表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

夢の続き - side聖女と闇の王 -

(誰だろう。誰かが泣いている声がする‥‥。)


何故か私はその場所に見覚えがあった。


辺りは激しい戦いを思わせる様に荒廃していたが、空には唯一の救いの様に、大輪の白薔薇が咲いていたのだ。

そこから降り注ぐ光の粒によって魔物達は次々と浄化されている。


(これ、昔お祖父様に読んでもらった絵本の1ページに凄くにているわ。

だとするとあの白く光り輝く女性は、聖女様‥‥?そして、あそこで魔物と戦っている青年達は騎士で‥。聖女様と対立しているあの男性はまさか闇の王?)


攻撃魔法が使えるようになった青年達は授かった魔法の力を使い闇の王に一斉に攻撃を放った。

そうして、闇の王は低い呻き声を上げながら膝をつく。

お互いが精魂尽き果てようとしていた次の瞬間、何故か私によく似た、聖女様は、闇の王の前に降り立つと、大粒の涙を流しながら力なく膝をつく彼をぎゅっと抱きしめた。

抵抗する様子のない闇の王は何も言わず、ただ静かに涙を流していた。


黒い髪に、聖女様と同じ赤い瞳の闇の王は、既に全身にヒビが入っており、パキパキと音を立てて壊れゆく人間離れした無機質な美しさが、まるでつめたい人形の様で、恐ろしかった。


「ごめんなさい。貴方を救えなくて、もし生まれ変わって貴方に会えたら、今度こそ助けてみせる。だから、忘れないで…。」


「ーーーー‥‥‥。」


闇の王にはもう聞こえていないかもしれない。

それでも、聖女は優しく彼に話しかける。


聖女が抱きしめていた闇の王の体がついに全て消えてしまった。

最後に残った魂は白く輝き、風に身をまかせる様に彼方まで飛んでいった。


(‥‥とても、とても悲しい夢。

2人の瞳の色が同じせいだろうか、対極なはずの2人なのに、なぜか強い繋がりを感じてしまった。)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ