術に疎い私でも、それがとても高度な技術だとわかった


しばらく光り続けていると、へそのあたりから紋様が広がっていった



「……うっ!!」


「お姉様!?」



急に苦しくなり始めた


身体が重たくなっていき、何かが抜けていくような感覚に陥る



「詠唱が止められない……お姉様!!」



叫ぶ妹をよそに、視界が真っ暗に染まっていった





~???~




「……ここは」


(お目覚めかしら?)



もう一人の私がそこにいる。ということは、私の意識の中か


あの衣装を着ているが、前のデザインとは変わっている


脱いだはずなのに私もそれと同じようなものを着ている



「何の用だ?」


(察しが悪いわね)



不機嫌そうな顔をされた


おかしいな、意味もなく呼び出されたとしか思い浮かばない



(このタイミングで呼び出したんだから意味があるのは当たり前でしょう?)


「……それで?」


(だから、私からも何かできないかな~と思っていろいろと模索してみたわけ)


「それで?」


(考えた結果、妹が術式を発動させたときに暴走させたのよ)


「なんてことを……」



失敗じゃないか……



(知らないようだから言わせてもらうけど、あのまま術式を発動させていたら、あなたは補助の負荷に身体が耐え切れずに消し飛んでいたのよ?)


「!?」


(だから、あえて暴走させて私用にしたの)



そんなことが……



「じゃあ、あの体が重くなっていったのは?」


(暴走する前の効いてきたときね)


「抜けていくような感覚は?」


(暴走させたときに、ついでにあなたについていた枷を取り除いたの)



なんて規格外な奴なんだ……本当にこれがもう一人の私なのか?


信じられない



(わかってくれたかしら?)


「私自身の言うことを嘘なんて言えるわけないだろう……」


(なら話が早いわ)



キィィン!!



「……!!」



もう一人の私が半透明な剣をこちらに向けてきた



「……何を」


(これはあなたのためよ……この刃、信じて受け止めてくれるかしら?)


「……それで本当に強くなれるのなら」


(ありがとう……もう一人の私)



剣を持った手を後ろに引き……


そして一気に私に突き立てた



「っ……」



不思議と痛みはなく、むしろ心地いい感じがした



(あなたの魂に作用しているの)


「魂に?」


(そうよ。今、あなたの魂にある力を注ぎこんでいるの)


「力?」


(そう、スタイルシフトと呼ばれるもの。あなたなら四つ使いこなせそうね)



四つもあるのか


とても覚えきれなさそうだ



(そういえば、特殊な武具を使っていたかしら? 剣になったり杖になったりするという)


「ああ、使っている」


(あれとこのスタイルシフトが相性抜群だから合わせておいたわ)


「どうも」



そういえば、私は刺されているのに何をこんなのんきなことを話しているんだろう


……力を注ぎこまれているんだった



(終わったわよ)



剣が私の中に入っていき、そして消えた



「何が変わったんだ?」



身体が前よりも軽くなったこと以外わからない



(とりあえず、武具を出してみて)


「わかった」



武具は服と同様、いつでも瞬時に取り出すことができる


……でも、まさかこんなところにまで呼び出せるとは思ってもなかったけど


最初の形態は大剣だ


これが……?



(……私が代わりに今の状態を再現するね)



そう言うと双剣に切り替えた。すると衣装の見た目が軽装に変わった


ロッドに切り替えるとさらに魔術師が着ていそうなものへと変わり、篭手にすると鎧のような見た目になった


……つまりどういうことだ?



(……大剣とかハンマーを持った時は莫大な破壊力を生み出せるようになり、双剣や短剣を持った時は

素早く動けて瞬発力で翻弄できる。ロッドや杖を持っているときは魔術の制御が容易になって、盾にするとありとあらゆる攻撃から身を守ることができる)


「装具は?」


(4つの利点が全部入ってる。けどとても疲れるからおすすめしないわ)



そうなのか……


ちょっかいを出してきた奴らを思いっきり殴るのに便利だと思ったんだが



(まぁ、今の時代にそんな規格外な力を身に着けても魅せるだけになってしまったわけなんですけど)


「戦争で互いを傷つけることが出来なくなったから、か」



私が魔王に任命される前、元魔王が戦争をする前に勝手にやめてしまったために、人間側の不戦勝になってしまった。


支配権が向こうに移ってしまった後、勝手に戦争での殺生は駄目だとかいう決まりを立てられ、それにまだ権力が残っていた元魔王が賛成してしまったからスポーツみたいになってしまったんだ……


しかも、神のご加護みたいなので、狙ってやっても気絶程度で済まされてしまうらしく追撃できないように人形に変えてしまうし……



(でも、いざというときは役に立つと思うわよ?)


「いざっていつだよ……」


(いつか分かる日が来るんじゃないかしら?)


「あぁそう……」



どうせわかっていて言っているんだ


っと、聞き忘れていた



「肉体は今どうなってる?」


(紋様がなんだか可愛いわ)


「…………」



果たして今目の前にいるのは本当にもう一人の私なんだろうか……


いや違う。自分自身なのに他人事で済まされるのはおかしい



(わかったわよ。……すみませんでした)


「用が済んだなら、現実に戻してくれない?」


(はいはい)




もう一人の私に手を向けられると、急激に視界が真っ暗になり、感覚が消えた





~魔王城・魔術修練場~




気が付くと、ひやりと冷たい床に仰向けになって私は横たわっていた



「…………」



身体を起こす


まだ、体がだるい


精神的にも肉体的にも力を注ぎこまれたせいだろうか



「お姉様!!」


「ぐっ……」



床に倒れこんだ


疲れているんだからそっとしておいてほしかったな



「よかった……もしものことがあったら」


「ならなくてよかったな」


「うん……お姉様、大丈夫? なんともない?」



ぺたぺたと体を触ってくる


いちいちくすぐったい



「大丈夫だって。どこも問題ないよ」


「……はぁ」



急に妹が倒れこんできた



「すぅーすぅー」


「まだ、起きて間もないのに」



しょうがないか……魔力を大量に消費したみたいだし


お礼になにかしても一回だけ許してあげよう


えっと……妹の部屋はどこだったかな





路線脱線 回帰不能?


コメディとはなんなのか。考えに考えていると、普通にシナリオに沿って行くだけになっていました


廊下で会った猫と狼は、ぶっちゃけていうとゲスト参加です。

公開したけど消された小説の主人公たちです。はい

消されたショックで狼のほうが記憶喪失になってしまいました(嘘

ハーメルンでまた乗せなおします



魔王様の武器がなん形態も持ってるってなんかいいと思う


結局修行はしたんだろうか……



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