第20話 中学のころ何部だった?
第20話 中学のころ何部だった?
基礎英語講座が終わって視聴覚室でみんなで自主勉教しているときに俺はみんなに質問した。
「みんなは中学のころ何部だったっけ?」
「そう言う長谷川はー?」
「美術部」
「足めっちゃ速いのに!?」
「藤野は?」
「パソコン部」
「佐藤は?」
「卓球部だよ」
「山野っちは?」
「卓球部でゴザル」
「ナギは?」
「茶道部です」
「らしいなっ」
「ぽいな~」
「山口君は?」
「生徒会に入ってて文芸部」
「ぽいな~」
「赤羽は?」
「野球部、これでも県大会まで行ったんだわ」
「こいつがエースでなぁ、地区大会決勝で14奪三振だったけなぁ」
「すご!何で野球部入らないの!?」
「推薦なかったし、坊主にするの嫌だし、地区大会優勝程度じゃ高校では通用しねえよ」
「そうなんだ」
「湊は?」
「サッカー部」
「普通だなー」
「田口君は?」
「陸上ホッケー部っ…」
「それ中学になくない!?」
「うちの高校にあるよねー」
「じゃなくて、テニス部っ、バギーホイップショットは10回に1回打てるっ」
「ほぼ実践で使えない!」
「ジェイは?」
「バスケ部だよお」
「俺もバスケ部だったんだよぉ!」
「え!?木戸Uも!?」
「どこ中だっけ!?」
「長町南中」
「対戦したことないなあ…」
「ジェイは?」
「中柵中、長町南中には3on3強い奴がいるって話は聞いたことあるけどなあ」
「それ俺だよぉ、ストリートバスケは超得意」
「マジか、ちょっと校庭にあるバスケゴールで勝負しようよお!」
「いいぜぇ」
「ただ勝負するはつまらないから賭けしようよお」
「何するんだあぁ?」
「負けたほうが買った方に自分が欲しい本をプレゼントするでいいかぁ?」
「いいぞお、じゃあ俺はふたりエッチの最新刊、負けねぇからなあ」
「俺はぁ、小説 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ全3巻が欲しいからぁこれで決定なぁ」
学校の隅にあるバスケコートで3 on 3をする子Tになった。
木戸U、赤羽、田口君
VS
ジェイ、藤野、俺(長谷川)
で、勝負することになった。
審判は湊、ルールはちゃんと知っているらしい。
観客は左藤、山野っち、ナギ、山口君
藤野はパスしかしない
10ポイント先に取った方が勝ち。
俺は遠くからのパスかシューティングスローしかない、切り込んで庶民シュートとか習ってないからできない。
実質ジェイと木戸Uの勝負だ。
どっちもパス出さないでこぼれ球で違う奴が取ってもすぐパスと言うから、ほぼモブ。
接戦でジェイのスリーポイント、ダンク、庶民シュートで7点
木戸Uの切り込んで庶民シュート4回で8ポイント
こっちがジェイが切り込んでシュートしても1ポイント足らない。
木戸Uが保持していたボールをジェイがスティールで叩いてはじいたところに俺がいて、そのまま俺が3ポイントシュートで勝利。
「なんで入るんだぁ!?」
「3ポイントだけは得意なんだ」
「10対8でジェイチームの勝ち~」
「じゃあ、罰ゲーム」
木戸U、ふたりエッチを買いに行く。
仙台で一番大きい漫画本屋。
左藤と、山野っち、ナギと山口君は帰った。
「ここなら全巻そろってるよ」
「じゃあ、木戸U、店員にふたりエッチの場所を聞いてふたりエッチの最新刊を買う、なあ」
「めっちゃ恥ずかしそう」
俺は続けて
「この本屋よく利用するから実を言うと俺ふたりエッチの場所どこか知ってるんだけどね」
「どこ?」
「ヤングジャンプコミックスの隣」
続けて言った。
「でも店員に聞くという罰ゲームだからな」
木戸Uはうろうろしながら恥ずかしそうに聞いた、あっ、店員がくすっと笑った。うつむいている木戸U。
これは恥ずかしい。
ふたりエッチのところまでついた。
最新刊を取ったけど、なかなかレジに行かない木戸U。
負けた木戸Uレジ前をうろうろしながら顔を赤くしながらふたりエッチを買った。
「俺ぇ、もうこの本屋行けねぇよぉ…」
「この本屋ガンダムとかロボット系の本とか充実してるぞ」
「マジ!?、今度買いにまた来るわぁ!」
「切り替えはや!」
「サンドイッチすればよかったのになあ」
「え!?それありだったのかよぉ!?」
次の日の放課後、今日は基礎英語講座がない。
今度は1on1木戸Uとジェイが勝負でジェイが買ったらうれしょん!全巻プレゼントで、木戸Uが勝ったら小説 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ全3巻プレゼントで賭けをした結果。今日は木戸Uが勝った。
昨日と同じ本屋、昨日と同じメンツで来た。
ジェイが店員に訊いた「すいません、機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 小説版ってどこにありますかあ…?」
「こちらです」と店員に案内されされて本を取ったが、レジ前でうろうろするジェイ、やっと覚悟を決めてレジに本を出して買ってきた。
「俺、めっちゃ恥ずかしかったんだけどお!」
「なんでだよぉ、ガンダムだぞガンダム」
「俺はガノタじゃなんだよお!」
「サンドイッチすればよかったのに」
「サンドイッチする本もうれしょん!だからサンドイッチの意味がねえだろお!」
「お互いの恥ずかしい気持ちが分かってよかったなっ」
ぉ
「「よくねえよ !」」
お
どっちも恥ずかしかった結果に終わった。