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男子高校生の青春  作者: 次原明人
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第36話 在卒懇

在卒懇


金曜日の帰りのホームルームで担任の秋山先生は言った。


「えー、月曜日は在卒懇で授業ないから、教科書持ってこなくていいよ」


「もともと教科書なんて持ち歩いてないっす」


「全部ロッカーにあますよお」


「家でも勉強しろよ!」


「で、在卒婚ってなんすか?」


「それは在学生と卒業生交流する懇談会の授業略して在卒懇だ」


「そのままだなー」


ホームルームが終わって英語の視聴覚室で自主勉強を田口君たちとしてたら、隣で勉強していた田口君が口を開いた。


「もしかして俺の同級生来るかもしんないぜっ…」


「仲間に2週目ばれるじゃん」


「無遅刻無欠席だから休めないし、どうしようっ…」


「留年した、言わないでくれって言って口止めすればいいんじゃない?」


「留年したのに1年っておかしくないかっ?」


「2年も3年も出席するから問題ないでしょ」


そして月曜日、在卒懇の朝、登校すると職員室のあたりがざわざわしていた。


「なんだろう?」


近づいてみたら、どうやら生徒が1人先生達に責められながら電話をしているようだ、どういう状況なんだろう?


「何であいつは来ないんだ!?間に合わないぞ!」


「お前なんで起こさなかった!?」


「俺が出る時は部屋で起きてましたよ!、あと俺のせいじゃないです!」


「どうするんだ、今から起きても小牛田からだろと1時間かかるから間に合わないぞ!」


「すいません、ん?、なんで俺が謝ってんだ…、あっ出た!兄ちゃん!?」


「今日、在卒懇!」


「―――、―――、―――」


電話を切った生徒。


「今からご飯食べて出るようです」


「来る頃にはもう終わってるぞ!、どうするんだ!」


「俺は悪くないですよね!?、なんでそんなに責められなきゃいけないんですか!?」


どうやらこの学校の生徒の兄が在卒懇ではなしに来る予定であったが遅刻してくるようで、それを弟が理不尽に責められている、可哀そうに、お前は悪くないのに…。


教室でホームルームをして、体育館に移動となった。


体育館に全校生徒集められ、話をするOB、OGが壇上へ上る階段の近くに座っている。


9時半通常の授業が始まる9時半に在卒懇が始まった。


1人目は鷺山という人らしい。


俺の隣に体育館図割していた田口君が反応した。


「鷺山じゃん、あいつかよっ」


「田口君の友達?」


「そうだっ、奴は天才と呼ばれた鷺山、テストは常に100点近くとっていた男」


「頭いいんだ」


「でもバカだよっ」


「どういう意味?」


「後で説明するぜっ」


先輩の話。


「えー、自分はAO入試で仙台学院大学経済学部に受かりました、これはこの学校始まって以来3人目の快挙とか言われました」


「自慢?」


「仙台学院大くらい一般で受けろよっ」


「野次飛ばすとバレるよ」


「いけねっ」


「自分は3年間で評定通算4.8点でした、内申を高くするのは大切です」


「あいつ英語の授業の時にさぼって女子のプール覗いてて平常点減らされて4にされたからなんだぜっ」


「小論文も大切です、そのために小論文の講座の選択授業も受けていました」


「11回まで休めるからって8回さぼったんだけどなっ、で小論文の授業評定4だった」


「経済学部だと数学もできないと難しいです」


「あいつ数学系の授業今落としそうって言ってたなっ」


「努力は裏切らないということを皆にお伝えしたかったんです、これでお終いです」


「同じ評定で同じ講座受けて同じ大学AOで受けた3人が1次面接でD判定貰ってはじかれたんだけどな、そいつらはちゃんと小論部の講座真面目に受けてたんだけど、努力は人によってはって問題なんだったんだよなっ」


「そのはじかれた人はどうしたの?」


「聞いたこともない大学に一般入試で行ったぜっ」


「やはり失敗談もあるのか…」


「と言う事で先輩に拍手を」


と先生が言ったので拍手したが、田口君は拍手しなかった。


「なんで拍手しないの?」


「別に凄くないし、大した話じゃなかったからだぜっ」


拍手が終わり次の人の出番が来た


調理師専門学校に行った人


「僕の言った調理師専門学校は厳しいところで1年で3割くらいはやめます、本当になりたいのなら覚悟して入ってください」


「そうっ…」


「興味ないのは分かるけど!」


「挨拶が大事です、僕に続いて言ってください」


「いらっしゃいませ!」


「「「いらっしゃいませ!」」」 「エアロスミス~」 「らっしゃあっせ―――いっ!」


「誰だ経堂駅前のコンビニの店員みたいな奴!?」


ん?何か一人ガソリンスタンドの店員みたいなやつがいたような…?


「ありがとうございました!」


「「「ありがとうございました!」」」「アランドロン不在でした~」 「あれっつしたあ――――っ!」


だから誰だよガソリンスタンド店員。


「「「またお越しくださいませ!」」」 「村おこしに来るスタン・ハンセン!」


「誰だ経堂駅前のコンビニの店員やってる奴!」


藤野だった。


ガソリンスタンドの店員は田口君だった。


迷彩服を着た人だ。


サバゲ―から直行した人?。


「私は、高校卒業後、陸上自衛隊に入ったのであります!」


「あいつかっ…」


「父が自衛官だったのもあり、この道に進むことに抵抗感はなかったのであります!」


「いや、あいつFPSの日本のトップランカーだぜっ」


「言ってる事は?」


「銃使ったゲーム好きだからってのもある」


「そんな甘くないような…」


「裏では辞めたい辞めたいって言ってるらしいぜっ」


「そんな意識で入ったらそりゃそうでしょ」


在卒懇が終わり


教室に戻って担任の秋山先生が


「後で好きな奴は先輩に話聞いてきていいぞ」


「特に興味はないけど…」


寝坊した在卒懇が終わってから学校に着いた。遅かった。


「木戸と左藤と山野と草彅と山口、可哀そうだからその先輩に話を聞いてきてくれ」


嫌だとブーブー文句を言ったが可哀想だからって言うことでその5人は話を聞きに行った。


帰りの会が終わって俺と藤野と赤羽が杉浦先輩に話を聞きに行った。


ちなみに田口君は帰った。


鷺山先輩は俺と藤野の志望大学学生だから大学はどういう雰囲気かとかを聞きに行った。


湊が先に来ていて鷺山先輩と少し話していた。


俺と藤野は学校の雰囲気、授業について聞いた。


ぶっちゃけ経済学部に入ったのは間違いだった、文学部にしておけばよかったと言っていた、ぶっちゃけすぎだろ。


大体大学の話を聞き、何か質問ある?と聞かれたので鷺山先輩に訊いてみた。


「田口て同級生でいたと思うんですけど」


「え?ヒロ?、なんで知ってるの?」


「バイトで一緒で」


嘘だが。


「彼は童貞ですか?」


「…………」


タメて、フッと笑い先輩は言った。


「童貞だ」


ギャハハハハ!!


「やっぱりー!」


「俺の知る限りでは童貞だ」


「田口さんは自分をヤリチンだと申しているんすけど?」


「あいつは高校の時、童貞をウリにしたネタをしていたんだぞ」


「童貞をウリにするってなんだよ!」


ギャハハハハハハ!!


鷺山先輩が自衛官のところに行った、どうやら友達らしい。


「俺らが大学受かったら在卒懇で喋らされるのかな?」


「俺、あんなに人がいるところで喋るの嫌だなー」


「俺もちょっと勘弁してほしい」


「お前ら大学受かったら住んでいるところ近い奴がくるんだぞ」


と、近くにいた秋山先生が言った。


「ってことは俺らが呼ばれる可能性あり…?」


「やりたくな―――い」


「まあ、現役で受かったらな」


ナギたちが遅刻した先輩の話を聞き終わり、合流した。


「色々聞けたか?」


「色々聞けましたよ、田口君のこととか」


「俺も田口の事聞けたわ」


と話してたらナギが遅刻した先輩の話のことを話し始めた。


「あの人意識低いです」


「偏差値35の大学で面倒くさいから授業をさぼることが多々あるって言っていたよ」


「安く買ったカードを高く売ることで小遣い稼ぎしてるとか言ってたでゴザル」


「ひどいな」


「俺ぇ、あの先輩に聞いたんだけどォ、田口と知り合いって聞いたら、そうらしくてよぉ、田口人いたと思うんだけど、童貞?って聞いたら間違いなく童貞って言ってたわぁ」


ギャハハハハハハハ!!


複数の証言から田口君が童貞確定を明言されたとは知らなかった田口君であった。

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