第30話 所持品検査
第30話 所持品検査
生徒指導の先生と生活指導の先生が共同で抜き打ちの所持品検査が行われた。
「田口、これは何だ?」
秋山先生が田口君を問い詰めた。
「ゲームボーイミクロですっ…」
「懐かしいな、おい!」
「今も持ってる奴いたの!?」
「ゲームボーイアドバンスSPなら持ってたなあ」
「GBAはちっちゃいころ兄ちゃんのやってたけど持ってるけどもう動かなくなっちゃったな」
ボタン押しても反応しなく菜ちゃったな。あれ。
「俺はゲームキューブでやってるぜっ」
「ゲームボーイプレイヤーか」
「ゲーム&ウォッチを持ってくればよかったかっ?」
「持ってるの!?」
「ゲームボーイ系と言えばポケモンだろお」
「長い期間やってないと朝と夜で時間が調整できなくなるんだよなっ」
「金銀とかね」
「ピカチュウ版でポケモン150匹見つけたデータが消し飛んだのは思い出」
「捕まえたんじゃねえのかよ!」
見つけたじゃ意味ないだろ…。
「取りあえず没収な」
「お前、これは何だ?」
生活指導の先生がそれそれを指した。
18禁エロ小説がバレたジェイ。
「…聖典です」
続けて
「これには、素晴らしい言葉が書いてあるんですう」
「ほう?、そうか、じゃあ、披露してみろ」
「『ヒロ君の、あそこ…こんなに大きくなっちゃったね』」
「ヒロ君って俺じゃんっ!」
確かに名前、田口広孝だあったな。
「『え、あ』」
「『こうなっちゃったら治すのは難しいよね…』」
「すぐ治るだろっ!」
「『う、うん…』」
「主人公、最低だなっ!」
「『じゃ、じゃあ、私がこんなにしちゃったんだから責任とる!』」
「何の責任だよっ!」
ホントに何の責任だよ。
「『そう言って、彼女は俺のズボンを脱がし、パンツの上からいきりたった俺の俺をさすり始めた』」
「何でだよ!」
「『う、ああ』」
「『すごい…ビクンビクンいってるよ、ヒロ君のおちんち―』」
「もういいよっ!」
「これでこれが聖典だってことは証明できたよなあ」
田口君が納得したようにうんうんとうなずいた。
「ただのエロ小説だってことは分かったよっ!」
「18禁だから没収だ」
生活指導の先生に没収された。
秋山先生が突っ込んだ。
「藤野、お前はその中に何が入っている?」
「聖書でーす」
「エロ本か!?」
「聖書ですよー!」
藤野がその本を渡した。
「本当に聖書だった…」
「これどうしたんだよ?」
「中学生の頃学校の前で配っていたのを貰ったでーす」
「そんなの配ってるものなの!?」
「貰った奴等の大半は牧師の息子に渡してたけどねー」
「元の所に戻っちゃった!、しかも家にいっぱいあるし!」
「ほとんどゴミ箱に捨てられてたなー」
「配った意味ない!」
「これは大丈夫」
所持品検査が終わり、帰りのホームルーム
「没収したけど明日には返すから、形だけの没収な」
「さすが秋山先生!」
「ところで、ごみ箱に大量の本が捨ててあるのはなんだ?」
校長の著書だった
「捨てんなよ!」
「いらないんですもん!」
「中古本屋に売ったら20円だったぜっ」
「俺の所は買い取り不可だったつうの!」
「使えないなー、この本」
前、他の先生に校長の本は捨てていいと言われた、中身がなくて、価値がないから、とだから捨てた。
「20円の価値しかない本の著者が校長している学校の生徒の俺達だった。