0.真実
???「あなたが見ているのは…決して交わることのない、もうひとつの世界の出来事…これが…真実…」
※修正 容姿のことを追加
~王の居城~
視界が霞む…
「ハーッハッハッ!! どうした! 私を倒すんじゃなかったのか」
「くっ…まだだ…」
重たい剣をなんとか構えなおす
「それで私を倒そうとは……ずいぶん舐められたもの…だっ!」
「うわっ!」
カキンッ!
「剣が…」
剣が折れてしまった…
はずみで尻餅をつく
「ろくに防げぬというのに大した威勢よ…ふん!」
ドンッ!
「がふっ…」
吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる
駄目だ…強すぎる…
…勝てない…
「剣もろくに扱えんくせに正面から堂々と…」
「うぐっ!」
首を掴まれ、宙吊りにされた
…苦しい
「……かはっ…」
「雑魚ばかりが…そうだ、確かお前は女だったな」
「だ…から……どうし…た…うっ…」
首にかかる力がさらに加わった
「そうだな…私直属の奴隷になってもらおうか。ちょうど前の奴が使い物にならなくなって困っていたところだ」
「だ…れが…」
「拒否権などないぞ? 奴隷となったお前を見せつけてお前たちが二度と刃向わせないようにしてやる。断ったら…どうなるかわかるな?」
「やめ…ろ……」
腕を動かそうとする
しかし、体に力が入らない…
「っ………」
「…気を失ったか。まぁいい、次に目を覚ました時、目の前の光景に絶望しているがいい。ハーッハッハッ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~???~
嫌だ…そんなの嫌だ…
負けたくない…
みんなのためにも負けられないのに…!
(無理よ)
誰だ!
(無理。あなたが勝つことはできない)
そんなこと…
(わかっている? ならなぜ?)
みんなが待っているから
(みんな? …おかしなことを言うのね。)
何がおかしい?
(あなたを待ってくれている者たちはもういないの。あなたが城にたどり着く間に捕えられ、刃向ったものは死んでしまった)
いない…死んだ…?
(そうよ。理解してくれた?)
じゃあ、城で戦っていた意味は…
(全部無駄になったわ。あなたは手のひらで踊る人形に過ぎなかったってわけよ)
そんな…私は…私は…
(安心して。誰もあなたのことなんて待っていないの。死のうが奴隷になろうが、あなたの持ち帰った結果しか待っていないのよ。)
待ってない…
(考えてもみて? あなたはいきなり魔王にさせられたのよ? おかしいとは思わなかったかしら?)
その時には嬉しいという気持ちでいっぱいだった…
(魔王が人間界に行ったとき、なぜ帰ってこなかったと思う?)
負けたから…
(なぜ負けてしまったと思う?)
わからない…何が言いたい?
(…なら率直に言ってあげましょう。あなたたちは捨て駒だったのよ)
捨て駒…だった…?
(人間たちにとってあなたたちは、もう恐れるに足りない存在になったの。あなたたちは負けを認めたくなかったから決めては弱くても送った。貴族から出なければ下のほうからでも取り出して。やらなければやられる。そういうものだったの)
利用されていた…
(そうね。それでね7年周期で魔王が決まったいたけど、なぜだかわかる?)
わからない…もう…どうだっていい…
(その間に必ず魔王が討ち死に、子が産まれる。その子を成長させるのに7年かかるの。そして送り出す)
何が言いたい…
(その魔王達は力がついていないときに送り出された…そしてあなたはその中に含まれる)
だからなんなんだ…
(人間側は赤子をひねりつぶすように、あなたたちをいともたやすく倒していったわ。魔界を攻め立てる余興として、ね)
もういい…
(そして倒すのに飽きた人間側が今度は捕えて服従させようと思った。それが…あなた)
もう…聞きたくない…
(そして…あなたはその魔王達なのよ)
っ!
(よく聞きなさい。あなたは神のいたずらによって呪われた輪廻の環にはまってしまったの。そして、そうした者たちを救い出すのが私の役目)
………
(驚いているでしょうね。冷たく当たっていたのにいきなり助けるとか言い出して)
…ああ
(仕方なかったのよ。前の魔王が聞く耳を持ってくれなかったから。それに比べてあなたは弱かったから意識に入り込むことができた)
弱かったって…
そうだ…その環っていうのから抜け出したら私はいったいどうなる?
(天国に行くわ。思う存分楽しめるという意味で)
………
(行ってみたい? 残念ながらあなたはもうそこにいるわ。よかったわね)
もういる?
(そうよ。それにしても大変だったわ。…あら? もうお別れの時間。さようなら。もう会うことはないわ)
待って!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~魔王城~
「待って!」
「うわぉ! びっくりしたぁ…」
…夢? それにしても生々しくてそれでいて現実味を帯びていた…
あんな夢見たから寝間着が汗でぐっしょりだ
…輪廻の環ってなんだったんだろう
「やっと起きてくれましたか…かなりうなされていたみたいでしたが…大丈夫ですか?」
声のするほうに向く
そこには、青い瞳に暗いブルーの髪の女性がいた
前髪は左右で分けられ、両肩に後ろ髪をすべて乗せ、頭に片角を模したヘッドドレスを付けていた
そしてひらひらしている服…
「…ん? あ、あぁ、大丈夫だ、メイド長」
「しかし…寝ている間の魔王様の寝顔はなんとも可愛らしく、そしていやらしい…」
!?!?
私にとって不気味な笑みをかけてきた!
「メイドちょぉぉぉ!!」
ボンッ!!
「ぶほっ!?」
「はぁ…はぁ…」
くそっ…また私に対しておかしな感情を抱くものが現れてしまった。
この前からずっと増えてきている
まったく…同性だぞ?
異性でやれ、そういうの
メイド長…まさかお前が広めているんじゃ…
「………」
…ふと夢の中の魔王について物思いにふけってみる
あいつは捨て駒にされていたみたいだけど、私にはちゃんと信頼できる部下と仲間達がいる
一人で城に乗り込むような馬鹿な真似なんてまずありえない
一対一なら受けて立つが…
「まさか…私じゃないよな? …あれ」
最初はグーから始まるコメディー&ファンタジー
魔王が人間界に乗り込んでいくっていう簡単な物語
ちょっと違うのは魔界に乗り込むんじゃなくて人間界に乗り込むというダークヒーローものになるんですかね
主人公は新人魔王様にゆかいな城の仲間たち。
この先の展開を楽しみに待っていてください。
…と、新人魔王様とかに名前とか欲しいですかね?
ないならないで魔王とか勇者とかメイド長とか側近Aとか兵士Cとか魔法使いとか僧侶とかになりますけど?
感想とかにつけてあげたい名前を書いてくれたらと思います