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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第9章 作って食べてで学園祭

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第184話 スパモン教徒、布教中

 その後、予定通り愛希先輩に起こされて、校庭で実施されているエアスケーター実演会場へ。

 開発者として当たり障り無い挨拶をした後は、僕はお偉いさんと座っているだけ。


 そして愛希先輩が模範演技を披露。

 それぞれ市販版エアスケーターと、超改造版の専用エアスケーターで実演。

 市販版の方でも垂直2回転とか3回転ひねりターンとか高難易度の技を爆発。

 更にいつも使っている超改造版で背面飛行とか、もうやりたい放題。


 スカート短いし空中で両手離して観客に手を振ったりするしで、僕は愛希先輩をひやひやしながら見ている。

 スカートの下に短いスパッツをはいているのは、知っているけれど。

 愛希先輩、やっぱり可愛いし。

 何かファンみたいな集団もいたし。


 終わった後、愛希先輩とぶらぶら見物しながら歩いて、ついでに食べ損ねた昼食を兼ねて『ラーメン』とのれんのある模擬店へ。


「いらっしゃいませ」


 聞き覚えのある声だなと思って見てみると、ソフィー先輩とジェニー先輩だった。

 3時近くという時間のせいか、客は他に2人だけで、カウンターが空いている。

 なので愛希先輩とカウンター席に陣取った。


「今日は札幌味噌ラーメンの日なのれすよ」


 メニューは札幌味噌ラーメン、量とトッピング違いだけとシンプルだ。

 僕は札幌味噌バターコーンラーメン普通。

 愛希先輩は札幌味噌ラーメン大チャーシュー追加を注文する。


「この店は、学内のスパモン教徒が日々の研究成果を発表する場所なのれす。今日は私とソフィーによる札幌ラーメンの研究成果の披露なのれす」


「スープの他に麺も、夏にたくさん食べて買って研究したんですよ。成分も研究して自分で製麺機で作って。このために小野式という製麺機を買ったんです」


 先輩2人がそれぞれ説明。

 なかなかに拘っているようだ。


「さて、お待ちどうなのれす」


 ジェニー先輩が丼を2個、僕達の前に置く。

 アツアツのスープとちょっと太めの縮れ麺。


 口へ運んで、麺とスープの味を確認。

 うん、美味しい。無茶苦茶美味しい。普通のラーメン店よりよっぽど美味しい。


 前に保養所で同じメニューを食べたけれど、あの時より美味しくなっているような。

 特に麺が大分良くなっている。

 流石麺類の使徒。


「感想はいいので、伸びる前に食べて下さいね」


 そうソフィー先輩に言われなくても美味しいので、一気に食べてしまう。

 熱いので顔に汗が浮かぶけれど。

 健康に悪いと思いつつ、スープまで全部飲み干して。


「無茶苦茶美味しかったです。下手な本場の店よりよっぽど美味しいです」


 横で愛希先輩もうんうん頷いている。


「明日は東池袋某店風つけ麺、明後日は偽二郎の予定れす」


 なるほど、色々な研究成果がある訳か。

 ふとある事に気づいた。

 学生会の予定表欄、ソフィー先輩のところに『布教活動』とあったのはこの事だったのかと。


 確かに今のラーメン、コストは高そうだった。

 1杯500円では、儲けはほとんど出ないだろう。

 でも布教活動なら納得だ。

 人々を麺類好きにする布教活動。


 うん、これなら宗教に厳しい特区でも文句は言われない。

 まあスパモン教自体が、他の宗教への異議として始まったようなものだけれども。


「ごちそうさまでした」


「良ければまたおねがいします」


 機嫌良く店を出る。

 だがそこでスマホに悪魔の通知が。

 揚げ物の屋台から、応援要請だ。


「ごめん愛希先輩、何かうちの屋台の方にあったみたいだ」


「じゃあしょうがないな。なら後でまた学生会室で」


 仕方ないから愛希先輩と別れて、屋台へと急ぐ。

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