第7話 ロリコン
第7話 ロリコン
藤野とこの前友達になった同じクラスの奴、俺で集まっているときに口火を切ったのが奴クソみたいな導入から始まった。
「聞いて聞いて、僕、この前、親と温泉に行ったんだ」
「へー」
「そう…」
「話を終わらせようとしないでよ!」
奴は左藤と言う、身長は160センチくらいで前髪で目がほぼ見えなくて、その上にメガネをかけている謎のの風貌のモゾである。
その左藤が泣きそうな目で言ってきたので、一応、俺は「それで?」と返した。
「で、そこで温泉に入ってたんだよ、そしたら親子連れが入ってきて、なんとその子供が女の子だったんだよ」
「そう…」
「興味を持って!」
左藤はいじられキャラなのである。
「八歳ぐらいの子だったんだけど裸見れちゃって僕、超嬉しかったんだよ!」
「…………」
左藤は日本語を話しているようだけど何を言っているか理解できなかった。
ちょっと理由を聞くのは怖いが、恐る恐る「なんで嬉しいんだ?」と聞いてみた。素直な疑問である。
「女の子だよ、八歳ぐらいだよ、幼女だよ幼女、幼女の裸!、見れたんだよ嬉しいに決まってるでしょ!」
俺が少し佐藤と距離を取っている理由は、そう、奴はロリコンなのである。
出会ってはじめはちゃんと話をしていたが、話す内に、次第に意味不明な言論に振り回されることが多くなったのもあるし、そのエキセントリックな発言でイジられることが多くなりイジられキャラが定着してしまったのでこういう態度をとるようになってしまった、別に佐藤の事は嫌いじゃないが、そんなに好きでもない。
と、左藤が言ったところで藤野が自分の意見を答えた。
「俺はそんな状況になっても、あー女の子が入ってきたなー、としか思わないなー」
「ええ!?なんで?」
「俺は幼女に興味がないからだよー」
俺もだ
「そんな人いるの!?」
「俺らだよ!、って言うかここにいるお前を除くほとんどがそう(・・)だよ!なんでそんなに驚く!?」
こういうひどい会話ができるのが男子クラスのいいところだ。
女子がいたらもうこんな会話した瞬間人権がなくなるから…。
「あれ?、左藤って二次元の女子しか興味ないんじゃなかったのー?」
「18歳の幼女のエロ漫画の話してたよな」
「あれはあれでいいんだよ」
「無邪気の楽園とかスキーターらびっと!!、俺はロリコンじゃない!ってのは?」
「好きだよ!」
食い気味に来た。
「そんなお前が三次元の幼女に興味があるなんて」
「そんなことないよ、それはそれ、これはこれ三次元だってイケるよ」
そんなことあってほしかった…。三次元の幼女に興味を持ち出したら、もう…。
「三次元の幼女の魅力って何なの?」
「三次元の幼女の魅力?、それはね―」
三次元の幼女というパワーワードやめてくれないかな。
「触れられることかな」
「…触ったら捕まるぞ」
「いや、なんていうかな、絵では見れないものがあるっていうかな」
絵では性器は描けないからな…。
「可愛い子が動いて、触れられて、生きている、それを見れる喜びというか―」
なんか哲学的だけど、言ってることはつまり三次元の触れる幼女最高ってことだからな。
「―そこにあるのを実感できる幸せ?ていうか」
何かよくわからんけど幸せなんだな。
「つまり幼女に触りたいのー?」
「触りたいよ!」
「近くにポリスマンがいたらややこしいことになりそうな事を言っているよー…」
「良識のあるロリコンは触りたいけど、触らないんだよ!、遠くから見守るんだよ!、Yesロリータ―」
「ワンタッチ」
「「捕まるぞ!」」
「NOタッチ?」
「それだよ!」
「悪い文化だよ…」
左藤が嘆いた。
「それ当たり前のことだからな、言われなくても普通守るし」
「ええ!?、そうなの!?今その言葉を聞くまで僕そのことに気づけなかったよ!」
もう通報したい。
「触るのはダメだけど、でも見守ることならいいんだよね」
「小学生女子を見つけて、可愛いと思ってもそのあとを追っちゃだめだぞ」
「そうだねー」
「え!?駄目なの!?」
こいつ…。
「それストーカーになっちゃうから、家突き止めちゃダメなんだよ」
「捕まるよー」
「これからは気を付けよう」
「今まででやったことあったのかよ!?」
「うわぁー…」
そんな左藤にも困った点がある。
「佐藤がそんなに三次元の女が好きなら、お前の大好きなフェイト俺がもらっちゃうぞ」
「あ゛あ゛?」
「ごめんなさい」
この佐藤は魔法少女リリカルなのはのフェイト・テスタロッサについてネタにされるととすぐキレる、ナイフみたいな男であることだ。その時に見える目が怖い。
「三次元と二次元の幼女とどっちが好きなの?」
「ううん、悩むね、…五分五分かな」
これまで聞いた中でいちばん最悪な五分五分だな。
「最近注目している二次元幼女は?」
「禁書の打ち止め(ラストオーダー)かな」
「御坂はどう思う?」
「別に何とも思わないな、僕、禁書は全巻持ってるけど超電磁砲の事よくわからないし」
「そんな奴いるのか!?」
「超電磁砲分からないのー!?」
「じゃあ、科学の一方通行も…?」
「知らない」
「お前の興味があるのラストオーダーとかの幼女だけかよ!?」
「いや、そうでもないよ、小萌先生や、アニェーゼ=サンクティスとかのドS女キャラは好きだよ」
「小萌先生…合法ロリか…それは分かるがドSキャラのアニェーゼは?」
「そのキャラに責められて、恫喝されたいというか、拷問されたい」
「ドMじゃないか!」
「理解に苦しむねー」
「そんなに!?」
「じゃあさ、フェイトととあるのロリキャラかドSキャラ、どっちが好き?」
「それはもちろんフェイにゃんだよ!」
「ふぇ、ふぇいにゃん?」
「飛蘭ー?」
藤野、それは違う。
「フェ、フェイにゃんはね…てっ天使なんだよ、僕には天使が見えるんだよ…」
うわぁ…、神様のメモ帳に出てくるエンジェルフィックス中毒者みたいなこと言ってる…。
「お前、本当にヤク使ってないよな!?」
「言論が正気とは思えない時があるんだけどー…」
「左藤、パパの言うことを聞きなさい!の『ひな』最高だね!とか言ってたよな、確かあのキャラ三歳くらいだよな、お前そろそろ危ないぞ」
「危なくないよ!」
「お前、最近見たアニメは何?」
「ええと、さっき言ってたパパ聞きでしょ、ろーきゅーぶ!、天使の3P、苺ましまろ、みつどもえ一期、二期」
「お前…」
「あと織田信奈の野望も観たよ」
「じゃあ、信奈のキャラが好き?」
「五右衛門でしょ、ねね、前田犬千代、そして半兵衛ちゃん!」
「…………」
テンプレすぎてや・ば・い…!
「物語シリーズってみたことある?」
「全部見てるよ」
「好きなキャラは?」
「八九寺、斧乃木ちゃん、忍、ロリ羽川」
「もう、ロリって言っちゃったよ!アウトだよ!」
「ちなみに忍って大きいver?それとも―」
「もちろん小さいほうだよ!」
食い気味に来たよ。
「俺はキスショットの方が好きだけどな」
「俺もー」
「ええっ!?」
「ファイヤーシスターズはどっちが好き?、ちなみに俺は月火」
「俺は火憐かなー」
「何言ってんの中学生はもうババアだよ」
「は…?」
何言ってんだこいつ…。
「やっぱり女の子は11歳までだよ、11(いい)歳、11歳」
「…………」
思わず黙ってしまった、言葉が…上手く…出てこない。
「なんか格言っぽいこと言ってきたよー…」
「うわぁ…これは重症ですね…間違いない…何だこれは…たまげたなぁ…」
つい語録を意図せずに言ってしまった。ドン引きです。
「お前が結婚して女の子が生まれたらやばそう」
「そんなことないよ!」
「そもそも好きになる女性のタイプが幼女だったら結婚できないよな」
「好きになる相手が小学生じゃやばいよー」
「あれなんか僕、すごく罵倒されてない?」
「15年後の昼のニュースで…」
「幼女誘拐の容疑で逮捕された左藤友希容疑者は供述によると『幼女に興味があった』『昔から好きだった』などと意味不明の事を言っており、近く書類送検される模様です。」
藤野のニュースのモノマネうまいな。
「やめてよ!」
「いや、じゃあ例えば学校帰りの小学生女児を見た時どう思う?」
「可愛いなと思うよ」
「可愛いと思う(ただし性的な意味で)、か、じゃあ、見て、それで、どうしたい?」
「できればパンツが見たいよ」
「紳士的だな…」
「児童ポルノ法違反の容疑で―」
「それはもういいよ!」
「俺は小学生見てもこのガキ邪魔だな早く帰れよっと思う」
「それはそれで問題だと思うよー」
「なんで?」
「別に子供が好きでも嫌いでもなくどうでもいいからだ」
「そんな人いるの!?」
「俺だよ…」
「お前は男子小学生はどう思う?」
「別に、なにも思わないよ」
「JS(女子小学生)は―」
「可愛いよ!」
「あ…」
もう、なんも言えねえ。このロリコン問答。
「例えばさ、家の近くが幼稚園か小学校で窓から望遠鏡を使えば小学生女児が見えるとする、お前は見―」
「もちろん見るよ!」
「普通の人は見ないんだよ…」
「ええっ!?」
「何で何回も驚くんだよ!、マスオさんか!」
「ごめん、ちょっと何言ってるかよく分からないよ」
「なんか俺がすべったみたいな返しすんなよ!」
こいつ…、意外と腕あるな…。
と、思ったらチャイムが鳴り休み時間が終わった。
休み時間10分もロリコン問答してしまったのか…。
左藤が席に戻るときにちょっと話を切り出した。
「あ、長谷川君、藤野君、帰りにアニメイト行きたいから一緒に行こうよ」
「ああ、いいよ、ちなみにアニメイトで何を買うんだ?」
「『りゅうおうのおしごと!』だよ」
「……お前、将棋に興味ないだろ」
「え!?なんで分かるの!?」
「貴様…」
と、言ったところで先生がやってきたので席に戻った。
授業が終わり、放課後
帰り道、俺と藤野とは左藤と一緒にアニメイトに行くために自転車を押しながら道を歩いていた。
「フェイトフェイト言うけどさ、お前は『なのは』とか『はやて』はどう思ってんの?」
「んん~、『なのは』はまあ元気でよろしいと思っているけど、ああいうキャラってプリキュア見渡しても同じ系統残っているし特別『なのは』が好きはならないかな」
「はやては病弱、薄幸の美少女からのだけど、僕、関西弁のキャラあんまり好きじゃなくって」
「キャラクター性は?」
「凄くいい子だってことは分かるよ、でも生い立ちだったらフェイにゃんはもっときついよね、その点に関してもやはり僕はフェイにゃんが好きだね」
「Strikersで成長したフェイトはどう思う?」
「あれはあれで興奮するね、ロリしか駄目かな~って思っていたけど思った以上に可愛くて限定解除して萌える、ああ、あのフェイにゃん叱られたい」
「……」
俺、なのは派なんだよな。
そして藤野ははやて派
「フェイトは嫌いじゃないけど『なのは』をけなされるとちょっとイラっとする」
「同じくー」
「ViViDだったら誰が好きなんだ?」
「それはもちろんヴィヴィオだよ!」
食・い・気・味!
「フェイトは?」
「もう大人だからさ…」
「『坊やだからさ』みたいに言うのやめてくれないか?」
「ヴィヴィオの理由は?」
「ロリ、幼女、JSだからさ!」
清々しい程にやばい言葉を放つなこの男は。
向こうから仲良く手をつないでいる幼稚園児男児と女児を見た、ほほえましいものだ。
「チッ、横のあのクソガキ邪魔だな、どけよ…」
「え?」
今、言ったのは俺でも藤野でもない、左藤だ、だから俺はびっくりして『え?』と言ってしまった。
「汚い手であの天使に触るなよ…」
「それを言うならお前の手も十分汚いと思うけどな!」
と、言うよりこいつの手の方が絶対汚いと思う。
こいつロリとフェイトに男がかかわることに関すると途端にめちゃくちゃ態度が悪くなるな、あからさまに、クラス見渡してもトップくらいにヒドイ。
すると前方から女子小学生が四人が固まってしゃべりながら歩いて来るのが見えた。小学校高学年3人とその子たちの誰かの妹みたいな子1人だろうか。
それを見た佐藤は「あっ小学生だ!」
「小学生だねー」
「それがどうした?」
だから、それがどうした。
帰り道、下校中の小学生がいた。ただそれだけだ。なのに『あっ!小学生だ!』
それがどうした。ただ、小学生を見た。それだけのことなのに、『あっ!小学生だ!』なんて普通言うか?
コイツの言い放った言葉が信じられない。
帰りの道を歩いている。小学生を見つけた。『あっ!小学生だ!』
は?、怖い!
「ねえ、あの中で誰が一番かわいいと思う?」
「別にどーでもいい」
「そう言わないで、ほら、見て、強いて言うなら?」
俺は小学校を卒業してから初めて、あの小学生の中で誰が一番かわいいと思うなんて言う質問と答えの強要を始めてされた。一応答えたほうがいいのかな…。
「…強いて言うなら…右端の子かな」
小学生ということでストライクゾーンの範囲外だが、俺が選んだ娘は小学生とは思えない辛うじてランドセルで小学生と分かる大人っぽい雰囲気のある160センチくらいの美人な娘を指した、念押しするが、範囲外だからな。
「あの子か、ん~、あの子も良いけど僕は左端の子かな」
「左端の子…」
あの四人の中で一番小さい…いや小学6年生くらいの三人の中の一番左の子と手を繋いでいる妹らしき、見るに小学2年生ぐらいの子だった。えっ。
ギャハハハハハ!!
「お前、終わってるだろだろ!」
「左藤、もうだめだよー…!」
「え、なんで」
「一番幼いだろあの中で!」
面白すぎる…。こいつ、マジで誰かに操られてこんな面白いこと言ってんじゃないだろうな?正気だとしたらすごすぎる…。俺は今日、佐藤の面白さに気づいたのであった。ちょっと好きになった(深い意味はない)。
「僕は小学生でもちゃんと一人の女性として見ているからさ」
「そんな目で見るな!」
特に好きでもなかったがなんか面白いから左藤の事が少し好きになった。人間的な意味で。
「お前、面白すぎるよー」
左藤が面白すぎる真性のロリコンが確定した瞬間だった。この瞬間に立ち会えたこと誇りに思わない。
ちなみに左藤はアニメイトで目当てのりゅうおうのおしごと!とアイドルマスターシンデレラガールズU149のクリアファイル全メンバー分を買っていた、ヤバい…。
「デレマスU149のキャラに12歳が何人かいるけどいいのか?」
「二次元はいいんだよ」
いいんだ…。