第33話 ビデオ
今日は赤羽の家に俺こと長谷川と藤野がお邪魔していた。
赤羽が攻略サイト見ても攻略法が分からないRPGゲームがあるということで、超ゲーマーの藤野と同じゲームを所有している俺がお助けということで赤羽宅にお呼ばれしたというわけだ。
赤羽の部屋に入ると赤羽をちっちゃくしたような少年がすでに部屋にいて、この子は誰だと聞いてみると案の定弟だという。似すぎか!名前は優希と言うらしい。
この優希と赤羽が協力してもゲームのある部分がクリアできないというので、そのゲームを二人でやってもらっていたら、やっぱりクリアできなかった。
「これ…難易度何にしてる?」
「一番難しい」
「それだよ!、相手超強くなってんじゃん!、俺、普通モードでクリアしたよこれ!?」
「一週目でクリア最強モードクリアするとカッコいいじゃねえか?」
「諦めようよ!、なあ、藤野」
藤野が負けたゲームがを見ながらぶつぶつ言っている。
「藤野?」
「ん?なにー?」
「これ無理だよな」
「いや、イケると思うよー」
「マジで!?」
「俺もこれ最強モードでクリアしたし、ちょっと戦法を変えれば勝てると思うよー」
「マジか藤野!?」
赤羽のテンションが上がる
「教えてくれや藤野、どうすればいいんだ?」
「教えてください!」
赤羽弟は礼儀正しいな、敬語を使うなんて、この兄も見習ってほしい。
「これは―」
藤野が言うにはこうだ。
赤羽たちは普通の戦法で強い敵に真っ向に挑むから負ける。レベル上げて真っ向から挑むにはあと15レベルくらい上げないと勝てない、それは面倒くさい、ので二人の利点を生かしたヒットエンドアウェイ戦法で戦ったら多分勝てるということだ。
これだと一回でもライフゼロになったら負けだと藤野は言う、スキが生まれてリズムが崩れるし時間がもったいない、アイテムは後衛が軽い回復アイテムを使うぐらいなら大丈夫だけでライフゼロはダメだということだ、一応このゲームをやっている俺と熟練者の藤野で協力してで手本を見せることになった。
藤野と俺が手本のプレイ行った、途中までいいペースで相手を追い詰めたが俺の不注意でキャラがライフゼロになりライフを回復したり藤野が奮闘したが寸でのところで全滅しまったが、だが、今のカンジをライフゼロにならずに続ければ勝てるということを証明した。
これを赤羽兄弟にやらせた。
二回ほど全滅→ロードでセーブポイントでボス直前までを繰り返し、3度目で辛くも勝利した。
「しゃああああああああああああああ!!」
「やったああああああああああああああ!!、兄ちゃん!」
「やったな!」
「よかったよー!」
勝利、歓喜、抱擁、感謝、圧倒的感謝!
さすが藤野、的確な指示、戦法しかも藤野がキャラ一人になったとき奮闘して追い詰めて負けたけど、あれ本当は勝てたはず、最後俺にはわかる、クリアするのはあくまで赤羽達で自分じゃないから普通の奴にはわからないように手を抜いて負けを演出し、赤羽達に勝利に託した、さすがゲームのことに関しては気が回る、ゲームのことに関しては。
「とりあえずクリアしたからもう満足だわ、…何すっか?」
「他のゲームはー?」
「大体全クリしてっからな、対戦ゲームも木戸Uに貸してるしないな、どうすっか?」
「今から勝負しようぜ」
「なんの勝負?」
「ホモビデオを見て三十分以内に勃ったヤツが負け勃たなかったら勝ち」
「お前、バカだろ!」
「負けたら何かあんのー?」
「罰ゲームしようぜ」
「どういう罰ゲーム?」
「負けたやつがエロ本買ってくる」
「俺、歳まだじゅ―」
「よーしやっぞ!」
「話聞けよ!」
「いいよー」
「ホモビデオって何?」
この子には見せない方がいいんじゃないか?
この勝負、俺には勝機がある、楽勝だな。
「イチモツに輪ゴムを三重に巻いて膨張したら痛くなるシステムな」
「よくそんなバカな発想思いつくな!?」
「三重じゃ余るよ兄ちゃん!」
ギャハハハハハ!!
皆様は決してマネしないように。
「小学生のモノだからな、そりゃあ小さいか」
「デカかったらエロ漫画だろ」
「タカスギコウの漫画でそんなのあったな、熟れ〇〇〇〇〇〇〇だったけな」
「知らない」
「俺、単行本あるけど読むか?」
「結構」
「ねぇ、ホモビデオって何?」
「まあ見ればわかる」
「じゃあ始めるぞ」っと赤羽は自分のパソコンを開いてホモビデオを再生した。
「……………………」」
『ちゅ、ちゅ』
沈黙が続く。
「……………………」
友達の弟が沈黙を破った。
「ねぇ、なんで男の人同士でキスするの?」
「それは…アレだからだ」
どういう答えだよ赤羽。
「アレって何?」
「まあそのうち分かる日が来る」
そのうち、ね…。
「……………………」
「ねえ、なんでチンチンにズームアップするの?気持ち悪いんだけど」
「それが好きな奴もいるんだよ」
「ねえ、なんで男の人同士が風呂でもないのに部屋で裸になるの?」
「そういうものだからだ」
「そういうものってどういうこと?」
「まあそのうち分かるさ」
『そんなに見たけりゃ見せてやるよお、ほら、ほらあ!』
「え!?チンチンってこんなんになるの!?」
「赤羽優希、性の目覚めー」
「やめろや!」
「……………………」
『しゃぶれゴラァ』
「ねえ、なんで男の人が男の人のチンチンを咥えてるの?」
「違うな、咥えて差し上げてるんだよ」
「それはどうでもいいだろ」
「これチンチンどこに入れてるの?」
「ケツの穴だ」
「なんで男の人が男の人のお尻の穴にチンチンを入れるの?」
「そこに穴があるからだ」
「痛くないの?」
「痛いだろうな」
『気持ちいい…気持ちいい』
「気持ちいいの?」
「演技だよ」
『嬉しい…嬉しい…』
「これ嬉しいの?」
「嬉しいんじゃないか?知らねえけど」
「……………………」
『あ、あ、あ、アッ―――――!!!』
「……………………」
『ファッ!?』
「あー、ノンケになっちゃうー!!」
「逆だろ!」
ノンケだろうが…
小学生を含む高校生数人が熱心にホモ動画を見る画はどうかと思う。
インタビュー
『最後が気持ちよかった』
優希並みの感想だな
「僕の友達プールから出た後同じこと言ってた」
「小学生だからな…」
三十分経過…誰も勃たなかった。
全員勝ち。
「充実した時間だったな」
盛大な皮肉を言った赤羽。
「そんなわけないだろ!」
「弟に変な映像見せただけだろ、しかも無修正!」
「これは忘れろ」
「うん…」
「結局誰も負けなかったな無駄な時間だった」
「始まる前から分かっていたよ!」
「…じゃあ次は三十分以内に普通のAV見て勃った奴が負けな!」
「今度は厳しい勝負だなー」
「今回は誰かが絶対に負けるよ」
「じゃあ始めるぞ」
動画を再生した。
「おい、なんで熟女なんだよ!」
「若い子にしよーよ」
「俺はこれがいいだよ」
「こう、さ、『安齋らら』とか『RION』とかさ『宇都宮しをん』がいいなー」
「それ、同一人物だろうが!、三浦恵理子の何がいけねえんだよ!」
「誰だよ!」
「こんなんじゃ勃たないよ」
赤羽「ああ!?」
「何でそんなに驚くの!?」
~
適当に若い子を流した。
「……………………」
『アンッア...アアン!』
「いてててててててて!!」
「痛いよぅ!」
「いたーい!」
俺は勃っていないけど…
「い、いたいな…」
嘘をついた
一分後……全員股間を抑えている……全員負けたようだ……。
ここで反応しなかったって言うとインポだと思われるので、一応空気を読んで、ね?
赤羽が
「股間が反応して勃ったヤツ挙手」
全員手をあげた。
ちなみに実を言うと俺は勃たなかったが、ここで勃たなかったらインポだと思われそうだったので嘘で手を挙げた。
discpline-ディスィプリン-
これが俺の能力『自制』である。
どんな状況でも勃たせない便利な能力だ。
これには俺以外の誰もが反応するしかなかったようだ。
「くそ、くそ!」
地面をどんどんと叩く赤羽。
「ちくしょう、自己暗示かけたのになあ、落ち着けー、落ち着けージュニアって」
自制心が足りないからだよ。
「股間がすぐ痛くなったよ」
「この経験を覚えておくと良い」
「赤羽優希、性の目覚めー」
「そういうのやめろや!」
ギャハハハハハハハ!!
「みんな反応して勝負にならなかったから今度は目をつぶって音だけででやるか?」
「もういいよ!、どうせ結果は同じだよ」
「そうだな、じゃあもう終わりにするか」
「もうやめだよー」
「やめやめ」
「終わりにしよう」と言った瞬間まだ流れている動画から声が聞こえた。
『まだ終わってねえぞ!』
「「「「えっ!?」」」」
コンビニにエロ本を買いに行くことになった。
「じゃあ全員でエロ本買うか?」
「本当に?まあ、全員負けたしね」
「そうだなー」
「じゃあどの本買うか?」
「これいいんじゃね」
「どれ?」
「大人の色気、人妻の―」と言うのを遮って言った。
「いいわけねえだろ」
「じゃあ若妻…」
「人妻から離れろよそういうのが好きなの!?」
「おう」
「カミングアウトしちゃったよ赤羽」
「だってそそるだろ!」
「俺には分からない」
「僕はこれがいいな」
「おう、そうか、兄ちゃんが買ってやる」
増刊爆乳特集!こういう女に挟まれたい
「これがお前の性癖か?」
「性癖って何?」
「そのうち分かる」
一人一冊ずつ取ってレジに並ぼうとした。
その時赤羽の弟がハッと気づいたように言った。
「制服姿だとエロ本買えないんじゃないの?」
「……」
しばし思考する。
「そうだったあああああ!!」
赤羽の弟以外の皆が頭を抱えた。
「おいおいどうすっかこのまま帰るわけにはいかねえぞこのエロ本俺めっちゃ欲しい気持ちでたまらないからな、めっちゃ読みたい」
俺ははっきり言っていらない
「俺も同じ気持ちだよー、でもどうすれば」
「誰か呼ぼう、それで私服で来てもらおう、とにかく片っ端から電話して」
「皆この時間家に帰っているぞ多分」
「いいから電話しようぜ」
連絡先を知っている俺が電話した。音声スピーカーにして。
prrrrrr
山野っち
『もしもし?』
『俺だぁ』
「鳳凰院凶真かお前は!?」
『岡部倫太郎です』
「山野秀夫だろ」
『なぜわかった』
「お前は岡部と言うより橋田だろう」
『ん~んん、その発言はいささかいただけないでござる』
「細かい事は気にすんな」
『まあ、そういうことにしておこう、で、用は何でござるか?』
「何にも理由を聞かずに聞いてくれ、あの悪いんだけど今からここに来てくれない?」
『どこでござる?』
「太子堂駅の近くのコンビニなんだけど」
『無理でござる、じゃあ』
プツッ
「山野っちぃぃぃ!!!」
「次、ジェイな」
prrrrrr
prrrrrr
『この電話は今、電波の届かないところいあるか、電源が―』
「出ない」
「部活出てんだろ」
「裕也に電話してみるわだ」
『しもしもぉ?』
「裕也チャラい」
『翼いきなり電話してなに言ってんだよぉ!?』
「今何してる?」
『彼女とセックスしてるぅ』
「失せろ」
ブツッ
「今のは!?」
「キモすぎだったから切ったわ」
「次、田口ね」
prrrrr
『もしもし?』
『ご指名ありがとうございます、た・ぐ・ちですっ!』
「…………」
「やっぱ、やめねえか?」
「ただのスベリ芸だって、田口流の挨拶だと思うよ」
『赤羽だけど、何にも理由は聞かずに聞いてほしい、で今すぐここ来れる?』
『何処?』
『太子堂駅の近くのファミマなんだけど』
『大丈夫大丈夫行けるぜっ』
『良かった、じゃあ私服で―』と言った瞬間切れた。
「あれっ?切れた」
「もう一回電話してみ?」
prrrrrr
prrrrrr
『この電話は電波の―』
ブツッ
「駄目だ出ねえ」
「私服でって聞こえたかなー」
「多分聞こえただろう多分」
十五分後田口が来た、制服で。
「田口、私服でって聞こえなかったのおおおおおお!?」
「え?、わりい、携帯の電池切れちゃって聞こえなかったわっ」
「田口くううううん」
「何にも理由は聞かずに来てって言ったけどあれは何だったんだっ?」
「え、あの私服で来てもらってエロ本買ってほしかったんだけどよ、制服で来られちゃ無理だろ」
「ふむ、なるほど…まかせておけ、俺が買ってきてやる、金出せっ」
田口のエロ本のお金を渡した。
「無理でしょう、いくら田口君でも制服でじゃ18歳以上ですって言っても無理があるよ」
「いいから俺に任せとけ、外で待ってな、任せておけ、お前らは外で待っていろ、あとこれ預かっててくれっ」
田口のブレザーを預かった。
「ここで買えたなら田口君は英雄だよな」
「どうやって言いくるめるか」
「老け顔だからYシャツ姿のサラリーマンにしか見えねえんじゃね?」
「買ってきたぜっ!」
「え!?、なんで買えんの!?」
「だから言ったろ、俺に任せとけってさ」
「かっこいいー!」
「なんか予定より多い数あるけど…」
「自分の分プラス6冊買ったぜっ」
「そんなにいる!?」
次の日
朝の会
先生がホームルーム最後に言った。
先生「昨日うちの高校の制服を着たヤツが太子堂駅の近くのコンビニでエロ本を十冊ほど買っていたという通報があってな、誰か知らないか?」
「わからないなぁ」(迫真)
赤羽「そ、そんなすごい奴がいたんすか?」
「田口、何か知ってるか?」
何故か田口君に話を振られた。
田口が一言言った。
「知りませんなっ」
エロ本を買えた理由は後日分かった。