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男子高校生の青春  作者: 次原明人
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第34話 連続五時限体育

連続5時限体育


夏。


うちの高校は単位制で、出席しないといけない日数というのが決まっており、それを満たさないと単位を落とす仕組みになっている。


何を思ったのか体育をどっかに一日組み込めばいいのに、二ヶ月半に一回のペースでいつもは学校がない土曜日に一日5時限体育2日連続というふざけた日が存在する。


体育しかやらない、しかも授業と名目でだ、体育好きならいいが、そうでもないやつからしたら面倒くさいし嫌な日である。


休むと体育5回分欠席したことになるからたちが悪い。

          ・・

しかもあくまで体育の授業なので授業中に水分を取ることを禁止している、この30度近い初夏の日にだ。もはや馬鹿だ、殺す気である。


皆は先生が見ていない間に水道のところで水分を補給している、当たり前だ。


猛者になると学校を抜け出して、コンビニまで行ってジュースを買ってくる。


そんな日があることを田口君から聞いていた。


まあ、いつもの体育の授業を5時限やるわけでもないくて、好きなスポーツを選んでそれをやるだけである。


それはサッカー、野球、テニス、バドミントン、卓球


卓球とバドミントンは室内だが室内は蒸して暑い卓球をする卓球場にはクーラーはない、窓を開けてやると風が吹いて涼しい風が入ってくるが打った卓球玉が変な動きをするので授業にならないので窓を閉める、どっちにしても授業にならない、外競技は直射日光で地獄である。バドミントンをする体育館は古いので窓全開にしても熱い。


左藤、山野っち、ナギ、山口君は卓球を選んだ。


木戸Uと湊はサッカー


俺と田口、ジェイ、赤羽、藤野、滝川は野球を選んだ。


野球だが何故か野球グラウンドではなくて隣接しているラグビーグラウンドでするらしい。


ラグビーグラウンドなのに土のグラウンドだ、地面が固まっているところもあってスライディングしたら痛そうだ。


「何で野球のグラウンド使わせてもらえないんだろう?」


俺はそう問うた。


「わからねえ、素人が使って整備すんのが面倒なんじゃねえか?、部員が使うのとあんま変わらねえと思うけどな、トンボかけりゃいいだけなんだし」


赤羽の言うのが正解に近いのかな。


俺らは体育をしていた、そしたら授業中なのに野球グラウンドから男たちの声が聞こえた。


「「「「「そーえい、おーえい、おー」」」」」


「「「なにぃ!」」」


そこにはユニフォームを着た野球部の人がたくさんいた。


「え、今は授業中だけど、何で練習してんの!?」


「野球部は大会期間に入ると一ヶ月間授業ないぞっ、学校公認で」


「「「「ウソぉ!?」」」」


なんで田口はそんなこと知ってんだろう。


「そういえば最近野球部学校にいないなって思ってたんだー、遠征にでも行ってるのかと」


「一か月間毎日朝から練習かよ、きちいな、この高校に野球で推薦誘われなくてよかった、坊主嫌だし」


「赤羽中学の時野球部で1回坊主になったんだっけ?」


「あの時はモテなかった、もう2度とやりたくははねえ」


「今でもモテないじゃーん」


「なんだとゴラァ!」


「男子クラスだからなっ」


「うちの学校に出会いはないしね」


野球はラグビーグラウンドで1試合しかできないから試合がない奴らは日射病予防でジャージ被って試合を見ているかスマホをいじっている。


でも試合を見ている奴等はまばらにしかいない、他の奴等は女子のバドミントンとか体育館に見に行ったり、テニスグラウンドに女子のテニスを見に行ったり、コンビニに行って涼んだり雑誌を立ち読みしたりアイス買ったり、飲み物買いに行って帰ってくる。


水分とるの禁止なのにグラウンドの隅ににペットボトルの空きボトルが沢山散乱している。小学校の授業で作ったペットボトルのロボが作れそうなくらいの量だ。


これを教師が見たらどう思うのだろう。


誰が飲んだ聞いてもほとんどのやつらが買ってきているから『さあ?』としか言いようがない。


俺はトイレに行くフリをして水道の水をがぶ飲みしていた、お金を無駄に使いたくないので。


俺以外のメンバー、藤野、赤羽、田口、ジェイ、滝川はどこに行ったか知らない。


他の野球やるメンバーは残っているけど1組のあの5人だけいない。


試合が近づけば帰ってくるだろう。


俺ら1組の試合の前の試合が終わりに差し掛かっているのに誰も帰ってこない。


さすがにやばいので5人に電話してもうすぐ試合始まるから帰ってくるようにと促した。


授業なのになぜかスマホをみんな持ち込んでいる。


学校側の通達ミスからかスマホ持ち込みは禁止と言われてないからである。


藤野と赤羽と滝川とジェイと田口が同時に戻ってきた。


「みんな一緒に居たの?」


「いや、ちょうど帰ってくるのが重なっただけー」


「藤野はどこにいたの?」


「コンビニの前でWi-Fi拾ってスマホゲームしてたよー」


「ギガ節約素晴らしいな」


「まあねー」


皮肉だよ。


「赤羽はどこ行ってたの?」


「滝川と女子のバドミントン観てた、でもやってるのブスだったから顔を見ないで体だけ見て興奮してたわ」


「ブルンブルンだった!!」


「最低か!」


「ジェイはどこ行ってたの?」


「女子テニス、ちょっとパンチラやブラチラ見えたわあ」


「うらやましい、その手があったか!くそがっ!」


「なんで赤羽そんなに残念がるんだよ」


「田口はどこにいたの?」


「卓球場で卓球してたぜっ」


「選んだの野球だよね!?」


クラスの9人がそろったところで前の試合が終わった。


試合


「おい、どうせだったら賭けでもすっか?、負けたら坊主な」


「坊主嫌で野球やめたのに賭けで坊主にすんの!?」


「1/4坊主ならー」


「なにそれ?」


「耳の上あたりだけ坊主ー」


「それワンブロックだろうが!」


「じゃあ2/4ー」


「それは1/2と同じだろ」


「両サイドの耳の上を坊主ならー」


「それはツーブロな!」


「おい、うちの学校はワンブロ停学か坊主、ツーブロ退学か坊主だぜっ」


「ダメじゃねえか!、言い訳できねえ!」


『お前なんでワンブロなんだ?』『賭けで負けてそうなりました』『そうか』とはならないなあ。


保護者呼ばれるレベルか。


「3P赤羽くんと呼ばれた俺の技術、見せてやんよ」


「最低だ!」


「ちなみにどっち2なんだあ?」


「聞くなよおぞましい!」


結局罰ゲームはなし。


ピッチャー赤羽、ファースト、田口君、セカンド藤野、サードジェイ、ショート俺。


「10000万円の内野陣と呼んでくれっ」


「安いな!」


キャッチャーはちびやんきーの滝川、野球経験者らしい。


赤羽は初回剛速球で3球三振三三振。


「みんなは野球の経験ある?」


「小学校の時遊んだくらいだぜっ」


「俺もそんなカンジい」


「全く経験ないよー」


「俺も体育の授業でやったくらい」


高校のね、小学校、中学行ってないから。


「俺は小学生の時からやってっから」


「へー赤羽だから野球上手いんだー」


「俺も中学の部活野球だった!!」


「滝川普通にうまいよな、中学から野球部だとしても」


「あー、そこら辺の高校の軟式野球部よりうまいと思うよー、しらんけどー」


「知らないなら言うなよ!!」


「打順はどうする?」


俺らは赤羽と詰めた。


「俺4番で、1番に滝川入れて足が速い長谷川が2番、3番に打てそうな田口、運動神経いいからジェイを5番恐怖の9番打者で藤野だな」


「対戦相手はどのクラスだっ?」


「8組だけど」


「スポーツクラスじゃんかっ!」


「でも野球部がいるじゃないでしょ」


「サッカー部とか足速い運動神経いいやつがそろってるじゃんかっ」


やはり相手は8組部活推薦入学組だから運動神経がいい奴が多いから接戦となった。


試合は7回制


そして最終回7回裏


11-12で負けている。


これまで打撃では


田口のランニングホームラン2回 6打点


赤羽の猛打賞越えの5安打 4打点


滝川のスクイズ、犠牲フライで2打点


俺、ヒット1本で1打点


藤野、振り逃げ1回、3三振


ジェイ 4四死球 第1打席でフォアボールで出塁二盗、三盗、ホームスチールで1得点 第2打席でデッドボールを足に受けて盗塁できなくなった。


守備ではピッチャー赤羽は1回は抑えたがその後、肩が痛いということで滝川に代わったら失点を重ね、野球経験者が2人しかいないのでこのままいくしかなかった。


滝川はピッチャーだとコントロール重視、全力で投げると荒れるからフォアボールになってしまうことが分かった、キャッチャーの時と違うので球が速くなく変化球も投げられないから12失点


守備はどんな球でも取れる田口君がそつなくこなし、セカンド藤野は送球に難があると言うか、投げるのが下手だから取ってファーストに投げるだけのセカンドで合っていた、サードジェイは強肩で何度も助けられた、ショートの俺は守備は得意だからノーエラー、だが、


最終回、1点差、1打出れば同点か逆転


だが、打者は3三振の藤野


ツーアウト満塁で赤羽がサインを送った、バスターか?


藤野はうなずいた、サインを理解したようだ。


だが


藤野はセーフティーというほどのバントではなくバレバレのバントをやった、すぐに守備にピッチャーに打球を取られ1塁に送球して藤野は余裕で間に合わなくてアウト。


「なにやってんだよおおおおおおおお!!」


「セーフティースクイズする場面かっ!?」


「いや、送りバントだよー」


「なんで!?」


「赤羽のサインでー」


「赤羽、どういうこと?」


「いけね、アウトカウントと満塁って事、間違えてた」


「馬鹿野郎うううううううううううううう!」


3アウトで勘違いの采配で負けた俺らであった。もう次、野球の時は赤羽の指示聞かないと決めた俺らだった。

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