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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第6章 魔女と旅行 ~恋人は魔女?~

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第133話 札幌ダブルデート(トド同伴)

「でもそろそろ行くぞ、時間が惜しい」


「どこ行くんだ?」


 典明の今回の予定を、まだ僕は全く聞いていない。


「本来だったら歩いて旧北海道庁の建物を見て、同じく歩いて札幌時計台をお約束として見て、大通公園に足を伸ばしテレビ塔へ。それから何か美味いものを食べる予定だった」


 ベタベタな札幌徒歩観光ルート、僕が考えた当初案と全く同じだ。


「もし気分がお約束な状態で無ければ、北海道開拓の村なんて行ってみてもいいかと思っていた。でも吾輩にはあの広大な開拓の村を歩く気力は既に無い。正直なところ徒歩観光するには我々は食べ過ぎている」


「同意!」


 愛希先輩がそんな事を言っている。


「そこで腹ごなしに郊外までバスで移動し、名物の工場見学に行こうと思う。なお現地にはなかなか評判のいいスイーツの店もあるらしい」


「乗った!」


 完全に典明と愛希先輩で話が進んでいる。

 このパターンは初めてだ。

 僕と美雨先輩は顔を見合わせる。


「こういう場合は、どういう表情をするべきでしょうか?」


「単に愛希先輩と典明は喰意地で繋がっているだけなので、無視して結構です。何なら苦笑する位がちょうどいいかなと」


「なるほど、そうなんですね」


 そういう訳で僕達4人は、まず札幌駅のバスターミナルを目指す。

 いや、目指そうとした。

 そしてホテルのフロント付近で早くも挫折した。

 トド、歩くのが苦しいらしい。


「予定変更、タクシーだ」


「御意!」


 完全に典明と愛希先輩ペースだ。

 そしてホテルの目の前の道は、悲しいかなタクシーがうじゃうじゃいた。

 あっさりタクシーをゲットだ。


「このタクシー、今、道の反対方向を向いていますけれど、いいですか」


 乗ろうとしたところで、運転手さんにそんな事を聞かれる。

 でもトドには、道の反対側でタクシーを捕まえる気力と体力は無い。

 だからこれでOKだ。


 タクシーで気持ちよく走って約20分。

 気恥ずかしい名称の、工場兼お菓子展示場系テーマパークに無事到着。

 まあこの名前は、北海道を代表するお土産にしてこのメーカーの代表製品の名称なのだけれども。


 20分の乗車時間で、トドも少し復活。

 西洋の城を模した、ちょっと恥ずかしい外見の工場兼テーマパークに入る。


「よし、今ならパフェ1つ位なら入るな」


 愛希先輩に反省の色は見えない。


「まあ待て。実は特別なカフェが工場見学の途中にある。だからまずは工場見学だ」


「わかった!」


 トド同士の意思疎通は早い。


「あれはきっと、自分に言い聞かせているんですよね」


「僕もそう思います」


 美雨先輩と僕の意見が一致した。

 そんな感じで銘菓工場の工場見学を始める。


 工場見学そのものは楽しい。

 所々気恥ずかしい名称のモニュメント等があるけれど。


 今日は夏休み中の平日だから子供連れが多い。

 でも休日は名称の通り男女2人ペアが多いのだろうか。

 そんな事を思いながらチョコレート工場を見学。


 子供連れが群れている体験コーナーは飛ばす。

 あと自社製品の優位性についての説明は話半分で見る。

 それでもチョコレートをコーティングするところや包装の過程とかは面白い。


 そして工場の最上階、お待ちかねのラウンジに到着。

 アンティークというかデコデコな感じの喫茶室で、テーブル上のメニューを真剣に眺める愛希先輩。


「このオリジナルティーセットにしようかな、でもパフェも捨てがたい」


 オリジナリティーセットは、ドリンク2杯にオリジナルソフトクリーム、バームクーヘン、生ケーキ、他小物色々付いてくるセットだ。

 ドリンク2杯ついてくるところから見て、2人でシェアして食べる事前提だろう。

 愛希先輩は1人で食べる気満々だけれど。

 指摘しても仕方ないから、僕は妥協案を提示する。


「ならそのティーセットを2人で頼む事にして、パフェ1個追加していい」


「それなら、ジャンボイチゴパフェ」


 来ると思った。

 なお典明側も同じように、ティーセットとパフェにする模様。


「どうせならこっちはジャンボチョコパフェ頼んで、4人でパフェ2種類をシェアしませんか」


「いいね。乗った!」


 そんな感じで、懲りないお茶会が始まる。

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