第一章 ①
ここはロドン帝国。
帝国花に薔薇を掲げており、その名の通り一年を通して国中に色とりどりの美しい薔薇が咲き誇る。
訪れる者たちを魅了してやまない華やかなこの国で暮らす者達は、皆魔法を使うことができ、それは聖女様の御加護によるものだとされている。
遥か昔、この国ができるきっかけとなった戦いで、白薔薇聖女と共に戦った皇帝と8人の騎士の子孫達はその証として代々、薔薇の紋章を継承しており、その力の強さは今も別格のものだった。
そんな8家の者たちは、今も感謝や尊敬の念を込めて人々に讃えられており、この国に住む若者達にとって彼等が率いる騎士団に所属することは最高の誉れである。
〜火の魔法と赤色の髪を受け継ぐ赤薔薇家〜
〜水の魔法と青色の髪を受け継ぐ青薔薇家〜
〜風の魔法と緑色の髪を受け継ぐ緑薔薇家〜
〜地の魔法と黄色の髪を受け継ぐ黄薔薇家〜
〜武力の魔法と橙色の髪を受け継ぐ橙薔薇家〜
〜養成の魔法と灰色の髪を受け継ぐ灰薔薇家〜
〜研鑽の魔法と桃色の髪を受け継ぐ桃薔薇家〜
〜催眠の魔法と紫色の髪を受け継ぐ紫薔薇家〜
そんな8家の中でもとくに特別な3家つの名家がある。
初代王弟の子孫であり、
火魔法を極め、陸上の魔物と勇ましく戦う国内屈指の魔力の強さを誇る精鋭部隊の赤薔薇騎士団。
その団長を代々務める赤薔薇家。
そしてその初代王弟の親友であり、
水魔法を極め、海の魔物と華麗に戦う青薔薇騎士団。
その団長を代々務める青薔薇家。
同じく初代王弟の親友であり、
風魔法を極め、飛行を得意とする魔物と果敢に戦う緑薔薇騎士団。
その団長を代々務める緑薔薇家。
騎士団を指揮する3家に続き、
地の魔法の黄薔薇家
武力魔法の橙薔薇家
養成の魔法の灰薔薇家
研鑽の魔法の桃薔薇家
催眠の魔法の紫薔薇家
それぞれ極めた魔法を駆使し、国を守る為日々切磋琢磨している。