第16話 英語の問題
第16話 英語の問題
今日の英語講座は自分たちの英語の学力を測ることになった。
「お前ら英語どこまでできる?」
「中二の途中くらいー…」
「アルファベットは全部書けるよ」
「左藤、それ最低限のレベルだから」
「じゃあ、適当に問題出すから答えて」
黒板に書いた
What's your sex?
「あれは南の空を見ていた時っ…」
「違うよ」
「あなたはサックスですかっ?」
「いいえ、トロンボーンですぅ」
「さっきからめちゃくちゃだよ!、正解は『貴方の性別は何ですか?』」
「いい男でえす」
「そこは答えなくていい」
再び黒板に書いた。
I‘ve been to New Zealand
「これは何と訳す?」
「私はニュージーランド人に愛撫されましたっ」
「全然ちげえ!、(正解は『私はニュージーランドにいました』だよ)
「分かんねえ」
とつぶやいた赤羽と同じくオレも分からなかった。
「お前ら分子構文って知ってる?」
ジェイが答えた。
「理科ですかあ?」
「お前…」
「じゃあちょっとテストやってもらうから分からないなら飛ばして終わったら終わりましたって言って」
俺は途中で全く分からなくなったから中2の途中くらいの問題で終わりましたと言った。
すぐ終わりましたと言った奴も行ったし最後まで言わなかった奴もいた。
初めに終わりましたと言った藤野は違う意味で『終わりました(絶望)』と言う感じだ。
全員の英語力を測った結果。
全員分の学力を描いた先生のメモをチラ見したら。
長谷川は中二の途中くらい
藤野はアルファベットが書ける
左藤は中二の終わりくらいまで
山野は英語ができる
草彅もできる
山口もできる
赤羽は中一の終わりくらい
木戸は中一の途中
田口は中学卒業レベル
衛藤は中二の初めくらい
湊は中三の途中くらい
と書いてあった。
「山野は英語なんでこんなにできるんだ?」
「プログラミングとかで英語は覚えておかないとと思って覚えたんでございまする」
「他の教科が苦手なのか?」
「社会と国語が苦手でございまする」
「草彅は普通にできるけど?」
「公立大学目指してるので基礎は固めないとと思いまして」
「山口も」
「海外にも行きたいので英語はちゃんと覚えたいのですが」
「長谷川は?」
「英語勉強し始めたのが中3の秋で…、俺、不登校だったんで」
「藤野はどうした?」
「単語は分かるけど文法にすると分からないですよー」
「赤羽は?」
「普通に勉強してないからっす、あとですればいいやって思ってたら今になっていたっす」
「木戸は?」
「部活に汗を流して自主練とかしてたら勉強してなかったんすよぉ」
「田口はヤバいぞ」
中学卒業程度なのに?
「だから今から勉強しようと思ってるんですよっ!」
「衛藤は?」
「中二くらいからで頭が回らなくて勉強ができなかったですよお」
「オナニーをおぼえたとか?」
「それっすう!」
「オナニーは1回するとフルマラソンを走ったときと同じくらいの脳疲労になるからしない方がいいぞ」
「大会の前はやらなかったすよ、オナ禁するとパフォーマンスが上がるって聞いたんで」
「勉強のパフォーマンスも上げろよ」
続けて
「湊は?」
「途中で勉強に飽きたっす~」
「普通だな」
「全員中一の初めからする、覚えるまで付き合うからな、1年で英単語も中学終了時点で1000個くらい覚えさせるから」
赤羽が質問した
「ちなみにオナニーって言うのは?」
「やりますねえ!」
何故かジェイが答えた。
「するな!」
先生の鋭いツッコミが入った。
「3年間全員英語の時はオナ禁な」
「オナニーとは何ですか?」
山口が質問した、え?
「お前、知らないのかよ!?」
「私も知らないんですけど」
ナギも!?
オナニーを知らない奇跡の高校生が二人もいた。
ナギは先生に質問した。
「それってテストで出ることですか?」
「出ないから覚えなくていい!」
分からないならいいと教えなかった。
「じゃあ、この問題集のプリント、水曜日までだけど今日やって、復習して、3回やって、完璧に覚えるまで進めないから」
「先生ってどのくらい英語できるんですか?」
TOEIC満点、長期留学もした」
「すごいっすねえ!」
赤羽が感嘆した。
Fランだったら信用できなかった
「ちょっと電話、わり」
秋山先生が電話に出た。
「Hello―」
「すげえ英語で話してるわ」
「留学してたって言うから本当で英語できるんだ」
この先生だったら信用できると確信した瞬間だった。
「悪いな、ちょっと長くなって、何か質問あるか?ないなら今日はここまで」
「頑張ります!」
「俺も!」
「そうか頑張れよ!」
この先生について行こうと決めた俺らだった。