第14話 ジェイ
2回目の英語講座が始まる時間前に集まって英語講座受講メンバーと話をしていた。
俺が疑問を聞いた。
「衛藤って入学式でメッシュ入れて髪切っていた奴?」
「それは隣のクラスのハーフの奴う!」
「なんか衛藤純って名前なじめなくねえ?」
「衛藤だと他人行儀なカンジがするし、純だと近すぎるカンジ」
「衛藤でいいんだよお!」
「何かそうじゃねえカンジが」
「カンジがぁ」
「お前、衛藤純って言うよりJ・Eってカンジだよな」
「外人みたいで格好なぁ!」
「だなっ!」
「カンジカンジぃ」
「でもお!、俺は日本人だよお!、外人じゃねえじゃねえ!」
結局
英語講座が始まる前までに、散々J・Eと呼ばれ諦めがついたのか。
「ああ、もういいよお、J・Eで」
衛藤が認めた。
「これから衛藤はJ・Eって呼ぶことになったからそう呼んでくれっ」
田口君がみんなに呼び掛けた。
赤羽が言った。
「よろしくなJ・E」
「ああ、よろしくう…」
俺も挨拶した。
「よろしくJA」
「農協じゃねえよお!」
「よろしこっJJ」
「女性向けファッション雑誌じゃねえ!」
「よろしくでゴザル、JD」
「女子大生じゃねえし!?」
「よろしくなぁJK」
「女子高生じゃねえしい!?」
「よろしくーJC」
「女子中学生になっちゃたよお!」
「よろしくだよJS」
「もはや小学生になっちゃたよお!」
「よろしく~、JT」
「俺、タバコ吸わねえよお!?」
「よろしくお願いします自衛さん」
「俺、自己防衛じゃないよお!?」
「よろしく衛藤君」
「だから俺はあ……え?」
山口君に普通に名字で呼んで逆にびっくりしたJ・Eだった。
時間になって担当の秋山先生が来て基礎英語講座が始まった。
今日のは生徒が主導的にやってか楽しくやる英語講座。
「今日は遊びで英語をおぼえたりするからみんな適当に黒板に書いてっていいぞ」
適当に英語で書いてみる。
先生は傍観
ツッコむときはツッコむ。
赤羽が「俺、昔言われた事なんだけど、英文にしてみるわ」
と言って書いたのが。
「Are you an otaku?」
「『あなたはオタクですか?』」
「それで答えたのが」
「『No I’m not.』」
「『いや、違うけど。』」
本当は『いいえ、違います』になるけど
「なんだそいつっ?」
「キモオタが席隣になったときコードギアスの話木戸Uとしたら話しかけてきやがった」
「Oは母音なのでaはanになる、から気を付けろよ」
秋山先生は続けて
「これを英語にして『貴方は誰ですか?』」
「Who the fuck are you?」
「うん、『the fuck』いらないから、これだと『なんだよ、テメエ!?』になっちゃうから」
「ちなみに『わかりましたか』は?」
赤羽に聞いてみた。
「Understand you yes?」
「『わかるますたか』だよ!」
俺は思わずツッコんだ。
「だからブラックラグーン式英会話はいいから」
先生、ブラックラグーン知ってるのかよ!?
先生は続けて
「『Do you understand?』、な」
「わかったっす」
「I want to V(動詞) O(目的詞)、これ分かる?」
「I want to V O.は昔、痴音ミクの歌、O2の替え歌でorzでI continue to fight.をI want to see your oppai.と変えてあってな訳すと『私はあなたのおっぱいが見たい』となってな、これで俺はwant toをマスターしたんだあ」
「O2はコードギアスR2の第一クールのOPだろ、俺のいとこが修学旅行で京都行った時にちょうどオレンジレンジが太秦映画村でO2のPV撮ってるところに遭遇したっ」
へぇ~」
「反応薄くないかっ!?」
「だってコードギアスは15周年の出始めてみたからその時の曲O2じゃなかったし」
「お前らその世代かよっ!」
田口はいつの世代なんだよ。
My name isの文
「My name is+自分の名前で、私の名前は○○です」
「My name is Hermione」
「私の名前はハーマイオニー、あなたは?」
「ロ、ロン・ウィーズリー…」
「中学の時流行ったわ」
赤羽が懐かしいネタを出してきた。
「My name is medern strange cowboy.」
「ロデオボーイめっ」
田口、GRANRODEO知ってんの!?
秋山先生がし問題を出した。
「moveと言えば(意味は?)」
「Gamble Rumble」
「DOG FIGHT」
「Outsoar The Rainbow」
「アーティストじゃなくて、自動詞か他動詞かっていう話なんだけど」
俺が答えた。
「引っ越す」
「意味としては正解」
「分からないです」
山口君はそう答えた。
「それが一番正解」
続けて。
「英語をちゃんとやってると動詞の意味を聞かれた時自動詞と他動詞の違いがあるから聞かれても分からないと答えるのが正解なんだ」
「先生ってこの高校の出身者なんですか?」
「そうだよ」
「先生って大学どこなんですか?」
「赤坂学院文学部英文学科だよ」
「偏差値70越えの看板学部じゃないですか!?」
「赤坂学院大学はどうやって入ったんですか?」
「一般入試で」
「え!?ここから一般で!?」
「授業中に授業無視して自分のしたい勉強ばかりしていたから受かった、平常点は低かったけどテスト前にくれるこれを全部覚えたら70点以上は問える虎の巻プリントを暗記していたから一応評定は4か5だけだったぞ」
話を聞いていなかった赤羽が
「Red Fractionの歌詞意味解読してえ」と言った。
「ハードだなぁ…」
「ニコ動に意訳したの載ってるからそれ見れば大体合ってると思うぞ」
先生が山口君に言った。
「山口、お前かなりできるな」
「中学では常に80点くらいはキープしていました」
「でもそれならなんでうちの講座受けたんだ?」
「復習の為です、授業じゃちょっと足りないのでもっと伸ばしたい、大学入試の時100点取れるようにしたいというのが理想です自分の夢は弁護士なので、国際弁護士にもなりたいと持っているので英語は完璧にしておきたいのです」
赤羽にも話を振った先生。
「赤羽?お前はなんで英語を勉強したいんだっけ?」
「留学していろんな外人女性をナンパしてをヤるためっす」
「理由の差が大きすぎる!」
秋山先生がツッコンだ。
不純な動機と真面目な動機が入り混じっている英語講座であった。
次の日の朝
おれはJ・Eにあいさつした。
「おはようジェイ」
「あれえ・ジェイ・イー(J・E)じゃねえのお?」
「言いづらい、同じ言葉『イ・イ』と2回繰り返すのは面倒くさい」
三日後、ジェイが完全に浸透した。
「衛藤純」
「はあい」
「衛藤純って誰だよっ?」
「俺だよお!」
「おめえ、名前カタカナじゃなかったっけ?」
「日本語で漢字だよお」
「嘘だろお!?
「じゃあ俺の名前言ってくれよお」
赤羽が少し思考して言った。
「…カビラ・J・フォックス?」
「もはや誰だよお!?」
ジェイの本名が完全に忘れさられた。