第39話 教育実習
あくる日、朝のホームルーム
「今日から教育実習の先生来るから、お前ら真面目にやれよ」
「そうなんすか?」
「美人な先生だったらちゃんとしますよぉ」
「いつもちゃんとしろ、教育実習生だからってなめてかかんなよ、可哀想になるから」
「人によるよなっ?」
「当たりめえだよなあ?」
「教育実習という名目で学校に来て生徒を食いまくるエロイ女性の先生来ないかなあ」
「来ないよ」
「じゃあ教育実習の先生紹介するから」
そして教育実習の先生が来た。2人きた、男性一人、女性一人だ。
「ええ、教育実習の先生紹介する」
「ケーセー女子大学から来ました七海つゆり、大学3年生です、よろしくお願いしまーす」
「ヘイへーイ!」
パチパチパチパチ
七海先生は巨乳だ、最高だな。
巨乳信仰の信者の俺等からしたらヒャッホイな気分だ。
「産業流通大学の徳永進一です」
「…………」
男はどうでもいい。
一番騒ぎそうなジェイが何だか考えごとしてる。
「あの先生何か見たことあるようなあ…?」
質問コーナーに移った。
徳永先生に質問
「先生って彼女います?」
「俺は彼女を作らない、男としての強度が下がるから」
ギャハハハハハハ!!
「いいっすねー!」
「言い回しが格好良すぎる…」
「硬派だなっ」
七海先生に質問
「はいっ!」
「田口君」
「おっぱいが―」
「やめろぉ!!」
「ましてや一般人!」
危なかった…。
帰りのホームルーム
秋山先生に聞いた。
「先生、この学校って共学になってまだ2年ですよね」
「ああ、そうだ」
「じゃあ何で七海先生は教育実習ここ何ですか、普通母校でやると思うんですけど」
「七海先生のいる大学とうちの高校は提携してるんだ、うちの学校にはそこの大学の指定校推薦とかもあるしな」
「へえ、そうなんすか」
「んん、誰だったかなあ…」
今日は赤羽の家で遊ぶ約束をしていたので、俺、藤野、木戸U、ジェイ、田口君、湊で赤羽の家でスマブラをしていた。
ゲームの途中で今日の教育実習の先生の話になった。
「徳永先生ってどこ大だっけぇ?」
「なんだったっけー?」
午前のこともう忘れてる。
「パソコンで調べてみようぜ、赤羽ちょっとパソコン借りるぜっ」
赤羽の部屋にはパソコンがある。
産業流通大学テニスサークル
三年 徳永進一 童貞を誇りにしている希代のオッパイ星人である。
「サークルはひでえこと書くよな」
「今度、徳永先生におっぱい星人って言ってみようぜっ」
「そんなこと言ったら二度と学校に来なくなるよ」
「実習の先生もう一人いたよぁ」
「あの先生なかなかいいよな、そこそこ可愛いし、スタイルいいし、なんと言ってもおっぱいがでかいっ!」
「おめえ、先生をそんな目で見てたのかよ!、確かにでかかったけどよ」
「お前も見てんじゃねえかっ!」
「なんかあの人、前に見た覚えがあるような気がするんだよね~」
「あの先生パソコンで検索してみようぜ」
「そう、じゃあ調べてみるか」
「え~と『七海つゆり』っと」
先生の名前を調べた。
けど
「出ない」
「あ!、やっと思い出したあ!」
ジェイが何かを思い出したようだ。
「何が?」
「俺、あの先生に似ているAV女優知ってんだけどお、検索してくんない?」
「ああ、わかった、名前は?」
「結城リリア」
カチャカチャ
「そうだ、結城リリアだ、名前やっと思いだしたあ」
出た
「激似じゃん!」
「確かに似てるなぁ」
「他人の空似じゃねいのか?」
「この人、歳いくつだぁ?」
「検索して」
「おう」
FANZAのAV女優名鑑で出た。
「え~と、プロフィールでは21歳」
「七海先生も21歳だよな」
「お!、結城リリアのTwitterがあるぞ」
「見ようぜ」
「あ?、もうお気に入り登録してある…?」
Twitterのヘッダーとアイコンのトップページの写真はまさしく七海先生の写真だった。
今、教育実習中で活動休止してまーす。
「前、TwitterでAV女優の人の見たよな、リリって人のそれじゃない?」
「あの人のアカウントだったってことー?あの時スリーサイズ答えてたけど、その時のツイート見れる?」
「赤羽あの先生の胸何センチか分かる?」
「88センチだろ」
リリのアカウントを開いた、そしてスリーサイズの話のところまでたどり着いた。
「胸のサイズ同じだ!」
「A…V…女優なのー…?」
「ピッタじゃんかぁ、この人、間違いないでしょ」
「何か見たことあると思ったらAVに出てたからあ」
「企画が多いな~、でも単体でもあるんだ」
「単体作品も3本もあるじゃねえか」
「単体つったらすごいじゃんかよぉ、しかも3本!?」
「これからブレイクする可能性もあるな、ちょっとインタビューの映像見ようぜ、声で他人の空似か本人か分かるから、偶然似ているだけかもしれないから声聞こうぜっ」
「インタビューとかか?」
「それだっ!」
「おい、動画出してみろよぉ」
「待ってろ」
「違法サイトにねえぞ!」
「単体で確かまだ2枚くらいしか出してないからなぁ…」
「俺のFANZA会員だからそれで見ようぜっ」
田口君の会員でログインして、件のビデオを見た。
動画を再生してみた。
『アン!アン!』
「喘ぎ声じゃわかんねえよ!」
「ちょっと待てえ、今パンツ下ろすから」
「シコろうとすんな!」
「インタビューのところ出せ」
「待てよ!、見せろよお!」
ジェイを無視してインタビューのところを再生した。
『この作品をご購入いただきありがとうございます―』
七海先生の喋っている声とそっくりだ。 と、言うより同じだ。
「声そっくりじゃねえか!」
「と言うか同じだよ!」
「この人インタビュー受けながら乳揉まれてねえか?」
「そんなわけな―」
映像が遠巻きになる。
後ろに人がいた。
『初体験はいつ?』
『14歳の夏で~んッ!』
「本当だ!」
「14歳の夏!?」
「俺と同じだわぁ」
「黙れ殺すぞ」
つい汚い言葉言ってしまった。
「あのブスの彼女か?」
「翼、てめぇ!、お前だって14歳の夏だろぉ!、あの巨乳だけが売りのブスと」
「裕也ゴラァ!」
「Eカップ、いいカップって言ってうざかったじゃんかよぉ」
「なにそれー?」
「草生えるわ~」
「やめろや!」
「AV女優だったからセクハラの質問してよかったじゃんっ!やっぱりあれっ!」
「プライベートでもないけど、あれは教育実習としての仕事の状態だったから、AV女優としての状態じゃないからセクハラだろ!」
「ええぇ!?」
「俺、いい事思いついたわ」
「どんな?」
次の日
誰もいない学校の廊下で、赤羽は七海先生に話をかけた。
「七海先生」
「はい?」
「先生って結城リリアっすよね?」
ニヤっと悪人面で言う赤羽、木戸U、ジェイ、田口君、俺、藤野
俺ら数人がニヤニヤしながら先生に問う。
「え…何で知ってるの…」
「私に何をする気…?ま、まさか、ナニをする気!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「先生……」
「はっ、はい」
バッ
皆が一斉に鞄から何かを出す。
「「「「「「「サインしてください!」」」」」」
俺たちは頭を下げて色紙とペンを持った両手を先生につきだす。
「え…あっはい、いいですよ…」
色紙を渡した。
あとペンも渡した。
「よっしゃああ!!」
「やったー!」
「イエスッ!」
ガッツポーズをした。
サインをして貰った。
「うおーー!!、ありがとうございまあす!」
「これからもお仕事がんばってください、応援してますからっ」
「あ…うん」
小さな声で七海先生はボソッと「教師になったらAVの仕事辞めるつもりなんだけどな…」と言っていたが俺以外は聞いていなかったようだ。
女子大だから周りにいる人がAV女優だって気づかないんだろうな、だって女子はAV見ないもん、先生が気づいてたとしても、まさかな…としか思わないだろうし。
昨日
~
「いい事って何?赤羽?」
「七海先生がAV女優ってのは確定しただろ」
「あんだけ証拠が揃っちゃあなぁ」
「AV女優のサイン…欲しくねえか?」
ガタッ
皆が一斉に立ち上がって食い気味に言った。
「「「「「「欲しい!」」」」」
~
「サインもらえてよかった~、ちょっと緊張した」
「俺、帰ったらこれ部屋に飾るわ」
「家宝にするわあ」
そんな家宝恥ずかしいだろ。
「あれでしらを切られたらと思ったらどうしようと思ってひやひやしたぜっ」
「俺、はじめ、いいことって言うから七海先生を脅してヤるのかと思ったよ」
ジェイ「ああっ!、その手があっ―」
「俺がそんなことするわけねえだろ、俺はそこまでゲスじゃねえ」
「そんなことするやつ最低だろぉ」
「そのやり方はスマートじゃないぜっ」
「ジェイ、さっき何か言ったか?」
「いや、なんでもなあい…」
一週間後、他のクラスの奴がAV女優だということをネタに先生を脅してヤろうとして結局、AV女優ということがばれて大騒ぎになった。そいつは退学になった。