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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第8章 魔女と魔法と新学期

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第153話 魔法を試行錯誤中

 帰った後、寮の自室で持ち魔法を試してみる。


 今のところ僕が出来るのは

  ○ 物質に熱を与える

  ○ 物質の熱を奪う

  ○ 電気を流す

  ○ 分子構造を変える

  ○ ものを動かす

程度。


 勿論この範囲でも自由に出来る訳では無い。

 例えば鉛筆の芯をダイヤモンドにするのは、魔力的に無理だった。

 米のデンプンをアルファ化するのは簡単なのだけれど。


 つまりのところ、この魔法が一番活躍するのは料理だ。

 米がほぼ瞬時に炊けるし、揚げ物も思い通りのあげ加減で作れる。

 熱を加えるのも冷ますのも、杖を使えば自由自在。

 そんな訳で、今日の夕食のメニューは南蛮漬けだったりするけれど。


 ただそれでは実用的すぎて夢が無い。

 魔法と言うからには、もう少し夢とかロマンが欲しかったりするのだ。

 さもなくば授業にも役に立つような工作魔法とか。


 検定魔法もどきも一応は使える。

 でもエネルギー効率が悪いのか、魔力を食うしわかるのも三面図位程度。

 他には材質程度まではわかるが、動作確認とか損傷判定までは出来ない。


 うーむ、やっぱり僕のは料理魔法だ。

 そんな事を思っていると部屋のインタホンが鳴った。

 この魔力の感じは典明だな。

 面倒なので魔法で鍵を開ける。


「どうぞ」


 典明が入ってきた。


「どうしたんだ」


「今日のカフェテリアのメニュー、いまいちだった」


 飯よこせという事だ。

 ちなみに週に2回位、こういう内容の訪問がある。


「いいよ。おかずは冷蔵庫に入っている南蛮漬けでいいか」


「恩に着る。吾輩学食ランチの怪しいランチョンミート炒めが苦手でな」


 この特区はフェリー運航中止の際に備え、あれこれ食料を備蓄している。

 そのため期限切れ寸前の備蓄食料が、カフェのメニューに出る事もある。

 今日はその日だったらしい。


「米は何合」


「1合でいい。一応食べているし」


 キッチンの下から米を1カップ出して丼に入れ、軽くとぐ。

 後は適当に水を入れて、モノセロスで変成魔法をかけてやるだけ。

 土鍋炊きほどの味は出ないが、炊飯器で急速炊飯する程度には炊ける。

 典明が勝手知ったるという感じで、冷蔵庫から南蛮漬け入りのタッパーときんぴらゴボウ入りタッパーを出した。


「おお愛しのお袋の味よ」


「というか僕の手抜き料理だけどさ、魔法使用の」


「いや、魔法で料理というのは普通出来ないだろう。それだけの知識が無ければ」


 そう言いつつ典明は、僕から御飯の丼を受け取る。


「大ありがたや銀シャリの恵み。拙者この恩は必ず」


「いつもの米袋で頼む」


 典明との取り決めで、飯5食たかる毎に米五キロ袋1袋を典明が買ってくる事になっている。

 別にただでも構わないのだが、典明はその辺几帳面だ。

 米も安い奴でいいのだが、ちょっといいのを買ってきたりする。


 まあ米袋の3分の1は、典明が消費しているのだけれども。

 典明は1回あたり1合以上は食べるから。


「そう言えば何をしていたんだ、今。妙な魔力の揺らぎを感じたのだが」


「いやさ、もう少し面白い魔法を使えるようにならないかと思って」


「そうか、小生そなたの魔法は充分面白いと思うぞよ」


「せめて料理以外にも、検定魔法とか工作魔法とか使えるようになれば楽しいかなと思って」

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