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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第3章 いきなりな課題

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第43話 僕の飛行機械概念設計

 つまりどんな飛び方をしたいか。

 自分の空を飛ぶイメージはどんな形か。

 そこから始めようと決めるまでで、2時間もかかってしまった。


 そして考えついたのは『もっと軽く、もっと気軽に』というコンセプト。

 修先輩のヘリコプターよりも、香緒里先輩のスクーターよりももっと軽く。

 そう、自転車すら重すぎる。


 本当は靴に仕込みたい位だが、それだと普通に歩くには不便だ。

 操縦できる最小限で最も軽く。

 単に重量だけで無く見かけすら軽く。

 持って歩いても違和感ない位に。


 あれこれ考えて、キックボード型に落ち着く。

 これを浮かせるには、キックボードの重さプラス搭乗者の重さ以上の浮力が必要。

 しかも浮力はある程度上昇力にも回したいから、搭乗者100キロ+キックボード5キロとして、137キロはほしい。


 その辺りから材料を調べていく。

 更にひっくり返らないようにバランス機構を付けて、推進力や旋回等も考えてと……


 紙にラフスケッチを描きながら、パソコンを表計算画面にして必要な性能等をメモしていく。

 ある程度出来たかなというところで、部屋のチャイムが鳴った。

 誰かは想像つく。

 扉ののぞき穴から見たら、やっぱり典明だ。


「今、開ける」


 開けると、のそーっと典明が入ってくる。

 大分疲れているようだ。


「随分頑張ったようだな」


「ああ。でも悪かったな、抜け駆けした感じで」


「何で」


 僕は特にそんな事は思っていなかったのだが。


「実はな、空を飛ぶという事を聞いて、真っ先に思いついた事があったんだ。遠い昔の夢さ。内容は発表まで言えないけれど。その準備の為の機材を設計していたんだ。あの工房が一番使いやすい信頼できる機材が揃っているからさ」


「で、手応えは」


「悪くは無いね」


 典明はそう言って親指を立てる。


「それで、そっちはどうだい」


「やっと形が見え始めたところかな。明日からはCAD作業に入れると思う」


「ならいいな。詩織先輩が寂しがっていたぜ。せっかく講師陣を一通り用意したのにって」


 あの学生会関係魔法工学科集合は詩織ちゃん先輩のおかげか。

 あとで礼をいっておかないとな。

 まあ明日行けばいるだろうけれど。


「しかし高い壁だな、うちの学生会の先輩どもは」


「でも悪いが、本職はあっと言わせる自信はあるぞ」


 お、大きく出たな。


「こっちはまあ、ぼちぼちかな。ただ悪い物にはならないと思う」


 無論まだ概念段階だ。

 設計図を引くのも大変だし、実作は多分もっと大変。

 それでも多分何とかなるような気がする。


「言ったな」


「まあね」


「何ならどっちが高得点か賭けるか、夕食1回分」


「いや、それは止めとく」


 典明はそう言ってにやりと笑う。


「今回の小生の構想は課題の範囲外の可能性があるからな。正直どういう点数になるかは自信が無い。でも空を飛ぶ課題と聞いた時、吾輩はこれが真っ先に思い浮かんだんだ。だからこれを提出しないと嘘になる。まああっと言わせる自信だけはあるからな。期待していろ」


 典明は何を作る気だろう。

 気になるが、でもまあ教えてはくれないだろう。


 僕は僕の作品を作る。

 出来るのはそれだけだ。

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