プロローグ
――俺はこの世界を、どう解釈すればいいのだろう。
鬱蒼とした森の中で、魔女のような格好をした女の子と見つめ合っている。
……と言っても、恋の予感とか、そういう類じゃない。
そんな雰囲気になる余裕なんて、周囲の地獄絵図が全力で打ち消している。
彼女とは今日が初対面だ。
名前も素性も、好き嫌いも――なにも知らない。
唯一わかるのは、その顔。
当たり前だ、見ればわかる。
可愛い。
「…………」
「…………」
「■■■■■ーーーァァァアアア!!!」
静かに見つめ合う俺たちとは対照的に、周囲はひどく騒がしかった。
侵攻? 戦争? よく分からないが、とにかく物騒だ。
試しに首を右に回してみると――世界が盛大に終わりかけていた。
森を薙ぎ倒して突進してくる、見たこともない魔物たち。
空には翼を広げた化け物たちがびっしりと群がっている。まるで終末の空模様だ。
……そんな中で俺たちが、なぜか無事に見つめ合っていられる理由。
化け物たちは、一歩たりとも、ある“境界”を越えられないのだ。
境界を越えた瞬間、彼らは燃え、凍り、爆発し、捻じれる。
一様に、理解不能な死を迎える。
見えない“何か”と戦っているように見える魔物たち。
燃えカスが地に落ち、骸となった化け物が空から降ってくる。
要するに、周囲のうるささはすべて、化け物たちの断末魔ってわけだ。
……まあ、こんな混沌の中で見つめ合っていても仕方ない。
とりあえず、話を数分前に巻き戻そう。
俺が“煽りカス天使”と初対面した、その瞬間まで。
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